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サーバーサイドGTMの正しい始め方とコストの現実|自動プロビジョニングとCloud Run|未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 29】

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サーバーサイドGTM(sGTM)は、「ブラウザの計測制限を回避できる魔法の設定」のように紹介されがちですが、実態は本格的なサーバーインフラの運用です。導入を検討する前に、正しい構築方法と、見落とされがちなコストの話を押さえておきましょう。

サーバーコンテナは手動でCompute Engineを組む必要はない

GTMの管理画面から「新しいコンテナを作成」→ターゲットプラットフォームを「サーバー」にすると、「自動プロビジョニング」というボタンが用意されています。これを使えば、GoogleCloudのプロジェクト作成からタグ配信用サーバー(現在はCloud Run上に構築されるのが標準)のセットアップまでを、GTM側がまとめて行ってくれます。Compute Engineのインスタンスを手動で立てたりネットワーク設定を組んだりする必要はありません。まずはこの自動プロビジョニングで試すのが現実的な入り口です。

コンテナの作成画面でターゲットプラットフォーム「Server」を選択したところ

タダではない、という前提で検討する

ここが一番強調しておきたい点です。検証用の小規模な構成であれば無料枠に収まることもありますが、実際に本番トラフィックを受けるとなると話が変わります。冗長性を確保するために複数インスタンスでの運用が推奨されており、本番相当の構成では月額で数万円〜(サイトの規模やタグ数によってはさらに上)のGoogle Cloud利用料がかかるのが一般的です。「無料でできる高度な計測」ではなく、「相応の運用コストと引き換えに計測精度と柔軟性を得る」という投資判断として社内で説明できるようにしておいてください。

なぜ計測精度が上がるのか:ファーストパーティ化がキモ

sGTM導入の主なメリットは、自社ドメインのサブドメイン(例:gtm-ss.example.com)を使ってタグ配信サーバーにアクセスすることで、通信が「サードパーティ」ではなく「ファーストパーティ」として扱われる点にあります。SafariのITPや各種広告ブロッカーは、サードパーティドメインへの通信を積極的にブロックする一方、自社ドメイン宛ての通信は通しやすい傾向があります。このサブドメインを機能させるには、独自ドメインのDNS設定とSSL証明書の準備も必要になるため、実装にはインフラ担当者の協力が要ります。

すべてのタグがそのまま移行できるわけではない

GA4やGoogle広告のコンバージョン計測には公式のサーバーサイド用タグテンプレートが用意されていますが、ニッチな計測ツールや一部のサードパーティタグには、まだサーバーサイド版のテンプレートが存在しないケースがあります。「全部サーバー経由にする」のではなく、「サーバーサイド化できるものから段階的に移行する」というのが現実的な進め方です。

今日のまとめ

サーバーサイドGTMは自動プロビジョニングで構築自体は難しくありませんが、継続的なインフラコストと運用体制が必要になる、れっきとしたシステム投資です。導入判断は「効果があるから即採用」ではなく、コストと計測精度向上の見合いで検討してください。次回は、SPA(シングルページアプリケーション)でのGTM計測を扱います。

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