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未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 9】 〜クリックイベントの計測(応用編) 〜特定のボタンだけをトラッキングする方法〜〜

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■ すべてのクリックを計測するとデータが多すぎる問題

「GTMでクリックイベントを設定したけど、GA4に送られるデータが多すぎて、どれを見たらいいのか分からない!」

前回の設定では「すべてのクリック」を計測していましたが、それだと分析が大変ですよね。そこで今回は、「このボタンだけ計測したい!」 というケースに対応する方法を解説します。

例えば、以下のようなボタンだけを計測する設定を作ってみましょう。

✅ 「お問い合わせ」ボタン
✅ 「購入」ボタン
✅ 「資料請求」ボタン

これを実現するために、特定のボタンのクリックだけをトリガーにする方法を学んでいきます。


① 特定のボタンのクリックを判別するには?

「特定のボタンだけを計測する」には、次の2つの方法があります。

方法1. クリックテキストを使う(ボタンのラベルが固定されている場合)

  • 例:「お問い合わせ」「購入する」「資料請求」など、ボタンのテキストが決まっている。
  • GTMの組み込み変数「Click Text」を使って判別する。

方法2. CSSセレクタやIDを使う(ボタンのデザインが変わる可能性がある場合)

  • 例:同じ「購入」ボタンでも、ページごとにテキストが違う場合。
  • HTMLのid属性やclass属性を使って特定のボタンを指定する。

今回は、両方の方法を試してみましょう!


② GTMでクリックトリガーを作成する(特定ボタン用)

1. クリックトリガーを作成する

  1. GTMにログインし、左メニューの「トリガー」を開く。
  2. 新規」をクリックし、トリガーの種類を「クリック - すべての要素」に設定。
  3. 「このトリガーの発火を...」のオプションを「一部のクリック」に変更。
  4. 以下の条件を設定。
  5. 方法1. クリックテキストを使う場合:
    • 「Click Text」 次を含む 「お問い合わせ」
  6. 方法2. CSSセレクタを使う場合:
    • 「Click Classes」 次を含む contact-button
  7. トリガー名を「お問い合わせボタンクリック」にして保存。

この設定で、「お問い合わせ」ボタンのクリックのみ計測できるようになります!


③ GA4のイベントタグを作成する

次に、クリックデータをGA4に送るタグを作成します。

1. 新規タグを作成する

  1. GTMの「タグ」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、タグの種類を「Google アナリティクス: GA4 イベント」に設定。
  3. 設定タグを選択」で、すでに作成したGA4設定タグを選択。
  4. イベント名」を contact_button_click にする。

2. イベントパラメータを設定する

  1. 「イベントパラメータを追加」ボタンをクリック。
  2. 以下のパラメータを追加。
  3. パラメータ名: button_text(値: {{Click Text}}
  4. パラメータ名: button_url(値: {{Click URL}}
  5. 保存。

この設定で、GA4に「お問い合わせボタンがクリックされた」データを送信できます!


④ トリガーをタグに設定しよう

  1. 作成したGA4イベントタグの「トリガー」をクリック。
  2. 先ほど作成した「お問い合わせボタンクリック」トリガーを選択。
  3. 保存。

これで、「お問い合わせ」ボタンがクリックされたときのみ、GA4にデータが送信されます!


⑤ プレビューモードで動作確認

本番適用前に、必ずプレビューモードでテストしましょう。

  1. GTMの「プレビュー」を開く。
  2. 計測対象のサイトを開き、「お問い合わせ」ボタンをクリック。
  3. デバッグツールで「Tags Fired(発火したタグ)」にGA4のタグがあるか確認。
  4. GA4のリアルタイムレポートで contact_button_click が記録されているか確認。

問題なくデータが送信されていることを確認したら、GTMの「送信」ボタンを押して公開!


■ まとめ 〜特定のボタンだけを計測しよう!〜

今回の学びを整理すると...

「特定のボタンのクリック」を計測するには、トリガーの条件を設定する
「Click Text」や「Click Classes」で特定のボタンだけをトラッキングできる
GA4のイベントタグを作成し、イベントパラメータを送信する
「プレビューモード」で動作確認してから公開するのが鉄則!

この設定を活用すれば、重要なボタンのクリック状況をGA4で分析できるようになります!

例えば... - 「購入ボタン」のクリック率が低い場合 → CTAの文言を見直す - 「資料請求ボタン」のクリックが多い場合 → コンバージョンに結びつける工夫をする

など、マーケティング施策の改善に役立ちます。


■ 明日の予告 〜フォーム送信のトラッキング〜

次回は、フォーム送信のトラッキングを学びます!

お問い合わせフォームや申し込みフォームが「どのくらい送信されているか?」を計測できるようになると、さらに効果的なデータ分析が可能になります。

明日も引き続き、実践的なGTM活用スキルを磨いていきましょう!


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