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あれこれ考えるよりも作ってしまった方が早いんじゃね?と思う、ギークなサラリーマンのアジャイルな日々。

未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 11】 〜カスタムイベントトリガーの活用 〜dataLayerを使いこなせ!〜〜

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■ GTMのカスタムイベントとは?

ここまで、GTMの「クリック」「フォーム送信」などの標準トリガーを使ってイベントを計測してきました。
しかし、すべてのユーザー行動を標準トリガーで計測できるわけではありません。

例えば、 ✅ 動画の再生回数を計測したい
✅ ユーザーがログインした回数を計測したい
✅ 「カートに追加」ボタンのクリックを特定の条件で計測したい

こういったケースでは、「カスタムイベントトリガー」を活用します。

カスタムイベントとは、サイトのJavaScriptが dataLayer.push() を実行したときに、GTMがそのイベントを拾って動作する仕組みです。

つまり、「dataLayerにイベントを送る」→「GTMがそれを受け取ってタグを発火する」 という流れになります。

では、実際にカスタムイベントを使ってみましょう!


dataLayer.push() を理解しよう

GTMでは、 dataLayer.push() というJavaScriptの関数を使って、サイト内の特定のアクションをGTMに通知できます。

例えば、 ```javascript

`` このコードは、「ユーザーが動画を再生したとき」にdataLayerevent: 'video_play'` という情報を送るものです。

これをGTMで拾うことで、「動画再生の計測」が可能になります。

重要ポイント - event キーの値(例:video_play)がカスタムイベント名となる。 - 追加情報(例:video_titlevideo_duration)を一緒に送ることも可能。


② GTMでカスタムイベントトリガーを作成する

1. カスタムイベントトリガーを作成

  1. GTMにログインし、「トリガー」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、トリガーの種類を「カスタムイベント」に設定。
  3. 「イベント名」に video_play と入力。
  4. 「このトリガーの発火を...」は「すべてのカスタムイベント」のまま。
  5. トリガー名を「動画再生イベント」として保存。

これで、event: 'video_play'dataLayer に送信されたときにGTMが反応できるようになります!


③ GA4に動画再生イベントを送信するタグを作成する

カスタムイベントをGA4に送信するためのタグを作成します。

1. GA4用のイベントタグを作成する

  1. GTMの「タグ」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、タグの種類を「Google アナリティクス: GA4 イベント」に設定。
  3. 設定タグを選択」で、すでに作成したGA4設定タグを選択。
  4. イベント名」を video_play にする。

2. イベントパラメータを設定する

  1. 「イベントパラメータを追加」ボタンをクリック。
  2. 以下のパラメータを追加。
  3. パラメータ名: video_title(値: {{video_title}}
  4. パラメータ名: video_duration(値: {{video_duration}}
  5. 保存。

これで、動画が再生されたときに「動画タイトル」「動画の長さ」と一緒にGA4へデータを送ることができます!


④ プレビューモードで動作確認

タグを本番適用する前に、必ずプレビューモードでテストしましょう。

  1. GTMの「プレビュー」を開く。
  2. 計測対象のサイトを開き、動画を再生。
  3. デバッグツールの「Data Layer」タブを確認し、 video_play イベントが送られているか確認。
  4. 「Tags Fired(発火したタグ)」にGA4のイベントタグがあるか確認。
  5. GA4のリアルタイムレポートで video_play が記録されているか確認。

問題なくデータが送信されていることを確認したら、GTMの「送信」ボタンを押して公開!


■ まとめ 〜カスタムイベントで自由な計測を実現!〜

今回の学びを整理すると...

dataLayer.push() を使えば、GTMに自由なイベントを送れる!
カスタムイベントトリガーを作成すると、GTMが特定のイベントをキャッチできる!
GA4のイベントタグを作成し、カスタムイベントをデータとして送信する!
「プレビューモード」でテストし、問題なければ公開する!

この設定を活用すれば、マーケターも「開発者と協力してより高度な計測を実装」 できるようになります。

例えば... - 動画の視聴率を測る → video_play の回数をGA4で分析 - ログインイベントを測る → user_login の回数をGTM経由で計測 - カート追加イベントを測る → add_to_cart をEコマースデータと一緒に送信

など、サイトの動きをより詳細に把握できるようになります。


■ 明日の予告 〜データレイヤー変数を活用する〜

次回は、データレイヤー変数を活用して「カスタムイベントで取得したデータをもっと柔軟に扱う方法」を学びます!

これをマスターすれば、さらに高度なタグ管理が可能になります。

明日も引き続き、GTMの応用スキルを磨いていきましょう!


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