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未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 6】 〜プレビューモードとデバッグの活用 〜タグが動かない時の探偵術〜〜

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■ タグが動かない!? そんな時こそ冷静に

「GTMでタグを設定して公開したのに、Googleアナリティクスにデータが送られていない...?」

GTM初心者のほぼ全員が一度は遭遇するこの現象。焦って設定をいじりまくる前に、一度落ち着きましょう。

「犯人は現場に戻る」と言われるように、タグの動作トラブルの原因はGTMの中にあります。GTMにはタグの動作を可視化する「プレビューモード」という最強のツールが備わっているので、これを使ってじっくり検証していきましょう。


① GTMのプレビューモードとは?

プレビューモードとは、タグの動作をテストできるデバッグツールのことです。

これを使うと、

✅ どのタグが発火しているか?
✅ どのトリガーが条件を満たしたか?
✅ 変数の値は正しく取得できているか?

をリアルタイムで確認できます。

タグを本番環境に適用する前にテストできるので、マーケターにとって欠かせない機能です。


② プレビューモードの使い方

では、実際にプレビューモードを使ってみましょう。

1. GTMのプレビューモードを開く

  1. Google Tag Manager にアクセスし、コンテナを開く。
  2. 画面右上の「プレビュー」ボタンをクリック。
  3. 計測対象のウェブサイトのURLを入力し、「接続」をクリック。
  4. サイトが新しいタブで開き、GTMのデバッグツール(Tag Assistant)が表示される。

2. タグの発火状況を確認

デバッグツールの「Tags」タブを開くと、

✅ 発火したタグ(Tags Fired)
✅ 発火しなかったタグ(Tags Not Fired)

が一覧表示されます。

もし設定したタグが「Tags Not Fired」に入っていたら、何か問題があるということです。


③ タグが発火しない時の原因と対策

タグが発火しない場合、主に以下の5つの原因が考えられます。

原因1. トリガーの設定ミス

チェックポイント: - トリガーの条件が適切か? - 「すべてのページ」ではなく「特定のページ」に限定されていないか? - クリックトリガーの場合、対象のボタンやリンクが正しく識別されているか?

対策: - 「プレビューモード」でトリガーの発火条件を確認。 - 必要ならトリガーの設定を「すべてのページ」や「すべてのクリック」に変更してテスト。

原因2. 変数の取得ミス

チェックポイント: - 変数の値が正しく取得できているか? - 設定した変数が「undefined」になっていないか?

対策: - 「Variables」タブを確認し、変数の値が取得できているかチェック。 - もし取得できていなければ、変数の種類(組み込み変数 or ユーザー定義変数)を見直す。

原因3. dataLayer(データレイヤー)が未定義

チェックポイント: - dataLayer.push() で必要なデータが送信されているか? - dataLayer のデータ構造に間違いはないか?

対策: - デバッグツールの「Data Layer」タブで値を確認。 - dataLayer の定義や記述ミスがないか開発者に相談。

原因4. GTMコンテナの公開忘れ

チェックポイント: - GTMのタグを編集した後、「送信」ボタンを押しているか?

対策: - 編集後は必ず「送信」→「公開」を実行する。 - バージョン履歴を見て、最新の設定が適用されているか確認。

原因5. AdBlockなどの拡張機能が邪魔をしている

チェックポイント: - ブラウザにAdBlockやGhosteryなどの広告ブロッカーが入っていないか?

対策: - 一時的にブラウザの拡張機能をオフにして確認。 - シークレットモードでテストしてみる。


④ Googleアナリティクス側でもデータを確認しよう

GTMのタグが発火していたら、Googleアナリティクス(GA4)にもデータが届いているか確認しましょう。

1. GA4のリアルタイムレポートを開く

  1. Google Analytics にログイン。
  2. 左メニューの「レポート」→「リアルタイム」を開く。
  3. 「イベント」セクションに、GTMで送ったデータが表示されるか確認。

もしGTMでタグが発火しているのにGA4にデータが届かない場合、 - 測定ID(G-XXXXXXX)の設定ミス - Google Signals(シグナル)の影響 - Googleタグ(gtag.js)との競合

などが考えられます。設定を見直しながら、慎重にチェックしましょう。


■ まとめ 〜GTMのデバッグ力を高めよう!〜

今回の学びを整理すると、

プレビューモードでタグの動作を確認する
発火しない場合は「トリガー」「変数」「dataLayer」をチェック
Googleアナリティクス側でもデータが届いているか確認する

GTMを使いこなすためには、デバッグ力を鍛えることが不可欠です。タグの動作を正しく理解し、トラブル時にも冷静に対処できるようにしていきましょう。


■ 明日の予告 〜コンテナの公開とバージョン管理〜

次回は「コンテナの公開」と「バージョン管理」の話。変更履歴を管理しながら、安全にGTMを運用する方法を学びます!


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