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未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 20】 〜変数を使った柔軟なタグ設定 〜計測の自由度を最大化する〜〜

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■ GTMの「変数」とは?

GTMの変数は、タグ・トリガー・設定値を動的に制御するための要素です。

例えば、 ✅ 「特定のページで異なるGA4の測定IDを使いたい」
「クリックされたボタンのテキストを取得し、イベントデータに含めたい」
「Cookieの値に応じてタグの発火を切り替えたい」

こういったケースでは、GTMの「組み込み変数」や「ユーザー定義変数」を活用することで、計測の自由度を大幅に高められます。

では、実際に設定方法を学んでいきましょう!


① GTMの組み込み変数を活用する

GTMにはデフォルトで用意されている「組み込み変数」があります。

1. 組み込み変数を有効化する

  1. GTMの「変数」メニューを開く。
  2. 組み込み変数を設定」をクリック。
  3. 必要な変数(例:Click TextClick URLPage URL など)にチェックを入れる。
  4. 保存。

これで、ページのURLやクリックしたボタンのテキストなどを簡単に取得できます!

2. GA4のイベントタグで変数を活用する

例えば、「クリックイベントでボタンのテキストを取得し、GA4に送信する」場合は、

  1. GTMの「タグ」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、タグの種類を「Google アナリティクス: GA4 イベント」に設定。
  3. イベント名」を button_click にする。
  4. 「イベントパラメータを追加」ボタンをクリックし、
  5. パラメータ名: button_text(値: {{Click Text}}
  6. パラメータ名: button_url(値: {{Click URL}}
  7. 保存。

これで、クリックされたボタンのテキストとURLがGA4に送信されます!


② ユーザー定義変数を活用する(JavaScript変数)

GTMの「ユーザー定義変数」を使うと、サイト内の情報をより柔軟に取得できます。

例えば、「ユーザーのログイン状態」を取得するには、JavaScript変数を作成します。

1. JavaScript変数を作成する

  1. GTMの「変数」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、変数の種類を「JavaScript変数」に設定。
  3. 「変数名」に window.userStatus を入力。
  4. 変数名を「JS - ユーザーステータス」として保存。

これで、window.userStatus に格納された値をGTM内で取得できるようになります!

2. ユーザーのログイン状態に応じたタグの発火制御

「ログインしているユーザーだけにタグを発火させたい」場合、

  1. GTMの「トリガー」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、トリガーの種類を「ページビュー」に設定。
  3. 「このトリガーの発火を...」のオプションを「一部のページビュー」に変更。
  4. 条件として「JS - ユーザーステータスlogged_in と等しい」を設定。
  5. 保存。

これで、ログインユーザーだけにタグを発火させる設定ができます!


③ Cookie変数を活用する(ファーストパーティCookieの利用)

Cookie変数を使うと、ユーザーの過去の行動を考慮してタグを発火できます。

1. Cookie変数を作成する

  1. GTMの「変数」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、変数の種類を「ファーストパーティ Cookie」に設定。
  3. 「Cookie 名」に user_segment を入力。
  4. 変数名を「Cookie - ユーザーセグメント」として保存。

2. ユーザーのセグメントに応じてタグを発火させる

例えば、「VIPユーザーのみに広告タグを発火させる」場合、

  1. GTMの「トリガー」メニューを開く。
  2. 新規」をクリックし、トリガーの種類を「ページビュー」に設定。
  3. 「このトリガーの発火を...」のオプションを「一部のページビュー」に変更。
  4. 条件として「Cookie - ユーザーセグメントvip と等しい」を設定。
  5. 保存。

これで、「VIPユーザーだけに広告タグを発火」できるようになります!


■ まとめ 〜変数を使ってタグ設定を自在に操ろう!〜

今回の学びを整理すると...

組み込み変数を有効化すると、GTMが提供する便利なデータを取得できる!
JavaScript変数を活用すれば、ログイン状態などの動的なデータを取得できる!
Cookie変数を使えば、ユーザーの過去の行動に基づいてタグの発火を制御できる!
GTMの「プレビューモード」でテストし、問題なければ公開する!

これを活用すれば、 - 「特定のボタンのクリック時に詳細なデータを取得」 - 「ユーザーの属性(ログイン状態・セグメント)に応じてタグを発火」 - 「Cookieを利用してリマーケティング広告の対象を制御」

といった計測が可能になります!


■ 明日の予告 〜Google広告コンバージョンタグの設定〜

次回は、「Google広告のコンバージョンタグ」 を設定し、

  • 「広告経由のコンバージョンを計測」
  • 「GTMを使って動的にコンバージョン値を設定」

といった方法を解説します。

明日も引き続き、GTMの実践スキルを磨いていきましょう!


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