オルタナティブ・ブログ > 秋山大志のそれとりあえず作ってみようか。 >

あれこれ考えるよりも作ってしまった方が早いんじゃね?と思う、ギークなサラリーマンのアジャイルな日々。

GTMの公開とバージョン管理|ロールバックで事故を防ぐ運用ルール|未経験から100日後にGTMのプロになる話【Day 7】

»

ここまでで、タグを作り、プレビューで確認できるようになりました。最後の仕上げは「本番に出す」こと----つまり公開(Publish)です。そして公開には、GTMがチームの心強い味方になる仕掛けが詰まっています。バージョン管理です。今日は、いつでも安全に出して・戻せる運用、言い換えれば「タグ管理の黒歴史」を二度と作らないための作法を身につけます。

GTMのバージョン管理画面。バージョンID・ステータス・作成日時・公開者の一覧
「バージョン」タブの履歴一覧。公開のたびにここへスナップショットが記録される(クリックで拡大)。

「公開」して初めて、本番が変わる

何度でも強調しますが、GTMではワークスペースでどれだけ編集・保存しても、本番サイトは1ミリも変わりません。変わるのは右上の「公開」を押した瞬間だけ。だからこそ、公開前にプレビューで必ず確認する----この順番が鉄則です。

公開時には「バージョン名」と「バージョンの説明」を入力できます。面倒でも、ここは必ず書きましょう。例:「GA4基本計測を追加」「問い合わせ完了のコンバージョン計測を追加」。この一手間が、後の自分とチームを何度も救います。

バージョン=公開のたびに残る"スナップショット"

公開するたびに、その時点のコンテナの状態が1つのバージョンとして記録されます。「バージョン」タブを開くと、これまでの公開履歴が一覧で並びます。各バージョンでは、

  • 誰が・いつ・何を変えて公開したか(説明を書いていれば一目瞭然)
  • そのバージョンに含まれるタグ・トリガー・変数の中身

が確認できます。これがあるおかげで、「先週まで動いていたのに急に計測がおかしい」というとき、いつの公開で何が変わったかをすぐ突き止められます。

事故ったら"巻き戻す":ロールバック

GTM最大の安心材料がこれです。万一おかしな公開をしてしまっても、過去の正常なバージョンを開いて「最新版として公開」すれば、その状態に即ロールバックできます。HTMLを直接いじっていた時代の「どこを戻せばいいのか分からない」恐怖から、完全に解放されます。GTMでは、取り返しのつかない事故は基本起きない。 この感覚を持てると、施策に積極的になれます。

チーム運用の落とし穴:ワークスペースの競合

複数人で運用するときは、ワークスペースが効いてきます。各自が別のワークスペースで作業すれば、お互いの編集を踏まずに進められます。ただし、誰かが先に公開すると他のワークスペースは"古い土台"の上で作業している状態になり、同期(取り込み)が必要になることがあります。GTMが警告してくれるので従えば大丈夫ですが、「人数が増えたらワークスペースを分ける」「こまめに同期する」を意識しておきましょう。

「黒歴史」を防ぐ3つの運用ルール

  1. 公開前に必ずプレビュー。例外なし。
  2. バージョンの説明を必ず書く。未来の自分への申し送り。
  3. いきなり本番のコンテナで試さない。検証は環境(Environments)や別ワークスペース、テスト用コンテナで。
    (GTMの「環境」機能を使うと、本番・ステージングなどでコンテナの状態を出し分けできます。発展編で扱います。)

まとめ:Day 7の要点

  • 本番が変わるのは「公開」した瞬間だけ。公開前プレビューは鉄則。
  • 公開ごとにバージョンが記録され、いつでもロールバック可能
  • バージョンの説明を書く・プレビューを徹底する・本番で直接試さない----この3つで事故は防げる。

これで、GTMの基本サイクル「作る → プレビュー → 公開 → (必要なら戻す)」が一通りそろいました。最初の1週間、おつかれさまでした。次回 Day 8 からは、計測の幅をぐっと広げます。まずはクリックイベントの計測。「誰が、どこを押したのか」を取りにいきます。

INDEX

Comment(0)