"軽くて速い"をつくる軽量化技術|CSS・HTML・画像、表示速度の最適化
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「表示速度を上げたい」
「PageSpeed Insights のスコアを改善したい」
そう考えると、つい目立つ要素(画像や動画を減らしたり、JavaScriptを削ったり)に目がいきがちです。
しかし、真に安定した高速表示を実現するには、"裏方"の最適化が欠かせません。
本記事では、CSS・HTML・画像の軽量化に焦点を当て、見た目では気づきにくいけれど表示速度に直結する改善方法を解説します。
CSSの軽量化|必要なものだけを、最短で
- ①未使用CSSの除去
- 特にCSSフレームワークやテーマを使っている場合、読み込まれていても実際には使っていないスタイルが大量に存在します。
PurgeCSS や UnCSS などのツールを使えば、使っていないスタイルを自動的に除去できます。 - ②セレクタを簡潔に
- .main .container .content .item .title のような深いネストや複雑なセレクタは、CSSの処理コストが増える原因になります。シンプルで構造に依存しないセレクタ設計が理想です。
- ③インラインCSSの活用
- 初期描画領域(Above the Fold)は、インラインCSSを使うことでレンダリングを高速化できます。ただし、全体CSSをインラインにするとメンテナンス性が下がるため、範囲は限定しましょう。
- ④アニメーションはCSSベースで
- アニメーションはJavaScriptよりCSSのtransitionや@keyframesで代替する方が軽量です。単純な動きならJavaScript不要で表現できます。
HTMLの軽量化|構造はシンプルに
- ①無意味なdiv・spanの排除
- 装飾目的で入れたdivや、何も持たないspanなどはできる限り削除しましょう。
HTMLは「意味ある構造」だけで組み立てるのが鉄則です。 - ②classの最小化
- class名の重複や装飾系のクラスが多いと、HTMLが冗長になりサイズが増加します。 セレクタの設計を見直し、意味のある命名に絞りましょう。
- ③インラインJavaScriptの削除
- HTML内にJavaScriptを書かず、外部ファイルに分離し、deferやasync属性で制御することで、ブロッキングを回避できます。
画像の軽量化|最適な形式と制御
- ①WebPやAVIF形式を使う
- 画像をWebPやAVIFとすると従来のJPEGやPNGより40〜80%軽量になる次世代フォーマットです。
- ②適切なサイズで出し分け
- レスポンシブ対応として、画面幅に応じて画像を切り替えることで過剰な画像の読み込みを防止できます。pictureタグの活用が基本です。
- ③遅延読み込みを導入
- 画像にloading="lazy"をつけるか、lozad.jsなどでビューポート外の画像は後で読み込む仕組みを導入しましょう。LCPやTBTの改善につながります。
- ④装飾画像はCSSで管理
- 意味を持たない画像はimgタグでなく背景画像(CSS)で管理することで、HTMLをスリム化できます。
- ⑤image-set()で高精細画像対応
- CSSのimage-set()を使えば、画面の解像度に応じて最適な画像を選択表示できます。
スマホとPCで別の画像を用意しなくても済み、保守性も向上します。
裏方の改善がUXとSEOを支える
表示速度は「何かを削ること」だけが答えではありません。
見えない部分(CSSの構造、HTMLの書き方、画像の出し方)を整えることで、演出や訴求を保ったまま、高速表示が実現できます。
特に画像・CSS・HTMLはGoogleのCore Web Vitals(LCP/TBT/CLS)に密接に関わる要素であり、SEOにも影響を及ぼします。
美しさも速さも、両方あきらめないために
表に見えない"裏方"の最適化は、表示速度の土台を支える重要なパートです。
華やかなデザインやコンテンツは、それを支える構造が整ってこそ、真に力を発揮します。
ブランドの世界観や訴求力を保ちながら、速く・軽く・安定したWeb体験を届けるために、まずは構造から見直してみましょう。
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