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2012年のクラウドを振り返る

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2012年のクラウドに関する動きですが、ユーザに利便性の高いサービスが多く登場し、クラウドビジネスが本格的に立ち上がってきたという印象のあった年でした。

クラウドビジネスでは、競争力の源泉はクラウドエコシステムを形成し、クラウドサービス事業者やインテグレータなどが相互にWin-Win関係を形成することが、重要であるということが如実に出た年であったといえるでしょう。エコシステムで市場を圧倒的にリードしているのがAWSです。

そして、これまでのコンシューマ向けのサービスでリソースの変動の激しいユーザの採用から、エンタープライズ、特に金融分野でもパブリッククラウドの浸透が始まった年でもありました。2013年は、クラウドサービス事業者が規模の経済と収益モデルをしっかりと確立させることが重要な年になるでしょう。

技術の動向からも見てみたいと思います。今年は、OpenStackやCloudStackやCloud Foundryなどに代表されるようにオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアが台頭し、それらを採用したサービス事業者が多く登場した年でもありました。オープンクラウドを採用しサービスを展開する事業者は増加傾向にあり、2013年以降は、一つの大きな流れになる可能性も十分に考えられます。

ネットワークレイヤではSDN/OpenFlow、そして、データセンターレイヤではOpen Compute Projectが注目された年でもありました。2013年はSDN/OpenFlowがデータセンター間やIaaSの基盤として採用されるようになり、最も注目される領域となると予想されます。

クラウドサービスの規模拡大に伴い、運用保守の自動化やクラウド連携(フェデレーション)、クラウドブローカ、マーケットプレイス、さらには、クラウドセキュリティのあり方など、クラウド周辺のビジネスやサービス、制度面のあり方にもより踏み込んだ検討や議論が必要となっていくでしょう。

クラウドの市場が成長する一方で、人材不足も深刻化しています。事業者による優秀な人材獲得競争もより顕著となっていくでしょう。クラウド業界の発展のためにもクラウド人材の底上げとクラウド業界で働くことの魅力を、業界一体となって取り組み、伝えていくことが重要な営みになっていくと考えられます。

以下、この1年間寄稿してきたクラウド関連記事のまとめです。

2012年の「『ビジネス2.0』の視点」でのクラウドに関する投稿記事

2012年1月

2012年2月

2012年3月

2012年4月

2012年5月

2012年6月

2012年7月

2012年8月

2012年9月

2012年10月

2012年11月

2012年12月


オープンクラウド入門 CloudStack、OpenStack、OpenFlow、激化するクラウドの覇権争い (Next Publishing(Cloudシリーズ))

 

 

担当キュレーター「わんとぴ
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