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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウド・エコシステム(6)クラウドを推進する団体

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第一回ではクラウド・エコシステムの概要、第二回では登場の背景、第三回では注目される6つの理由、第四回ではSIビジネスの今後、第五回ではコミュニティの存在について整理をしてきました。

今回は、クラウドのビジネス・エコシステムを形成する上で重要な役割を担うクラウドを推進する団体の取り組みについて整理をしてみたいと思います。

ニッポンクラウドワーキンググループ

2011年11月1日に「ニッポンクラウドワーキンググループ(WG)」が発足しました。本グループは、中立的な立ち位置で国内におけるクラウドビジネスを促進するグループです。

国内のISV(独立系のパッケージソフトウェアの開発・販売会社)約40社とともに、ニフティ、GMOクラウド、NTTコミュニケーションズ、インターネットイニシアティブ、ソフトバンクテレコム、IDCフロンティア、NECビッグローブなどの国内でIaaSを提供する事業者が多数参加していることが大きな特徴です。

グループ内には「サムライクラウド部会」と「クラウドビジネス推進部会」の2つが設置されています。

サムライクラウド部会では、国内サーバのクラウド上で連携する純国産アプリケーションなどを活用して、共通プラットフォームであるサムライクラウドを構築することを目指しています。

2012年4月3日には、そのクラウド連携基盤「Samurai Toolkit」をオープンソースで公開し、クラウド連携に必要な機能をモジュール化してアプリケーションやデータのポータビリティを高め複数のアプリケーション、クラウドサービスの連携の実現を進めています。

クラウドビジネス推進部会では、サムライクラウドを利用したクラウドビジネスモデルの構築を目指す。ステークホルダーが協働して、有益な価値の創造や、ビジネスの拡大を目指しています。

本ワーキンググループでは、グループ発足後、毎月1回グループワーキンググループが開催されているなど、活発な活動が進んでいます。

クラウドビジネスアライアンス

クラウドビジネスアライアンス(CBA:Cloud Business Alliance)」は、SaaSからインフラ事業者まで、クラウド関連のビジネスを展開するさまざまなレイヤーの事業者が集まる団体で、業界全体の発展と新たなクラウドビジネスの創造と推進を期待されています。

設立の趣旨は、異なるクラウドサービスを自由に組み合わせ、クラウド間の相互接続性を実証によるビジネスの確立など、オープンなクラウドビジネスの拡大を目指しています。会員企業数は240社を越え、国内では最大級のくクラウドビジネスを推進する団体です。

2012年5月16日には、2012年度CBA総会が開催され、会員のソリューション・サービスが紹介されています。

クラウド利用促進機構/オープンクラウドキャンパス

オープンクラウドキャンパスでは、オープンソース系のクラウドを中心とした開発者が集まるユーザー会や勉強会が開催され、活発な活動が続けられています。告知から1日から数日で100名の受講者枠が満席となるなど、人気の勉強会やユーザ会を企画運営しています。

オープンソースを用いるクラウド技術の研究・情報交換を行うコミュニティ「オープンクラウドキャンパス」を主催し、IaaSやPaaS、ストレージや仮想ネットワークなどをテーマに、主に開発者同士が交流を深めています。

その中心となっているのが「一般社団法人クラウド利用促進機構(CUPA; Cloud Utilization Promotion Agency」です。CUPAは、クラウドの健全な利用と発展を促し、その活用シーンを広げるための活動を目的として活動を推進しています。

東北SaaS・クラウド震災復興支援フォーラム

「東日本大震災復興支援クラウドフォーラム」は、2011年5月13日に発足し、クラウドによる情報化基盤を被災地域に普及させ、復興に大きく貢献することを目的とし、クラウドを活用した社会や行政に対する提案・提言、および仕組みの構築などを進めています。

これまで宮城県仙台市や福島県福島市で会合を開催するなど、地域一体となった議論や検討を進めています。

2011年9月12日には東北地域の社会基盤や産業の復興を目的とした、「一般社団法人東北産業振興協会」の設立を発表。10月17日に宮城県仙台市で発足会が開催され、生活基盤・事業基盤を早急に立て直すための支援のほか、中長期的な雇用・事業の創出などの、継続的で自立した東北の産業振興支援を目指しています。

2011年10月1日、従来の東北SaaS連合会と復興支援クラウドフォーラムが統合して新たに「東北SaaS・クラウド震災復興支援フォーラム」となり、「一般社団法人東北産業振興協会」がその事務局運営を行っています。

その他の推進団体

そのほかにも、日本経団連を中心としたクラウド事業者などが参画する民間団体「ジャパン・クラウド・コンソーシアム(JCC)」や総務省が支援する「ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム(ASPIC)」、「MIJS(Made in Japan Software Consortium)」、GICTF(グローバルクラウド基盤連携技術フォーラム)」など、様々な団体がクラウドを推進し、ビジネスを拡大するなど、それぞれの目的と役割を持って活動を進められています。

上記の団体活動には、私自身、大小何らかの関わりを持って、活動に参加をさせていただきました。

クラウドにおけるビジネス・エコシステムを形成していく上でこれらの団体は、益々重要な位置づけとなっていくでしょう。

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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