クラウド時代の人材像(1)SIとクラウドとのギャップ
「サラリーマンを襲う“リストラ地獄”!40歳以上が標的」の記事にもあるように、大手電機メーカーを中心に、リーマンショックを上回る勢いでリストラが進んでいます。
IT業界においても、NECが2393人の希望退職を発表、ITホールディングスが中核子会社「TIS」の400名の人員削減、海外においてはHPが2万7000人のリストラを発表(関連記事)するなど、人員削減が加速しています。「IT業界に再びリストラの波 HP、フィリップス、コダックも」の記事にもあるように、深刻な状況となっています。
「クラウド分野の市場成長と雇用創出と人材不足感」のブログでもご紹介をさせていただきましたが、クラウド分野の市場は成長基調にありますが、「クラウドは“偽りの光”? ~クラウドで5年間に1380万人の雇用が生まれるとの調査」の指摘にもあるように、クラウド移行によって社内IT関連雇用が減少する点が指摘されています。
「クラウドはSIを衰退産業に追込むのか」の記事にも紹介されているように、クラウドはSIerにとっては利益相反であり、クラウドの普及はSIerからビジネスを奪い、衰退産業へと追い込む可能性と、クラウドAPIによるインテグレーションといったように、サービスインテグレーションにビジネスモデルをシフトしていく必要性を指摘しています。
実際に、SIや製造を中心としたIT企業の多くは人員削減が顕著となっており、一方で、アプリ系やクラウド関連の人材不足も深刻化するなど、SI人材とクラウド&アプリ人材との人材需給のギャップが顕著となっています。
テレビ東京のサイト「ニーズ高まるIT人材」のように、アプリケーション開発のエンジニアは、人材不足が顕著で、各社グローバル採用も含め、優秀なIT人材の獲得の強化を図っています。
「米国、クラウドコンピューティング分野の求人が急増」によると、米国 Wanted Analytics が2012年3月13日に公表した調査によると、米国でのクラウド分野のオンライン求人広告数が前年同期比で92%、前々年同期比では実に400%の増加となっています。特にシリコンバレー近郊では人材の奪い合いとなっているようです。
クラウド人材の育成や獲得に向けて、人材派遣会社も動き出しています。人材派遣会社のパソナは2012年9月3日、クラウドサービス基盤「Salesforce」の運用や保守管理業務に特化した人材を育成して企業に派遣する「クラウドクラーク」を開始しています(関連記事)。
私自身、クラウドビジネスやサービスを展開している企業との接点が多くクラウド人材について意見交換をする機会も多々あるのですが、人材不足はかなり深刻な状況という印象をもっています。この先、クラウド市場の成長には、クラウド時代に対応した人材の育成が急がれているといえるでしょう。
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担当キュレーター「わんとぴ」
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