クラウド時代の人材像(4)人材シフトは進むのか
これまで、の中でクラウドの人材不足に関する解説をしてきました。クラウドの普及に伴い、ユーザ企業、サービス/ソリューション提供事業者、そして、開発者において、人材シフトが進んでいくと予想されます。
ユーザ企業においては、クラウドの導入が進むと、構築運用保守の機会が少なくなり、情報システムの構築運用保守人材はあまり必要となくなる可能性があるでしょう。その分、クラウドを理解し、自社のオンプレミスの環境をアセスメントし、クラウドかオンプレミスかの自社の仕分けをし、クラウドへのマイグレーションを推進できる人材も必要となってくるでしょう。
一方、サービス/ソリューション提供事業者は、データセンターやサーバーなどの設備投資や、サービス開発、運用保守などの人材が必要となり、多くの開発、構築運用人材が必要となります。さらに、クラウドを使いソリューションを提供する場合はクラウドに付加価値をつけてユーザ向けのインテグレーションができる人材が必要となるでしょう。
また、クラウドビジネスの展開にあたっては、これまでの個社別の営業だけでなく、サードパーティなどと連携によるエコシステムの展開が重要となり、これらを展開できる要因も必要となります。さらに、AWSやマイクロソフトなどは、自社のクラウドサービスの普及推進を図るエバンジェリストが活躍しており、これらの人材もサービス拡大において重要な役割を担います。
開発者においても、個々のクラウドサービスにアドオンできるサービスを開発することで、事業を拡大させることが可能となります。クラウド分野では開発コミュニティが充実しており、これらのコミュニティ活動を通じて、新たなサービスを創造するといったことも可能となるでしょう。
私自身の単純な整理では、ユーザ企業はクラウドを理解し現状のオンプレミスから仕分けをし、マイグレーションを実行できる人材、サービス/ソリューション提供事業者はクラウド環境の構築運用保守、そしてインテグレートのできる人材、開発者はクラウド環境上でアプリケーションやサービスを開発できる人材などが求められていると考えています。
それから、クラウドビジネスは1社だけで完結することはほとんどなく、様々な事業者と連携するモデル、つまり、クラウド・エコシステムを形成することが重要となります。これらのエコシステムの中心となり、ビジネスを推進する人材も必要と考えられます。
上記に対応のできる人材は慢性的に不足しているという印象を持っています。クラウド市場が成長していくためには、これらに対応のできる人材シフトを急いでいく必要があるでしょう。
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担当キュレーター「わんとぴ」
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