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オープンソースベースのクラウドの運用管理について

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クラウドの普及に伴い、複数のクラウドの統合的な運用管理や構成管理、パフォーマンスのモニタリングによる効率的な運用など、サーバーやネットワークの運用監視など、運用管理や自動化を支援するツールへのニーズが高まっています。これらの運用自動化を支援するオープンソースベースのツールも充実し、オープンクラウドの流れを後押ししています。

簡単ではありますが、オープンソースベースのクラウドの運用管理や構成管理ツールについて、少しご紹介をしていきたいと思います。

運用管理/構成管理

オープンソースのScalrが複数の異なるクラウド環境の一元管理ができます。最近では、IDCフロンティアのクラウドサービスがScalrに対応したことを発表しています(関連記事)。

Deltacloudは、各クラウドサービスが提供するAPIにDeltacloud REST APIをかぶせることで、複数の異なるクラウド環境を管理することができます。

オープンソースではありませんが、有償版ではクラウド管理プラットフォームとして広く採用されているRightScaleや、プロビジョニングやセキュリティ管理、ファイナンス管理など、クラウドの運用管理やセキュリティガバナンス機能を提供するenStratusがあります。

パフォーマンスモニタリング

オープンソースのCactimuninなどがあります。サーバーの様々なパフォーマンス状況をグラフ化するソフトで、CPUやメモリなどのスペックを見積もるのに有効です。muninは、Slideshareでもわかりやすい資料が掲載されています。

サーバー/ネットワークの運用監視

オープンソースのZabbixNagiosXymonなどがあります。また、サーバーの構築自動化や運用自動化には、Ruby実装のオープンソースのChefpuppetなどがあります。2012年10月2日には、クリエーションラインが、Chefのサーバディスクリプションライセンス販売及び保守サポートやコンサルなどを提供するニュースリリースを発表しています。

オープンソースベースのクラウド運用管理事例

クラウドサービスとこれらの運用管理ツールを使った事例を紹介しましょう。スマートフォン向けの写真の共有アプリのInstagramは、創業時は、わずか二人と1台のサーバーでサービスを開始し、2年もたたずに3000万以上のユーザを獲得し、大規模な環境で運用しています。

急激なユーザの増加に対して、少人数で大規模なサービスを運用していくには、クラウドサービスの導入とともに、オープンソースの複数の運用管理ツールを安価に導入することによって、サービスの運用自動化による効率化を実現しています。

ツイッターは、巨大なデータ処理をすべてオープンソースで対応していることを明らかにしています。

「TwitterはすべてOSSでできている」、同社のOSSマネジャーが解説 (ITPro 2012.10.26)

今後、オープンクラウドの普及が拡大する中で、個々の技術やサービスのみらならず、全体の最適化を図り統合された運用管理や自動化を実現するソフトウェアやサービスの採用、これらを実現するための運用フローや運用体制の充実が益々重要になっていくでしょう。

 


オープンクラウド入門 CloudStack、OpenStack、OpenFlow、激化するクラウドの覇権争い (Next Publishing(Cloudシリーズ))

 

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担当キュレーター「わんとぴ
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