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クラウド・エコシステム(36)オープンクラウドがAWSを超える日は?

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パブリッククラウド市場においは、マーケットリーダーのAWSを追いかける動きが、これまで紹介してきたオープンクラウドによるエコシステムの動きです。多くの事業者がOpenStackやCloudStackなどのオープンクラウドを採用したサービスを展開することで、パブリッククラウド市場において、次第にシェアを拡大していくことが予想されます。

モバイルOSのシェアの推移からクラウド市場のシェアを占う

米国の調査会社コムスコア(comScore)が2012年5月1日に公表した米国のモバイル市場に関する調査結果によると、2012年第1四半期に米国で使用された全スマートフォンの51%がAndroid OSを採用し、AppleのiOSのシェアの30.7%を大きく上回っています。スマートフォン出荷台数は、前年同期比68.2%増の655万台となり、2四半期連続で600万台超えた。携帯電話総出荷台数に占める割合は64.5%、OS別ではAndroidが65.6%を占めています。

日本市場においても、ほぼ同様の結果となっています。IT調査会社のIDC Japanは2012年7月4日、2012年第1四半期(1~3月)の国内モバイルデバイス(スマートフォン、メディアタブレットを含む)の国内出荷台数を発表し、OS別ではiOSが69.4%を占めています(関連記事)。

Android OS がiOSを追い越し、急速にシェアを伸ばしている背景には、iOSはAppleのみが採用しているのに対して、Android OSはオープンソースであるために多数のメーカや携帯電話事業者がAndroid OSを採用し、Android OS を中心としたエコシステムを形成していることがあげられます。

パブリッククラウド市場においてもクラウド事業者のオープンソースの採用が進み、オープンクラウドを中心としたエコシステムを形成することができれば、オープンクラウドの総数で先行するAWSのシェアを追い越す可能性も十分にあると考えています。

オープンクラウドによるクラウド市場の活性化

パブリッククラウドの市場のシェアにおいてはAWSがトップシェアを誇っており、今後も開発者や利用者などに支持され、自社のサービスのさらなる拡充を進め、独自のクラウド・エコシステムを形成し、マーケットをリードしていくことは疑いの余地はありません。

一方で、グーグルをはじめ、多くのクラウド事業者がAWSを追いかけ追い越そうとし、値下げ競争やサービス競争、そして、エコシステム間の競争を繰り広げることになるでしょう。

さらに、OpenStackやCloudStackなどのオープンソースのクラウド基盤ソフトウェアは、ここ数年で開発コミュニティの充実により、より安定した信頼性の高いソフトウェアへと進化していくことが、予想されます。

多くのクラウド事業者がパブリッククラウドとして採用するだけでなく、多くのSI事業者がプライベートクラウドのソリューションのラインナップとして採用し、実績を積み上げることでしょう。これらの事業者のクラウド上にサードパーティーが参加することで、クラウド事業者横断型のサービスやソリューションも生まれ、オープンクラウドによる巨大なエコシステムが構築されていくことが予想されます。

オープンな環境下でクラウド・エコシステムを形成していけば、オープンクラウドを採用する事業者が増加することで、アマゾンのクラウドサービスのシェア追い越す可能性は十分に考えられるでしょう。

今後のクラウド市場の市場拡大が予想される中でAWSはこれまで以上にサービスを充実させ、存在感を示していくことが予想されます。

「オープンクラウド」の動きは、IaaSやPaaSレイヤー横断的に連携が生まれ、大きな存在感を見せるとともに、「AWS」対「オープンクラウド」という競争の構造と、Amazon互換APIの連携やクラウドポータル等による共創の構図が生まれ、クラウド市場をさらに成長させることになるでしょう。

 

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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Comment(2)

コメント

TETSU

単なるオープン化だけでは難しいと思います。
クラウドの何が重要になるかによって変化はあると思いますが、しばらくは安定・実績・信用などが重要視されると思われるので、大手がより強くなるでしょう。
機能・値段が重要視されるようになれば変わってくると思いますが、クラウドってソフトだけでは駄目で、その裏で実際に運用する人のスキルも重要ですからね(ファーストサーバーの件でさらに重視されるようになるでしょう)

ちなみに、Androidは単にオープンだからというよりは、まだまだキャリアの力が強くて、キャリアが押す端末が売れているということと、実際は値段の安い普及品が数が出ているだけというのもありそう。ハイエンドしかない iOS は元々数は追っていないですからね。
逆にキャリアに旨みがない端末はあまり売れないという現象も・・直販のNexusが売れてない理由ですね。

TETSU さん、コメントどうもありがとうございます。
ご指摘のとおり、単なるオープン化だけでは難しいと思います。
以前、オープン実証実験タスクフォースセミナーでアンケートをとった際には、技術の成熟とや公開情報などでいくつか課題も指摘されています。
ご指摘のとおり、ソフトだけでは無理ですので、今後何回かに分けて、事例やサービスオペレーション、サードパーティとの連携なども含めて整理をしていきたいと思っています。
確かに、スマートフォンはキャリアが強い部分で売れていますので、クラウドの分野でも少し整理してみたいと思います。ありがとうございます。

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