Cloud Week 2012@北海道大学 「オープンクラウドカンファレンス2012」に参加して
8月29日にCloud Week 2012@北海道大学 の二日目の「オープンクラウドカンファレンス2012」に参加してきました。
簡単ですが、各講演のポイントをご紹介させていただきます。
8月29日 (水)
「オープンクラウドカンファレンス2012」
10:00 ~ 12:00 クラウド基盤技術
「オープンクラウドの動向とCloudnの全貌」
林 雅之(NTTコミュニケーションズ
国際大学GLOCOM客員研究員、クラウド利用促進機構総合アドバイザー)
私が担当させていただいたプログラムでは、オープンソースベースのクラウド基盤のOpenStackやCloudStackなどをはじめとして、Open PaaSやSDN(Software Defigned Network)の動向についてお話をさせていただきました。後半は、NTTコミュニケーションズが提供する「Cloudn」のお話をさせていただきました。
以下の図が、レイヤ別のオープンクラウドのまとめです。
「VMwareのクラウドビジョン~仮想化からクラウドへ~」
小原 光弥(ヴイエムウェア株式会社
システムズエンジニアリング本部公共SE部 システムズエンジニア)
VMWareは、前半は8月26日から開催されている「VMworld 2012」で発表されたアップデート情報をベースに「vSphere 5.1」や「vCloud Director」などのラインナップのご紹介がありました。後半は、VMwareが最近買収をしたNiciraのNVP(Network Virtualization Platform)やDynamicOpsのお話、最後にOpen PaaSのCloud Foundryの話がありました。
「CloudStack詳細解説」
北瀬 公彦(シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社)
Citrix Japanの北瀬氏からは、CloudStackの解説がありました。詳細は、下記Slideshareに公開されています。
13:10 ~ 14:10 基調講演(3イベント合同)
"The CloudStack development story and future vision"(CloudStack開発秘話と今後の展望)
Sheng Liang (Citrix CloudPlatform CTO, 旧cloud.com CEO, CloudStack開発責任者)
午後からは、Citrix CloudPlatform CTO, 旧cloud.com CEO, CloudStack開発責任者のSheng Liang氏によるCloudStackの開発の背景や今後の開発方針についての解説がありました。Apache Foundationへの寄贈により、SDNやStorage、PaaSなどの様々なレイヤにおいてプロジェクトが立ち上がっています。
14:30 ~ 16:30 クラウド技術開発戦略
「オープンクラウド実証実験タスクフォースについて」
荒井 康宏(クラウド利用促進機構 代表理事)
社団法人クラウド利用促進機構理事の荒井氏により、前半はオープンクラウドの動向やクラウドフェデレーションの技術的な動向の話があり、後半はオープンクラウド実証実験タスクフォースの取り組みのご紹介がありました。OpenIaaS研究会、OpenPaaS研究会、OpenStorage研究会、OpenNetwork研究会、OpenFacility研究会など活動を通じて実証などを行なっています。
実証実験タスクフォースのホームページはこちらから
「マイクロソフトのクラウド戦略」
平野 和順(日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員
デベロッパープラットフォーム統括本部クラウド推進部長)
マイクロソフトでWindows Azureを推進している平野氏からは、冒頭にマイクロソフトがクラウドビジネスに参入した背景などの話があり、後半は「Widnows Azure」の複数言語への対応などオープンな取り組みなどの紹介がありました。
「クラウド時代のデータストレージ戦略と開発手法を考える」
北野 弘治(株式会社アットウェア 取締役)
アットウェアからは、NoSQLのデータベースを使い、急速なスケールアウトにも対応できるソリューションや事例の紹介がありました。
16:40 ~ 18:00 データセンターなどへの展開
「グローバル展開を支えるGMOクラウドの戦略」
唐沢 稔(GMOクラウド株式会社 取締役 技術部門統括)
GMOクラウドからは、前半は米国での政府やネット業界などの事例を紹介しつつクラウドを取り巻く市場環境の説明、後半はGMOクラウドの紹介。今後の取り組みとして、オープンソースへの取り組み(Contributionの強化、SDNなど)、セキュリティサービスの強化、ビッグデータへの対応、ITTIL準拠のエンタープライズクラウドなどを強化していくとのことです。これらの取り組み強化にあたって、2012年5月にサンノゼにインキュベーションや実際の商用化までのサポートを目的とした開発センターを開設予定です。
「オープンクラウドとIDCフロンティアのクラウド戦略」
大屋 誠(IDCフロンティア サービス開発部長)
IDCフロンティアからは、前半は郊外型の北九州や白河(予定)などのデータセンターの取り組みの紹介、後半はCloudStackを採用したセルフタイプのクラウドサービスの取り組みなどを紹介しています。また、オープンクラウドのあり方、性能情報や各種ポリシー、外部接続ポリシーを公開するなどのオープンなクラウドサービスの考え方もお話をされています。IDCフロンティアでは情報公開の観点からCloudHarmonyによる第三者評価も実施しています。今後は、9月にオブジェクトストレージの提供、秋にはプライベートクラウドの提供、専用線接続などを予定しています。最後に、クラウド管理ツールのRightScaleと8月29日にリリースした「RightScale職人」が紹介されています。
懇親会にも参加してきました。参加者は北海道の方が中心かと思ったのですが、8割前後が東京から来られていました。とても、有意義な情報交換ができました。
最後に
今回は、オープンクラウドが中心のテーマであったため、最後の挨拶にあった「協創」と「競争」という言葉が印象的でした。クラウドのオープン化を進め、クラウドエコシステムを通じて業界の底上げをはかり、競争をすることによって、市場を創造していく、そんな大きな動きを感じた一日でした。
「クラウド・ビジネス」入門 電子書籍(iTunes Store)
担当キュレーター「わんとぴ」
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