クラウド・エコシステム(39)PaaSを展開する国内事業者
国内IaaS事業者もPaaSレイヤのサービス拡充に力を入れ始めています。
IIJは2011年9月5日、島根県松江市で開催された「RubyWorld Conference 2011」において、Ruby on Railsの開発支援環境と実行環境を提供するPaaS「MOGOK」の提供を2011年の秋から提供することを明らかにし、2012年の第2四半期をめどに有償サービスを開始する予定です。
IIJは、2011年4月に島根県松江市に「松江データセンターパーク」を開設しており、「Ruby」を開発したまつもとゆきひろ氏が在住しているRuby発祥の地である松江市と、ビジネスコンテストの支援など、地域密着を図ることで、Ruby特化型のPaaS展開を強化しています。
また、ニフティは2012年5月28日、ニフティクラウドのPaaSである「ニフティクラウド C4SA クローズドβ」の無償提供の開始を発表しました(発表記事)。
ニフティクラウド C4SAは、PHP、Rubyなどの言語、Ruby on Railsなどのフレームワーク、WordPressなど汎用的なアプリケーションが標準で用意しています。C4SAは、東京大学発の国内のベンチャー企業のリアルグローブ社が開発するPaaSで、ニフティがベンチャーを支援することで、ニフティクラウドに取り込み、ニフティブランドとしてサービスを提供しています。
また、NTTコミュニケーションズも2012年6月27日の日本データセンターサービス開始のニュースリリースにおいて、Cloudn上にCloud Foundryを乗せたPaaSを提供することを明らかにしています。
SaaSに近いレイヤのPaaSとしては、サイボウズが「kintone」、パイプドビッツの「SPIRAL」などがあげられます。ともに申し込み数を急速に伸ばしています。
以上のようにアマゾン、グーグル、マイクロソフトなどの海外勢がIaaSとPaaSとの双方のサービスを充実を図っていく中で、日本のパブリッククラウド事業者においてもPaaSのサービスの拡充に力を入れ始めています。
PaaSビジネスは、IaaSと比べてサービス形態や収益モデルが見えにくく、今後市場成長が予想される新たな市場に対して、どのようなマーケットに対して、サービスを展開していくのか展開が注目されるところです。
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※担当キュレーター「わんとぴ」
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