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ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

クラウド・エコシステム(12)産業構造の変化と新規ビジネスの創出

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第一回はクラウド・エコシステムの概要、第二回は登場の背景、第三回は注目される6つの理由、第四回はSIビジネスの今後、第五回はコミュニティの存在、第六回はクラウドを推進する団体、第七回はオープンクラウド、第八回はクラウド・エコノミクス、第九回はソーシャルキャピタル、第十回ではグローバル市場、そして、第十一回では組み合わせ型モデルについて整理をしてきました。

今回は、IT、特にクラウド・エコシステムがもたらす産業構造の変化と新規ビジネスの創出について整理をしてみたいと思います。

クラウドの普及とスマートフォンやタブレットなどのデバイスの進化に伴い、市場における競争優位の源泉は大きく変化し、スマートデバイスを製造し供給するよりも、クラウドとクラウド上につながるサービスプラットフォームとなるクラウド・エコシステムで差別化を図る事業者が事業領域を拡大させています。

中でも今後のさらなる市場成長と競争の激化が予想されるのが、スマートフォンやタブレッドなどのスマートデバイスを軸にしたソーシャルゲーム、ソーシャルコマース、電子書籍、スマートテレビなどの消費者向けの市場です。

ソーシャルゲームや電子書籍などの付加価値の高いコンテンツや、消費者がソーシャルメディアなどを通じて発信する情報などがネットワークでつながり、スマートフォンやテレビのデバイスへと配信されます。これらの膨大なデジタルコンテンツデータの蓄積や流通を支えるサービスプラットフォームとしてクラウドへの期待が高まっています。

サービスプラットフォーム上の市場を握った事業者は、ソーシャルゲームや電子書籍など様々なサービスを融合させ事業をまたがるモデルをグローバルで提供する、グローバルなクラウド・エコシステムを形成することで、競争優位を保っています。

たとえば、アマゾンは書籍のオンラインショッピングから、クラウドサービス、電子書籍など、サービス基盤の共通化とサービスの融合をはかり、事業の拡大をはかっています。

競争が激化する消費者向けサービス市場においては、ユーザの関心事は日々変化しており、サービス提供事業者は、短期間でユーザが求めるサービスを開発し投入することが求められています。サービスの提供にあたって、自社でサーバを構築するのではなく、ユーザ数や利用頻度の増減にあわせて、サーバやCPUなどのコンピューティングリソースを効率的に配分するといった必要があります。

クラウドの場合は、市場の急激な変化に対応できるよう必要なときに必要な分だけコンピューティングリソースを配分することができるため、サービス提供にあたって、親和性が高いといえるでしょう。

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出所:産業構造審議会情報経済分科会中間とりまとめ 2011.8.11

さらに、時代の流れは、家電や自動車、建築設備など世界中のあらゆるモノに無線タグやセンサーを組み込み、デジタル化することで、インターネットやセンサーネットワークを通じてつながり広く流通するモノのインターネットの世界IOT(Internet of Things)の方向へと進んでいます。

たとえば、家庭内の通信機能を持ったスマートメータ(次世代電力計)がネットワークで電力会社のセンターと接続することで、使用電力の見える化ができることで、人による検針作業は不要となり、さらには、電力の制御により給電の最適化なども行えるようになります。

また、自動車がネットワークにつながるようになれば、自動車から発信されるワイパーやブレーキから発信されるプローブ情報から、運行情報を把握して渋滞を緩和させるといったように、社会経済の効率性を高めることもできるでしょう

つまり、スマートコミュニティやスマートシティの実現です。 

モノのすべてがインターネットにつながるのは、究極の世界となりますが、実現へと近づけば、飛躍的に効率性や利便性の高い社会が享受できるようになります。これらのあらゆる情報がデジタル化されや膨大な情報流通は、クラウドが支え、業界やサービスの枠を超えた世界観のあるビジネスモデルの展開を橋渡しすることになるでしょう。

デジタル化とクラウド化の流れは、これまでITの導入が遅れをとっていた農業や教育や医療・介護などのサービスや製造・物流業、そして、電子政府などのより広い分野に波及しています。これらの業界・分野はプラットフォームの共通化できる部分も多く、クラウド・エコシステムが社会システムの高次化とイノベーティブなサービスを生み出す環境を支えることにもなると考えています。

クラウド・エコシステムは、様々な産業構造の変化と今後の新規ビジネス創出の大きな機会を生み出すことになるでしょう。

 

※担当キュレーター「わんとぴ

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