クラウド・エコシステム(48)スマートテレビと放送・ソーシャルの融合・連携
引き続き、「情報通信白書2012」からの資料の情報です。
スマートテレビのビジネスモデルの類型化の資料が以下の図です。
出所:情報通信白書2012
保有する動画コンテンツを中心に既存の放送受信機や様々なセットトップボックス(ゲーム機を含む)を幅広く展開することを志向するもの
①マルチプラットフォーム展開モデル
②ソーシャル連携モデル
事例:マルチプラットフォーム展開モデルについては、インターネット動画配信が定着している事例(国内:もっとTV、海外:Netflix、Hulu、iPlayer)
新たなプラットフォームの立ち上げを志向するもの
① 放送局主導プラットフォームモデル
② ネット企業主導プラットフォームモデル
③ メーカー主導プラットフォームモデル
事例:放送局主導のプラットフォームモデルの代表例としてNHKが進めているハイブリッドキャスト
マルチプラットフォームの展開モデルは、インターネット動画配信サービスとして、特に海外においては、Netflix、Hulu、など動画配信メディアのビジネスとしても成長をしています。日本においては、2012年4月から地上民放キー局5社と電通が共同で実施している「もっとTV」が代表的な事例としてあげられます。
Netflixの場合は、会員数は米国内で2300万人を超え、北米地域においては、ピーク時のダウンロード・ストリームはHTTP(17%)、YouTube(11%)、BitTorrent(8%)を上回る33%と、全体の3割を超えるトラフィックを占めるなどの急成長を占めています。
今後は、放送番組の二次利用やオンデマンド配信など、様々な形態を通じて、動画配信メディアは成長していくことになるでしょう。
ソーシャル連携モデルは、ソーシャルメディアを介して視聴者の生の声が収集でき、放送番組の訴求にも効果があり、連携色は濃くなっていくでしょう。
放送局主導プラットフォームモデルは、NHKのハイブリッドキャストなどがあげられますが、同様にアプリやソーシャル連携により視聴者情報の収集、放送番組の訴求などが可能となり、オープンプラットフォーム志向が強いのも特徴です。
メーカー主導モデルは、代表的なのは、韓国サムスン、LG電子などがあげられ、日本では、パナソニックのVIERA Conncetがあげられます。
ネット主導モデルは、Google TV、Apple TVなどがあげられ、これらは、スマートフォンやタブレットのアプリストアとの同様のモデルで、グーグルの「Google Play」や, アップルの「iTunes」などと連携させ、差別化を図っていくでしょう。
スマートテレビの市場は、従来の放送事業者に加えて、様々な事業者が主導権を争い、エコシステムのハブとなり、自社主導によるエコシステムの形成の覇権争いが繰り広げられています。
家庭の中心に位置するテレビは、様々な世代層を囲い込む新たな収益を生みやすいモデルでもあり、今後の主導権争いと、ユーザの利便性の高いサービスの登場が注目されるところです。
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※担当キュレーター「わんとぴ」
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