ガートナー、2025年のインフラおよび運用に影響を与える主要なトレンドを発表
ガートナーは2024年12月11日、12月10日から12日にかけてラスベガスで開催される「Gartner IT Infrastructure, Operations & Cloud Strategies Conference」において、「2025年にインフラおよび運用(I&O)に大きな影響を与える6つのトレンド」を発表しました。
Gartner Identifies the Top Trends Impacting Infrastructure and Operations for 2025
ガートナーの副社長アナリストであるジェフリー・ヒューイット氏は次のように述べています。
「これらのトレンドは、I&Oリーダーにとって将来のスキル要件を特定し、導入要件を満たすための洞察を得る機会を提供します。これにより、2025年におけるI&O運用の最適な成果を得るための差別化が可能になります。」
図1:2025年のI&O主要トレンド
出典:ガートナー(2024年12月)
2025年の主要トレンドの詳細は以下のとおりです。
トレンド1:再仮想化/非仮想化
Revirtualization/devirtualization
特定のベンダーによるライセンス変更により、多くのI&Oチームが仮想化の選択肢を再評価せざるを得なくなっています。一部はパブリッククラウドへの移行を選択し、他は分散型クラウドやプライベートクラウドへの移行を進めています。このプロセスには、ハイパーバイザーの変更にとどまらない多くの選択肢が含まれています。
ヒューイット氏は次のように指摘しています。
現在の仮想化実装とその関連する相互依存性をすべて把握し、ハイパーバイザー、ハイパーコンバージェンス、分散型クラウド、コンテナ化、プライベートクラウド、非仮想化といった代替パスを評価する必要があります。
トレンド2:セキュリティ行動と文化プログラム(SBCP)
Security Behavior and Culture Programs
攻撃の高度化と多様化に対応するため、セキュリティプログラムは、行動と文化を重視して進化する必要があります。SBCPは、従業員の行動に関連するサイバーセキュリティインシデントを最小限に抑えるための企業全体のアプローチです。
このプログラムにより、従業員によるセキュリティコントロールの採用が促進され、安全ではない行動が減少します。さらに、従業員によるサイバーセキュリティ資源のより効果的な利用を支援します。
トレンド3:サイバーストレージ
Cyberstorage
サイバーストレージソリューションは、データを複数のストレージロケーションに分散させ、必要に応じて即座に再構成できるデータハーバーを利用します。
ヒューイット氏は次のように述べています。
コストや業務に支障をきたすストレージ脅威のリスクを特定し、規制や保険費用の増加を考慮して、サイバーストレージ導入のビジネスケースを構築することが重要です。
トレンド4:液体冷却インフラ
Liquid-cooled Infrastructure
液体冷却インフラは、リアドア熱交換、浸漬冷却、チップ直結冷却を含みます。この技術は、次世代のチップ、AI要件、エッジユースケースをサポートする柔軟性を提供します。
ヒューイット氏は次のように説明しています。
液体冷却技術は、データセンター環境全体を冷却することから、インフラの内部や周辺に進化しています。今後、消費電力と発熱が増加する次世代GPUやCPUの普及に伴い、液体冷却の使用が増えるでしょう。
トレンド5:インテリジェントアプリケーション
Intelligent Applications
生成AIの進化により、アプリケーションがユーザーの文脈や意図に適応する能力が求められるようになりました。これにより、デジタルフリクションが減少し、I&Oの介入や操作が必要な頻度が低下します。
インテリジェントアプリケーションはプロセスを最適化し、リソースのオーバーヘッドを削減します。
トレンド6:最適化されたインフラ
Optimal Infrastructure
最適化されたインフラとは、I&Oチームがさまざまな展開スタイルにわたるユースケースに対して最適なインフラを選択することを重視するアプローチです。このアプローチは、IT外のエグゼクティブにも理解可能なビジネス視点に基づいています。
ヒューイット氏は次のように述べています。
プラットフォームエンジニアリングの採用と連携することで、インフラ選択を組織全体のビジネス目標と一致させ、経営陣の支持と承認を得ることが可能になります。