通信事業者は生成AIの採用を加速
IDCは2024年6月18日に公表したレポート「 Generative AI Readiness: Are Telcos Geared Up for the Generative AI Revolution?(生成AIの準備態勢:通信事業者は生成AI革命に備えているか?)」によると、アジア太平洋地域の通信事業者(CSP)は、生成AIソリューションへの投資を急速に進めています。
本レポートでは、CSPが生成AIを導入する際に考慮すべきポイントや、生成AIを使った変革の戦略的な道筋を示しています。
通信事業者は、変革を目指してAIや機械学習(ML)への投資を優先しています。これまでは予測AIや解釈AIを使ってネットワーク自動化やカスタマーサービス向上を図ってきました。
現在は生成AIが注目されており、生成AIはデータからパターンを学び、コンテンツを生成できるため、通信事業者の運営に新しい可能性をもたらしますと指摘しています。
2024年には50%以上の通信事業者が生成AIのためにIT予算を割り当てるようになっています。この予算の多くは、現在のデジタルトランスフォーメーション(DX)や他のAIプロジェクトから再配分されているといいます。
本IDCレポートでは、生成AIの活用による価値創造のフレームワークや、生成AIを最大限に活用するための通信事業者の成熟度を評価する指標も紹介されています。本レポートは、IDC AI Councilおよび2024年1月に実施されたFuture Enterprise Resiliency & Spending Surveyのデータを基にしています。
IDCのアナリストは、
通信事業者は生成AIを活用したビジネスケースを慎重に検討し、試験運用を行い、予算を割り当てています。しかし、生成AIを本格導入する前に、その準備が整っているかどうかを評価することが重要です
とコメントしています。
レポートのその他の重要なポイントは以下の通りです。
Strategic partners for GenAI deployment(生成AI導入のための戦略的パートナー):
生成AIソリューションは即座に利用できるものではなく、パートナー企業の専門知識が導入の成功に不可欠
GenAI workload management(生成AIのワークロード管理):
データ管理、コスト、マルチクラウド環境での互換性は、生成AIを導入する際の重要な課題
Adoption challenges(採用の課題):
プライバシーとセキュリティのポリシー、および通信事業者に特化したモデルが必要
Platform capabilities(プラットフォームの能力):
生成AIの対話機能と自動化の強化により、AIプラットフォームの利用がより魅力的になり、内部業務の改善に寄与
Continuous Improvement(継続的な改善):
生成AIモデルは進化し続け、ネットワーク、運用支援システム(OSS)、ビジネス支援システム(BSS)のユースケースを最適化し、内部プロセスを改善し、エンドユーザへのサービスを向上
生成AIの導入に向けた通信事業者の動向を理解するための重要な情報となっています。