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ITの観点から見たDXの「あるべき姿」/リアルタイム・フィードバック・ループを完成させること

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昨日のブログで述べたとおり、世界は急速に不確実性を高めています。数年後の未来を正確に予測して計画を立て、ものごとをすすめていくことは困難な時代です。

直近の大きな出来事を見ても、コロナ禍による世界経済の混乱、ウクライナやパレスチナでの戦争、トランプ次期大統領の当選などは、そんな「不確実性」の象徴的な出来事です。

身近なことに目を向ければ、生成AIの急速な機能や性能の向上は、私たちの日常やビジネスに大きな影響を与え始めています。もはや、「労働力」や「生産性」は、AI前提となり、人間とAIの役割分担も変わりつつあります。量子コンピューターのイノベーションにも目を見張るものがあります。またまだ未来の話しだとされていたこの技術も、一気に実用が前倒しされる勢いであり、コンピューティングの常識は短期間で置き換わるかも知れません。

かつて世界は予測可能な成長を前提として、安定的な拡大を続けててきました。ところが、21世紀に入る前後から、インターネット、スマートフォンの普及、グローバル化、新技術の急速な進歩などが複雑に絡み合い、未来予測は困難になりました。そんな、計画通りに物事を進めることが難しい不確実性の高い時代においては、企業は変化に即応できる「俊敏性」を獲得する必要に迫られています。

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この状況に対処するには、リアルタイムに事実を捉え、高速に判断して、対処することが、事業を存続させ、成長させるための基本動作となります。ITは、この基本動作、すなわち「リアルタイム・フィードバック・ループ」を実現することが求められています。

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この中核をなすのが、ERPシステムです。ERPシステムは、一連の業務プロセスを自動化し、ビジネス環境の変化に高速かつリアルタイムに対処できる基盤を提供します。

そんなERPシステムの入力となるビジネス環境の変化をリアルタイムに捉える手段として、IoTや業務プロセスの徹底したデジタル化が必要です。また、迅速かつ的確な判断を支援するために、AIの活用やデータ・サイエンスが、有効な手段となります。

変化に俊敏に対処するには、システムの機能や性能もまた、必要に応じて調達や削減ができなくてはなりません。予測できない未来を無理矢理予測して、システム資産を所有することは、経営的なリスクを高めるだけではなく、変化への俊敏性を損ねることになります。この状況に対処する唯一の方法は、可能な限りクラウド・コンピューティングを前提にシステムを構築することです。クラウドへのシフトは、システムの構築や運用に関わる時間や労力、コストを削減でき、貴重な経営資源を業務の成果にシフトさせることにも役立ちます。

クラウドを使うことは、システム資源を外部依存することです。また、コロナ禍をきっかけとして、リモートワークが定着したいま、ユーザーもまた自社のネットワークの外にいます。この現実は、自社で所有し自社が管理・監視することを前提としたセキュリティ対策、すなわち、ファイヤーウォールやIPS/IDSなどのネットワークの仕組みに依存したセキュリティ対策を困難にします。

この状況を打開するには、システム資源やユーザーが、相互に信頼を確立でき、社外、社内を区別することなく、ネットワークの仕組みに頼らないゼロトラスト・セキュリティやIDマネージメントが、必須となります。

これによって、ユーザーが意識せず、頑張らずにセキュリティが担保され、業務の生産性を高められる仕組みが実現します。

レガシーなシステム環境のままでは、このような状況に対処できません。まさに、ITシステムをいまの時代に合わせて、「新しく作り変える」必要があります。つまり、ITもまたDXの対象であると言うことです。

次回は、そんなITのこれからのあるべき姿のイメージを描いてみようと思います。

実践で使えるITの常識力を身につけるために!
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次期・ITソリューション塾・第48期(2025年2月12日[水]開講)の募集を始めました。

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    •  IT利用のあり方を変えるクラウド・コンピューティング
    •  これからのビジネス基盤となるIoTと5G
    •  人間との新たな役割分担を模索するAI
    •  おさえておきたい注目のテクノロジー
    •  変化に俊敏に対処するための開発と運用
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