オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

国内ローコード/ノーコード市場、生成AIが市場を牽引し2028年には2,701億円の市場規模に

»

IDC Japanは2024年11月25日、「国内ローコード/ノーコード/Generative AI開発テクノロジー市場予測」を発表しました。

本報告書によると、2023年の同市場規模は1,225億円に達し、2023年から2028年の年間平均成長率(CAGR)は17.1%で推移、2028年には2,701億円に拡大する見通しです。

本市場には、開発プロセスの効率化や自動化を支援するテクノロジーが含まれ、フルタイムの開発者だけでなく、業務部門の開発者(LOB開発者)に対しても強力なサポートを提供しています。これらのテクノロジーは、ローコード/ノーコード開発インターフェースを通じて、従来の開発スキルを不要とする仕組みを提供し、組織全体の開発能力を高めています。また、生成AI(Generative AI)技術がこの分野に融合し、自然言語を用いた開発やテスト自動化といった新たな価値を生み出しています。

市場拡大を支える背景

ローコード/ノーコード開発プラットフォームは、業務プロセスのデジタル化(デジタイゼーション/デジタライゼーション)やDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速させる重要な手段として注目を集めています。日本国内でもその普及は急速に進行しており、企業はIT部門に依存することなく、業務現場で迅速かつ柔軟なアプリケーション開発を進めることが可能になっています。

さらに、生成AI技術が加わることで、開発プラットフォームの能力が飛躍的に向上しています。たとえば、自然言語による指示でアプリケーションを構築する機能や、コード補完とテスト自動化のインテリジェンスが実現され、開発プロセス全体の効率化が進んでいます。このような変化により、開発者はより高度な作業に集中できる環境が整備されつつあります。

生成AIの影響と課題

IDC JapanのSoftware & Servicesリサーチマネージャー、木村伸一氏は

多くのベンダーが生成AIを活用した機能強化を加速しており、この技術は市場拡大の鍵となっています。しかし、生成AIに対する過度な期待が、企業の導入時に成果とのギャップを生むリスクも存在します。ユーザー企業が実現可能な目標を設定し、適切な開発プロセスを経ることで、ビジネス成果を達成するための支援が重要です。

とコメントされています。

生成AIの活用により、ローコード/ノーコード開発市場はこれまで以上に拡大することが予想されます。一方で、各企業が具体的な成果を出すためには、技術導入の目的を明確にし、継続的な評価と改善が求められます。ベンダーにとっては、単なる技術提供に留まらず、ユーザー企業との連携を通じて実用的な価値を引き出すことが競争優位性の鍵となるでしょう。

スクリーンショット 2024-11-30 7.53.04.png

出典:IDC Japan 2024.11.25

Comment(0)