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政府における教育DXの推進

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政府は2024年6月21日、「第9回経済財政諮問会議を開催」し、「経済財政運営と改革の基本方針2024」を公表しました。

今回はこの中から教育DXについて整理したいと思います。

教育の質を向上させるとともに教職員の負担を軽減するため、国策として推進されるGIGAスクール構想を中心に、クラウド環境や生成AIの活用などによる教育DXを加速させていくとしています。

具体的な取り組みとしては、共同調達スキームの下での着実な端末更新、ネットワークアセスメントの徹底やその結果を受けた通信ネットワークの着実な改善、地域間格差の解消に向けた好事例の創出や広域的なICT運用支援を含む伴走支援の強化、デジタル教科書などの学習ソフトの活用促進など、ハード・ソフト両面からの教育環境の充実を図っていくとしています。

また、教師の指導力や児童生徒の情報活用能力の向上を目指し、教育情報セキュリティ対策や個人情報保護の強化を図りつつ、教育データの収集・分析・利活用を促進。これにより、実態把握や効果検証を踏まえた学びの個別最適化に向けた取り組みや、入学・高校入試事務のデジタル化を含む校務DXの推進を加速し、先進事例の創出と横展開を図っていくとしています。

教育DXの推進に向けては以下のとおりにまとめています。

GIGAスクール構想を推進し、クラウド環境・生成AIを活用。教育データの収集・分析・利活用を通じて、全てのこどもの個別最適で充実した学びを実現
校務DXを活用して、教員の働きやすさと教育活動の一層の高度化を実現

現状・課題
1人1台端末の活用状況には地域差が存在。※通信ネットワーク環境を始めハード・ソフト両面に課題 先進的な自治体はあるものの、教育データの利活用は道半ば(個人情報保護の観点から懸念の声も)。 紙・非クラウドの事務等による教職員の負担大。

目指す姿
教育DXによる学校の諸課題解決と、全てのこどもの可能性を引き出す学びの実現

一人一人の特性や理解度・進度に合わせた学び
個別の事情に応じたきめ細やかな指導・ケア

校務DXによる教員のパフォーマンス向上
情報活用能力の向上
ハード・ソフト環境の充実
情報セキュリティ/個人情報保護強化
 

スクリーンショット 2024-06-22 18.02.04.png

出典:経済財政運営と改革の基本方針2024 2026.6.21

また、2024年6月21日に公表した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、教育分野では、以下の4つの取組を挙げています。

教育分野

校務DXの推進
2026年度から4年間かけてクラウド環境を前提とした次世代校務DX環境への移行を順次進める。校務支援システムの共同調達の推進や教育情報セキュリティポリシーの策定及び見直し、ネットワーク環境の整備等を進める。

オンライン教育・民間人材活用の促進
リスト化した専門性の高い教師や民間人材等(発信者)と教師(受信者)を繋ぐマッチング機能等を備えた共通利用基盤を2024年度に構築し、2025年度以降に横展開を図る。

デジタル教材の活用促進
都道府県内の学校・市町村教育委員会等が共通利用できるプラットフォームを整備し、デジタル教材等の在り方を検証、2024年度に共通利用基盤を構築、2025年度以降に横展開を図る。

教育データの効果的な利活用の推進とそれに必要な環境整備
2024年度内を目途に教育データ利活用ロードマップを改定する。自治体間連携のためのデータ連携基盤やアーキテクチャ・ID管理の実現方策の検討、自治体における教育データ利活用の支援等を進める。

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出典:デジタル庁 デジタル社会の実現に向けた重点計画 2024.6.21

教育分野の工程表は以下のとおり示しています。

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出典:デジタル庁 デジタル社会の実現に向けた重点計画 2024.6.21

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