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オープンデータ社会(50)オープンデータビジネス(LOD公開パッケージ/LOD向け大規模データ格納・検索技術など)

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オープンデータのビジネスを推進していくにあたって、重要な鍵となるのが、Linked Open Data(LOD)への対応です。

国内初のLinked Open Data公開パッケージの提供

インフォコム株式会社は2013年5月15日、官公庁や公文書館や図書館、研究機関などが保有するCSV、XML、RDF、RDBMSなどの形式のデータを、Linked Open Data(LOD)として公開することができる国内初のパッケージソフトウェア「InfoLib-LOD」の販売を7月より開始することを発表しています(リリース記事)。

LODとは、Web技術を利用して、オープンデータを公開してLinkさせる仕組みで、データ公開とアプリ公開の両方の公開ができるプラットフォームで、Web空間を巨大なデータベースとして利用できます。

LODは、あらゆる情報・事象のIDとしてURLを活用し、情報はウェブ上にあるリソースを記述するために統一された、メタデータを記述するためのフレームワークであるRDF(Resource Description Framework)で記述・提供し、他のURL(情報・事象)とリンクを確立し、LODクラウドで相互の運用性を確保することができます。米国政府などでは、データの相互運用性を確保するために、LODを用いてデータを公開しています。

「InfoLib-LOD」では、CSV、XML、RDF、RDBMSなどのオープンデータをRDFに変換して公開することで、RDFを操作するためのRDFクエリ言語SPARQLを利用したデータ検索が可能となり、オープンデータの二次利用が促進される環境が整うことになります。


「InfoLib-LOD」の機能概要
http://www.infocom.co.jp/info/press/2013/p13051501.html

「InfoLib-LOD」の提供の想定するターゲットとして、政府や自治体のオープンデータの推進や、公文書館などでのイベント活用、研究機関でのデータ分析での利用などをあげています。

LOD向け大規模データ格納・検索技術

富士通研究所、アイルランド国立大学ゴールウェイ校の研究機関Digital Enterprise Research Institute、Fujitsu Laboratories of Europe Limitedは2013年4月3日、LODを格納し、従来比5~10倍となる高速な検索アルゴリズムによって、一括検索するLOD活用基盤の開発を発表しました(リリース記事)。

富士通研究所では、今回開発した技術をクラウド上に実装したLOD活用基盤を、2013年柱に限定公開で、世界に先駆けて無償公開し、オープンデータの利活用の推進を図っていくとしています。

LOD活用基盤では、アプリケーション開発者が利用するための検索インターフェイスや、アプリケーションを利用するためのSPARQLによる標準APIを搭載しています。

図1 LOD活用基盤の概要
LOD活用基盤の概要
http://pr.fujitsu.com/jp/news/2013/04/3-1.html


上記の2つはこれから提供予定となっていますが、今後、オープンデータビジネスを推進していくにあたって、オープンデータの活用を支援し、データポータルやデータマーケットプレイスを形成するための支援するツールやプラットフォーム基盤の提供などの環境を整えていくことが重要となっていくでしょう。

 

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