オープンデータ社会(26)オープンデータにおけるライセンスのあり方
オープンデータは、主に政府や自治体などの公共機関の行政情報をマシンリーダブルな形で二次利用可能なフォーマットで提供するデータを指しますが、データの提供にあたって重要となるのが、二次利用を促進するためのパブリック・ライセンスの整理です。
現在、各国ではオープンデータの活用にあたって、政府独自のライセンスなど様々なパブリック・ライセンスが採用されています。
たとえば、イギリスは独自のOpen government License、フランスは独自のOpen License、ドイツやフランスのパリ市はOpen Data Commons License、Open Knowledge Foundation(OKFN)はOpen Database Licenseを採用しています。
Creative Commons License(CC License) の場合は、ドイツ、ニュージランド、オーストラリアなどの多くの国で採用されています。
Open government License、Open License、Open Data Commons Licenseなどの場合、商用利用などライセンスの一部条件の選択を認める柔軟性が制限されており、日本では制約の少ないCreative Commons License の採用を中心に検討が進められています。
公開されるデータのパブリック・ライセンスの提供形態は、他のパブリック・ライセンスとの互換性があり、原作者のクレジットを表示、もしくは、同じ条件で配布することを守れば、原則、改変や非営利目的や教育目的での利用に限ることなく、商用利用目的の二次利用も許可されることが、データ流通を促進する上で重要となります。
Creative Commons License について、もう少し詳しく整理してみましょう。
Creative Commons License を提供する国際的非営利組織とそのプロジェクトの総称がクリエイティブ・コモンズです。Creative Commons Licenseを利用することで、作者は著作権を保持したままデータを流通させることができ、データの利用者はライセンスの条件の範囲内で二次利用ができます。
Creative Commons Licenseは、法律に詳しくない人でもライセンスの利用条件が理解できる簡潔な説明文である「コモンズ証」、「コモンズ証」と同じ内容を法律家が読むための法的に技術した「利用許諾(ライセンス原文)」、機械解読性のあるデータである「メタデータ」の3つの要素で構成されています。
Creative Commons Licenseは合計6種類のライセンス形態が提供されています。
オープンデータ流通推進コンソーシアムの取組と提言(2013.3.21)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/densi/dai3/siryou3.pdf
最も利用範囲が広いのがCC BYで、原作者のクレジット(氏名、作品タイトルとURL)の表示を守れば、改変だけなく、営利目的での二次利用も許可される最も自由度の高いライセンスとなり、オープンデータを推進する上では、CC BYのライセンスで提供することが推奨されます。
オープンデータ流通推進コンソーシアムでは、オープンデータを推進していくにあたって、CC BYのCreative Commons Licenseを活用したルールを策定するにあたって、著作権がない数値データや簡単なグラフ・表の取扱い、第三者の権利の扱い、個別法による制約のある公共データの扱い(例:気象業務法、測量法等)などに留意していく必要があるとしています。
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