オルタナティブ・ブログ > 『ビジネス2.0』の視点 >

ICT、クラウドコンピューティングをビジネスそして日本の力に!

オープンデータ社会(45)「Code for America」による行政サービス向上

»

アメリカ政府や州・自治体がオープンガバメントやオープンデータといった市民参加型の取り組みを推進してこれたのは、2009年から「Code for America」という市民による行政向けのWebサービス開発による大きな成果をあげたことがあげられます。

image
http://codeforamerica.org/
Code for America

「Code for America」とは、政府や自治体が、開発者などを1年間の期間限定で行政職員として雇用し、都市の課題を行政の担当者と分析し、課題解決や行政サービスの向上につながるWebサービスを開発するプロジェクトです。

本プロジェクトでは、ティム・オライリーやマーク・ザッカーバーグらが参加を呼び掛け、全米から開発者362名が応募し、20名を選抜しています。

「Code for America」は、市民が行政の情報の収集・共有が可能でオープンで相互運用性の高いオープンのソース「Open311ダッシュボード」を提供しています。

「Code for America」によって、これまで、ホノルル市民のためのQ&Aサイト「HONOLULU ANSWERS」や市民が要望した行政サービスがどのような状況になっているか検索できる「311 Chicago Service Tracker」などが提供されています。

image

http://answers.honolulu.gov/
HONOLULU ANSWERS

image

http://servicetracker.cityofchicago.org/
311 Chicago Service Tracker

オープンデータでは、サンタクルーズ市のオープンデータのポータルサイトも「Code for America」により構築されています。

image
http://data.cityofsantacruz.com/

※Code for America Annual Report 2012
http://annual.codeforamerica.org/

NHKで2013年1月に放送されたTEDの取り組みを紹介するスーパープレゼンテーションでは、「Code for America」のJennifer Pahlka(ジェニファー・パルカ)氏が、

Coding a better government
「より良い政府をプログラミング」

をテーマにプレゼンをされています。


http://on.ted.com/JPahlka

ジェニファー・パルカ氏は、政府や自治体が従来の計画立案から実施まで予算や時間をかけてすべてやるという従来の発想や考え方を変え、政府や自治体と一般市民をつなぎ、オープンな場で取り組んでいくための仕組みづくりをつくり、実際にWebサービスの開発といったように手を動かし行動していくことで、行政サービスをより良くしていこうというメッセージを伝えています。

「Code for America」のような取り組みは全国的な広がりを見せ、米政府は、2013年6月1日~2日に全米各地で「National Day Of Civic Hacking」を開催することを発表しました。市民によるソフトウェア開発者や起業家たちがオープンデータやコードを使用して、地域における課題を市民によって解決するために新しいサービスを提案していくための取り組みとなります。

image
http://hackforchange.org/
National Day Of Civic Hacking

オープンデータによるデータ公開が進むことになれば、市民がそのデータを活用し、行政サービスの向上につながるWebサービスを開発し提供していく動きも増えていくことが予想され、行政サービスの向上さらには、地域コミュニティの活性化にもつながっていくでしょう。

 

オープンデータ社会(1)オープンデータとは? 2013/01/21

オープンデータ社会(2)米政府におけるオープンガバメントの取り組み 2013/01/22

オープンデータ社会(3)世界の政府におけるオープンデータ戦略の取り組み2013/01/23

オープンデータ社会(4)民間事業者の参入 2013/01/25

オープンデータ社会(5)米国政府におけるビッグデータ関連政策 2013/01/28

オープンデータ社会(6)日本におけるオープンガバメントの取り組み2013/01/29

オープンデータ社会(7)公共データへの産業界からの期待 2013/01/31

オープンデータ社会(8)電子行政オープンデータ戦略 2013/02/1

オープンデータ社会(9)総務省などの取り組み(情報流通連携基盤事業、オープンデータ流通推進コンソーシアム) 2013/02/4

オープンデータ社会(10)総務省などの取り組み(クラウドテストベッドコンソーシアム) 2013/02/5

オープンデータ社会(11)経済産業省などの取り組み(DATA METI構想など)2013/02/13

オープンデータ社会(12)オープンデータアイディアボックス 2013/02/14

オープンデータ社会(13)自治体のオープンデータの取り組み 2013/02/15

オープンデータ社会(14)パブリックデータとは? 2013/02/18

オープンデータ社会(15)オープンデータによる市場創出のためのプレイヤー相関 2013/02/19

オープンデータ社会(16)政府、自治体のオープンガバメント、オープンデータの主な取り組みのまとめ 2013/02/20

オープンデータ社会(17)International Open Data Day in Japanのまとめ2013/02/25

オープンデータ社会(18)日本におけるビッグデータ関連政策 2013/02/27

オープンデータ社会(19)震災ビッグデータ 2013/03/4

オープンデータ社会(20)オープンデータマーケットプレイス 2013/03/5

オープンデータ社会(21)オープンデータの需要と供給 2013/03/6

オープンデータ社会(22)オープンデータ8つのビジネスモデル 2013/03/7

オープンデータ社会(23)パブリックデータを整理する 2013/3/8

オープンデータ社会(24)電子行政オープンデータ推進のためのロードマップ(仮称)(案) 2013/4/3

オープンデータ社会(25)情報資源/データ立国に向けて 2013/4/5

オープンデータ社会(26)オープンデータにおけるライセンスのあり方2013/4/9

オープンデータ社会(27)二次利用の促進のための 府省のデータ公開に関する基本的考え方(ガイドライン) (仮称) (案) 2013/4/10

オープンデータ社会(28)オープンデータ推進における情報リスク 2013/4/11

オープンデータ社会(29)総務省の実証事業の取り組み(公共交通分野)2013/4/12

オープンデータ社会(30)総務省の実証事業の取り組み(地盤情報) 2013/4/15

オープンデータ社会(31)総務省の実証事業の取り組み(災害時通行実績情報)2013/4/16

オープンデータ社会(32)IT戦略におけるオープンデータ/ビッグデータの位置づけ 2013/4/17

オープンデータ社会(33)日本版ITダッシュボードについて 2013/4/19

オープンデータ社会(34)スマートシティとデータ活用 2013/4/22

オープンデータ社会(35)オープンデータ・アプリケーション 2013/4/23

オープンデータ社会(36)健康・医療データの活用 2013/4/24

オープンデータ社会(37)農業データの活用 2013/4/25

オープンデータ社会(38)スマートメーターとデータ活用 2013/4/26

オープンデータ社会(39)医療費抑制とデータ活用 2013/4/29

オープンデータ社会(40)マイナンバー制度と医療分野でのデータ活用2013/4/30

オープンデータ社会(41)公共インフラの維持管理とデータ活用 2013/5/1

オープンデータ社会(42)通行実績情報(プローブ情報)の活用 2013/5/2

オープンデータ社会(43)気象データの活用について 2013/5/6

オープンデータ社会(44)宇宙データの活用 2013/5/7

オープンデータ社会(45)「Code for America」による行政サービス向上 2013/5/8

Comment(0)