オープンデータ社会(10)総務省などの取り組み(クラウドテストベッドコンソーシアム)
総務省は2011年12月16日、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)及び独立行政法人統計センター(NSTAC)と連携して、中小ベンチャー企業向けのインキュベーション施策等を提供するため「クラウドテストベッドコンソーシアム」の設立を発表しました。
本コンソーシアムでは、民間における統計情報の活用ニーズについて調査・分析、新たなクラウドサービスの開発を通じて統計情報の機械判読可能な提供方法などに関する検討を進めていくことを目的としています。設立から、約60の企業・団体が参加しています。
本コンソーシアムでは、NICTが管理・運営する新世代通信網テストベッド(JGN-X:JGN eXtreme)上の仮想サーバーをクラウドサービスの開発基盤、クラウドテストベッドとして提供しています。
独立行政法人統計センターが保有する統計情報の一部を格納したデータベースを、クラウドテストベッド上の仮想サーバーから利用できるようにしています。
参加会員は、このデータベースに対して、API(Application Programming Interface) を使用して、仮想サーバーからアクセスすることができます。
API機能で提供する情報は、国勢調査、住宅・土地統計調査、就業構造基本調査、社会生活基本調査、労働力調査、家計調査、科学技術研究調査など50を超えるデータを提供しています。
これらの開発環境を提供することで、高付加価値を生み出す中小ベンチャー企業による新たな事業機会の拡大を支援する取り組みとして期待が高まっています。
しかしながら、政府が単に「統計データを提供する」だけでは、新たな事業機会の創出の実現は難しいため、統計データのビジネス活用を具体的な検討や、統計データを活用するための技術検討および検証を行うためのワーキンググループ「統計活用ワーキンググループ」を立ち上げ、検討を進めています。
具体的な活用例(サンプル)では、小売業様向け業務サービス+分析サービスとして、小売業様向けの各種業務サービスをクラウドで提供し、さらに、統計データと組み合わせた分析サービスの提供をあげています。
これらの取り組みの中で、統計情報を活用した2次利用ニーズや活用シーンの把握、現行利用における制約・課題等の整理、統計情報を活用したサービス開発事例の蓄積などを通じて、企業や地方公共団体等とも連携による成功モデルを作り、それを元に優先順位を付けながら順次利用ニーズの高い公共データに取り組みを拡大していくことを目指しています。
本テストベッドの取り組みは、オープンガバメントと産官学のクラウド・エコシステムの先行事例として、成功モデル構築と、水平展開が期待されます。
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