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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

ChatGPTは世界中のMBA教材や金融知識を強化学習で身につけた"地頭の良い秀才"

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ChatGPT + ディープリサーチは年収7000万円のスタンフォードMBA級

近年、生成AIの飛躍的な進化によって、企業経営の意思決定を支える手段が大きく変わろうとしています。ChatGPTはその代表例であり、上場企業の社長である読者の皆様にとっても、まさに「隣に置く外部頭脳」として活用し得る存在です。

ChatGPTは、多量のテキストデータをもとに訓練された高度なAIチャットボットで、ビジネスに必要なM&Aやファイナンス、戦略に関する知識を豊富に備え、質問に対して人間さながらの文章で回答を生成します。

さらに、ChatGPTに最新の情報検索機能を組み合わせたディープリサーチ(Deep Research)を活用すれば、刻一刻と変化する市場動向や競合情報を即座に取り込み、経営判断に役立つインサイトを引き出すことも可能です。

本章では、ChatGPTとディープリサーチが持つ実力を解説します。スタンフォードMBA卒業者や米国投資銀行のプロフェッショナルに匹敵する知識をどのように身につけているのか、その訓練背景に触れます。

さらに、ChatGPTがグローバルM&AレポートやMBA教材、PEファンドの知見、ハーバード流ケーススタディなどを踏まえた高度な意思決定サポートができる点を示します。

具体的に、ChatGPTが具体的に生成できる資料(ティーザー、LOI、DDリスト、戦略提案書など)を例示し、そのアウトプット品質を見ます。また、ディープリサーチによるRAG型(Retrieval Augmented Generation)のリアルタイム情報統合力について、IR資料や多言語ニュース、業界動向の分析が瞬時に行えることを紹介します。

これらを通じて、ChatGPTが日本のマッキンゼー・シニアコンサルタントを超える思考力と出力力を発揮しうる理由を考察します。最後に、「IRからM&A提案、意思決定整理まで」一貫して社長を支える"外部頭脳"としての価値を示し、既存のGoogle検索との違いを比較表やM&A出力例の図解を用いて明らかにします。本章を読み終える頃には、経営トップとして押さえておきたい視点と、明日から使える具体的な活用アイデアが得られることでしょう。

スタンフォードMBA級の知識を備えるChatGPT

まず押さえておきたいのは、ChatGPTの知識ベースの広大さとその訓練手法です。

ChatGPTはインターネット上に存在するあらゆる公開テキスト(2021年まで)を取り込み、教師あり学習と強化学習によって人間のように応答できるよう調教されています。

その結果、世界中の教科書、学術論文、ニュース記事、業界レポートなどを網羅的に学習し、スタンフォードMBAプログラムや米国トップ投資銀行員に匹敵するビジネス知識を蓄えているのです。

実際、ChatGPTは経営大学院レベルの試験問題にも対応できることが証明されています。ペンシルバニア大学ウォートン校の研究では、ChatGPTがMBAコースの期末試験に相当する問題に解答し、人間の学生と同等以上の成績(B~B-程度)で合格したと報告されています。

特にケーススタディ形式の難問においても、的確な分析と回答を示し、教授陣を驚かせました。このようにChatGPTは、MBAホルダーが持つ経営理論やファイナンス知識をほぼ網羅し、複雑なビジネス課題にも対応できるインテリジェンスを備えています。

さらに注目すべきは、その知識が実践的なビジネス判断に耐えうる形で統合されている点です。

ChatGPTは単に用語や定義を知っているだけでなく、過去に公開されたグローバルM&Aの取引事例やコンサルティングのケース解説などから学び、そこに共通する論理展開や意思決定パターンも身につけています。

たとえば、企業買収の是非を判断する際の典型的なフレームワーク(企業価値評価、シナジー効果分析、リスク要因の洗い出し等)についても熟知しており、ユーザーから質問を受ければそれらを踏まえた解説を行えます。

「PEファンドが注目する財務指標は何か」「ハーバード式ケーススタディではどのような結論が導かれたか」といった高度な問いにも、膨大な学習データを背景に的確なポイントを押さえた回答を導き出せるのです。

要するに、ChatGPTは世界中のMBA教材や金融知識を強化学習で身につけた"地頭の良い秀才と捉えることができます。その知識の幅と深さは、人間でいえば何十年分もの読書と実務経験を圧縮して搭載しているようなものです。


近々刊行する「東証プライム上場企業の社長がChatGPT + ディープリサーチで時価総額を上げる7つの方法」のさわりです。

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