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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

Geminiで新宿区と港区の飲食店オープンデータを比較分析したら単純な横棒グラフが出た、この先どうするべきか?

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バージョンアップされたことで話題になっているGoogleのGemini。不肖わたくしもあれこれ試しています。
各自治体などから出されているオープンデータ。話題になり始めた2015年頃には私にも調査の仕事が回ってきて、公開されているデータの目立つものや活用事例を報告書にまとめたりなどしました。
ChatGPTと以前にやりとりした時に、理論的には/机上では、これこれできるよ、こんなデータがあれば...ということを彼が語っていました。その時のログの一部。

夏の観光シーズン対策向け調査報告書の企画案10選

1. 中国・韓国・タイからの訪日客地方分布レポート

企画概要: 中国・韓国・タイなど主要な訪日観光客が日本国内のどの地域に多く訪れているかを比較分析するレポートです。夏季に各国の訪日客が集中する都道府県や、地方への旅行傾向を明らかにします。例えば、中国人は都市部中心だがタイ人は地方観光地にも足を延ばす、といった国別の訪問パターンがわかります。地域の観光担当者やDMO(観光地域づくり法人)にとって、自地域に多い国籍の旅行者層を把握し、重点的な受入対策やプロモーション戦略に活かせる内容です。

活用する主なオープンデータ: 日本政府観光局(JNTO)の「訪日外客統計」データjnto.go.jpや観光庁の「宿泊旅行統計調査」による都道府県別延べ宿泊者数statistics.jnto.go.jpなどを使用します。JNTOの統計ポータルでは国籍別・月別の訪日客数が公開されており、都道府県訪問率ランキングや地域ごとの外国人宿泊数も取得可能ですstatistics.jnto.go.jp。これら複数のオープンデータを組み合わせ、国籍ごとの地域訪問比率や傾向をグラフ化して提示します。

差別化ポイント: 単純な訪日客数の集計ではなく、「どの国の観光客が日本のどの地域に行っているか」という切り口に特化している点が特徴です。他の類似レポートが全国合計値や主要都市の動向に留まりがちなのに対し、本企画では国別×地域別の詳細分析を行います。複数国の傾向を比較することで、各地域にとって有望なターゲット国を明確化でき、購入者は自地域に合わせたインバウンド対策(例えば特定国向けの案内整備等)を立案しやすくなります。

2. 訪日外国人観光客の旅行中ニーズ分析レポート

企画概要: 訪日外国人が日本旅行中に感じるニーズや不便事項を分析するレポートです。夏の観光シーズンに向けて、外国人観光客が求めているインフラ整備(例:無料Wi-Fi、交通案内、多言語表示)や飲食店での対応(例:ベジタリアン対応、ハラール対応)の傾向を把握します。観光客が「困ったこと」と感じた上位項目(例えば「ゴミ箱の少なさ」や「英語が通じないコミュニケーション」mlit.go.jp)を洗い出し、地域の観光施設や飲食店が優先的に改善すべき点を提言します。これにより、現場のサービス改善や受入環境整備に直接役立つ内容となります。

活用する主なオープンデータ: 観光庁が実施している「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査」の結果データmlit.go.jpや、「訪日外国人消費動向調査」に含まれる訪日客の満足度・要望項目の統計を利用します。具体的には、外国人旅行者に対するアンケートで明らかになった「旅行中に困ったこと」や「改善してほしいサービス」に関する数値mlit.go.jp、さらに飲食・宿泊・交通面でのニーズ(例:多言語メニュー希望者数、決済手段の希望など)のオープンデータを収集し分析します。いずれも一般公開されている統計資料や報告書から取得可能なデータです。

差別化ポイント: 単なる観光客数の分析ではなく、観光客目線での質的なニーズに踏み込んでいる点が差別化ポイントです。他の商品が「訪日客動向」全般を扱う中、本レポートはインバウンド対応現場で直面する具体的課題(通信環境、言語バリア、食の対応など)にフォーカスします。最新調査によるデータを用いることで、購入者はエビデンスに基づいた改善策を検討できます。また、誰でも入手できる公式調査結果に基づいているため、非エンジニアでも再現・応用しやすい点も付加価値です。

3. 夏季 vs 他季における訪日客動向比較レポート

企画概要: 夏の観光シーズンと他の季節で、訪日外国人客の動向や行動パターンにどのような違いがあるかを分析するレポートです。年間を通じて訪日客数の多い国でも、夏に特に増える国・減る国が存在します。本レポートでは、月別データを用いて夏季(主に7~9月)の訪日者数や旅行消費額の特徴を洗い出し、春や秋との比較を行います。例えば、欧米豪からの旅行者は夏に集中する傾向や、逆に旧正月休暇で冬にピークがある東アジアからの客との違いなど、季節による訪問傾向の差異が明らかになります。観光事業者にとって、シーズナリティを踏まえたマーケティング計画(夏に増える国を狙った集客施策等)に役立つ内容です。

活用する主なオープンデータ: JNTOが公開している月別・国籍別の訪日外客数jnto.go.jpが主要データソースです。2003年以降の国別月次データjnto.go.jpを活用し、各国市場の季節変動を可視化します。また観光庁の「訪日外国人消費動向調査」から季節別の旅行消費額や旅行目的の違いに関する統計も利用します。例えば、夏季と冬季で外国人旅行者の支出内訳(宿泊費やレジャー費用)の違いや、訪問先のエリア傾向(避暑地や祭り開催地への訪問増加など)を示す公開データがあれば併用します。月次の訪日客統計は誰でもダウンロードできるため、ユーザー自身で最新データに差し替えて更新分析することも可能です。

中略

4. 東南アジア・新興市場インバウンド分析レポート

中略

活用する主なオープンデータ: JNTOの国別訪日者統計statistics.jnto.go.jpを用いて、主要新興国の訪日客数推移や季節傾向を把握します。例えば近年ベトナムやインドからの訪日客が年率何%増で推移しているかを公開データから算出します。また、観光庁の「訪日外国人消費動向調査」や観光白書などに掲載されている国別データから、新興市場の旅行者の旅行目的や消費傾向を抽出します。必要に応じて各国政府や国際機関の公開統計(例:各国の海外渡航者数、ビザ発給数)も参照し、日本への関心の高まりを客観的データで示します。いずれのデータもウェブ上で誰でも入手可能な統計情報です。

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5. 地方空港インバウンド拡大レポート ~国際線就航と地域観光への影響~

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活用する主なオープンデータ: 法務省出入国在留管理庁が公表する「港別入国外国人数」の月次統計jnto.go.jpが主要データとなります。これにより各空港ごとに何人の外国人旅行者が入国したか把握できます。また国土交通省の航空統計(空港別旅客数)や観光庁の地域別訪問者数データを組み合わせ、空港利用者の地域滞在傾向を分析します。例えば、新規就航路線が開設された空港では外国人宿泊者数がどれだけ増加したかを「宿泊旅行統計調査」の地域別データから検証します。いずれも公開データであり、非エンジニアのユーザーでもエクセル等で扱いやすい形式で提供されています。

以下

6. 訪日客の消費行動・支出分析レポート
7. 訪日客に人気急上昇中の地域・観光地レポート
8. リピーター vs 初訪日客 行動比較レポート
9. 訪日外国人旅行者の移動手段利用傾向レポート
10. 訪日客の情報収集・旅行計画動向レポート

だそうです。


今回、バージョンアップされたGemini君も、ChatGPTと同等かそれ以上のことができると思い、あれこれ聞いた上で、東京都のオープンデータカタログから、おもしろいと思われる飲食店関連の登録のデータをCSVでもらってきて、新宿区と港区で対比させてみました。最初はあまり意味のない比較をしていましたが、ちょっと指示をしてやったところ意味のある分析が出てきました。(この辺、意味論的なセンスのある分析テーマの提案が欲しいところ)

新宿区と港区で店舗数が多い飲食店名。青が港区(バーのチェーンなんでしょうか?)、水色が新宿区。
喫茶店ルノアールはやはり強いですね。
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