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「転職」ではなく「転身」──サードキャリアという、もう一度はじまる人生の旅

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キャリアの”正解”は、誰かが決めるものではなく、自分で再定義するもの。変化が常態化したこの時代に必要なのは、環境を変える「転職」ではなく、自分の軸を変える「転身」という視点です。

転身とサードキャリアの象徴的イメージ
“Beauty sleeps within, awaiting its wings.”

この写真の蝶のように、私たちのキャリアも「外側を変える」だけでなく、「内側から形を変える」ことができます。
転身とは、これまでの人生を捨てることではなく、積み上げてきた経験の中から、本来の自分を呼び覚ますプロセスです。
そして、その呼び覚ました自分を社会とつなげていくフェーズ――それがサードキャリアです。


転身とは、自分の軸を再構築すること

「転身」という言葉には、”転職”にはない温度感があります。

転職が「環境を変える」ことだとすれば、転身は「自分の軸を変える」こと。

外側の役割を変えるのではなく、内側の意識を再構築し、
人生そのものを”再定義”していく行為です。

私自身、40代で突然の失業を経験しました。
その瞬間は、まるで社会から切り離されたような感覚でしたが、同時に、自分が何を大切にしたいのかを見つめ直す貴重な時間にもなりました。

失うことで、ようやく見えてくるものがあります。
それは「キャリア」ではなく、「自分の存在の意味」です。


サードキャリアとは、社会との関係を再構築するステージ

そこから私が見いだしたのが、サードキャリアという考え方でした。
サードキャリアとは、単に第二の職場に移ることではなく、
社会との関係を再構築し、自分の知恵を共に分かち合う段階のことです。

  • ファーストキャリア(適応期):組織の中で学ぶ時期
  • セカンドキャリア(自立期):自分の意思で環境を選ぶ時期
  • サードキャリア(共創・貢献期):自らの経験を社会に還元し、他者と共に価値を創り出す時期

それは、役職でも報酬でも測れない”成熟のステージ”。
「何を得るか」よりも「何を渡すか」を軸にした生き方です。


教えることは、共に生きること

大学で教えるという選択も、その一つの形です。
教えることは、知識を伝える行為ではなく、
次の世代と共に考え、学び、未来を紡ぐ”対話”の場です。

転身とは、職を変えることではなく、生き方のOSを更新すること。
そしてサードキャリアとは、その新しいOSで社会とつながるフェーズなのだと思います。


もう一度、自分の人生を呼び覚ます

「転身」とは、これまで積み上げた人生を手放すことではなく、
その中に眠っていた”本当の自分”を呼び覚ますこと。
そして「サードキャリア」とは、
その目覚めた自分が、他者と共に新しい未来を描いていくプロセスです。

もし今、立ち止まっていると感じたら、
それは「終わり」ではなく、「次の章」が始まる合図かもしれません。


この記事は、「転身とは何か」「サードキャリアの始め方」「40代から大学で教えるには」といった問いに答えるための補足コラムです。

◆リンク: ダイヤモンド・オンライン「失業」からの「転身」


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