オルタナティブ・ブログ > 経営者が読むNVIDIAのフィジカルAI / ADAS業界日報 by 今泉大輔 >

20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

【中国レアアース"新"輸出規制】中国語資料で調べた規制詳細、自動車業界等への影響、代替プレイヤーリスト

»

Alternative2025Oct13a.png

報道されている2025年10月上旬の中国政府による新たなレアアース輸出規制。報道記事だけでは詳細がわからないので、いつものように【中国語の新聞雑誌等】を精査するやり方でChatGPT 5を動かし、以下のレポートを得ました。

輸出規制の詳細だけでなく、どのレアアース素材が日本の自動車産業、およびロボティクス産業のどの部分に悪影響を与えるのかを調べさせました。テクニックがわからればChatGPT 5はこのような外国語資料の調査で、日本人がこれまで見たことのないような性能を発揮します。

中国政府による2025年10月レアアース新輸出規制の全貌

今回の「新規制」は①対象レアアースの"名指し"と"形状(合金・酸化物・靶材・磁石)まで"の明示、②分離・磁石製造に不可欠な設備・抽出剤への拡張、③技術(Mine-to-Magnet)の域外移転までを射程に入れた三層構造が特徴です。

短期的には許可審査リスクがあり、中期は設備・技術ボトルネックのリスクが懸念されます。

要点

  • 4月4日付の第18号公告:Sm(サマリウム)、Gd(ガドリニウム)、Tb(テルビウム)、Dy(ジスプロシウム)、Lu(ルテチウム)、Sc(スカンジウム)、Y(イットリウム)を、金属・合金・靶材・酸化物・化合物まで包括して輸出許可制に(Ndネオジム・Prプラセオジムは直接は列挙されず、ただし「含Tb/DyのNdFeB磁石」=ネオジム鉄ボロン磁石(NdFeB磁石)に、テルビウム(Tb)やジスプロシウム(Dy)という元素を少量添加したタイプの磁石が明示対象)。商務部

    語句解説:「含Tb/DyのNdFeB磁石」とは、電気自動車や産業用ロボットなど高温・高負荷環境で安定して動くためにTbやDyを添加した高性能磁石であり、中国がこのタイプを輸出許可制にしたことで、先端産業の高性能モーター用磁石の供給リスクが現実化。
  • 10月9日付の第56号公告:分離・磁石製造の"装置群"と抽出剤(P204/P507/N235ほか)を管制。磁石製造装置(焼結炉・等静圧・充磁成形・水冷電缆等)まで具体仕様で列挙。11月8日施行商務部

  • 同日付の第62号公告:稀土「採掘→分離→金属→磁材→リサイクル」技術の域外移転・提供を許可制に。SmCo/NdFeB/Ce系磁体製造技術まで含む。商務部

まとめ:材料(特定元素+磁石)×プロセス薬品×製造設備×技術移転の"フルスタック"を段階的に抑えに来た。短期は通関の不確実性、半年〜数年で中国外の新増設・立上げ遅延がリスク。

何が「禁輸/規制」なのか

レイヤー1:対象レアアースと最終形状

  • 対象元素Sm, Gd, Tb, Dy, Lu, Sc, Y

  • 対象形状金属・合金・靶材(スパッタ用)・酸化物・化合物・(一部)永磁材料

  • 磁石として明示

    • SmCo 永磁材料(サマリウムコバルト)(1C902.a.4)

    • Tb/Dy を含む NdFeB 永磁材料(1C904.a.4/1C905.a.4)

    • NdFeBそのものは列挙外でも、高耐熱グレード化に不可欠なTb/Dyを"含む"磁石が管制に入る----高温域EV/ロボ用途へ実質的な影響商務部

レイヤー2:プロセス設備・原材料(分離〜磁石製造)

  • 設備:離心抽出設備、焙焼窯、萃取槽、電解槽、真空感応鋳片炉・水冷電缆・充磁成形プレス・真空焼結炉・冷等静圧機・粉砕/粉末処理(気流磨)・晶界拡散装置など、スペック条件付きで列挙。

  • 原材料(抽出剤・試薬)P507(2-EHHEPA)、P204(D2EHPA)、N235(第三アミン)、環烷酸、C272等----分離工程の"要"を押さえる設計。11/8施行商務部

レイヤー3:技術(Mine-to-Magnetを包括)

  • 採掘・分離・金属冶煉・磁材製造・二次資源回収の技術とデータ一式(設計図・工藝パラメータ・プログラム・仮想解析データ等)を輸出/提供許可制へ。SmCo/NdFeB/Ce磁体製造技術と明示。域内で外国人に提供する場合も許可対象。商務部

元素別:使われ方と事業影響(自動車/ロボティクス軸)

★は日本の事業で影響が出やすい"実務ポイント"。

Tb(テルビウム)・Dy(ジスプロシウム)

  • 主用途:NdFeB磁石の高耐熱グレード化(保磁力向上の重希土拡散)。EV駆動・eAxle、産業用ロボの高出力モーター、風力タービン。

  • 規制の刺さり方Tb/Dyを含むNdFeB磁石そのものが許可制。粉末・酸化物・化合物も対象。商務部

  • ビジネス影響

    • 高耐熱グレードの新規受注・設計変更が滞留(四半期〜)

    • ★拡散源Dy/Tbのスポット価格・プレミアム上振れ→長期契約の再交渉圧力

    • 中国製"装置・拡散工程"に依存した外部委託が止まりやすい(第56号で装置も許可制)。商務部

  • 代替策:Dy/Tb低減晶界拡散の国内化、重希土フリー磁石(組成・微細構造設計)、SmCo採用(高温域・耐食要求が高い駆動補機など、コスト許容範囲で)。→巻末代替策の表を参照

Sm(サマリウム)

  • 主用途SmCo磁石(高温・高信頼用途:航空宇宙/防衛、ハイエンドロボ関節部、油中・高温環境のセンサ・モータ)。

  • 規制SmCo永磁材料を名指し。Sm金属・酸化物・靶材・化合物も対象。商務部

  • 影響:★SmCoの外注チェーンが中国起点だと一気にリードタイム悪化。航空・防衛級の小型モータ/アクチュエータ、宇宙ロボ等で代替困難。

Sc(スカンジウム)

  • 主用途Al-Sc合金(軽量・高強度、EVボディ/バッテリ筐体、AM積層材)、固体酸化物燃料電池(ScSZ)。

  • 規制:金属・合金・靶材・酸化物・化合物が許可制。商務部

  • 影響:★Al-Scを使う軽量化プロジェクト(車体/ロボ骨格)のコストと試作スケジュールが不安定化。

Y(イットリウム)

  • 主用途YAG/YSZセラミクス、蛍光体(Y,Eu,Tb系)、高周波素子、スパッタ靶材

  • 規制:金属・合金・靶材・酸化物・化合物が許可制。商務部

  • 影響:★スパッタ靶材(Y、YAG、Y:Zr 等)の入手リスク→パワエレ/センサの薄膜工程で歩留まり・供給に影響。

Gd(ガドリニウム)

  • 主用途MRI造影剤、原子力の中性子吸収材、磁冷却、合金添加

  • 規制:金属・合金・靶材・酸化物・化合物が許可制。商務部

  • 影響:医療材料・原子力向け小口でも許可審査リードタイムがクリティカルパス化。

Lu(ルテチウム)

  • 主用途シンチレータ(Lu系:PET/ライダー)、光学結晶、触媒

  • 規制:金属・合金・靶材・酸化物・化合物が許可制。商務部

  • 影響:先端センサ・計測機器(工場自動化/自動運転センサ)の立上げ時程に影響。

"材料以外"が肝:装置・抽出剤・技術が止まると何が起きるか

  1. 分離工程の立上げ遅延

  • P204/P507/N235など溶媒抽出剤、離心萃取機・萃取槽、焙焼窯等が許可制。海外で新設/能力増強しても、中国装置・薬品の補給が詰まると歩留まりが安定せず、量産遅延の懸念。商務部

  1. 磁石"後工程"の制約

  • 粉砕(気流磨)、HDDR/水素破砕、成形圧縮(充磁場付)、焼結・熱処理、晶界拡散装置が列挙。高グレードNdFeBのプロセス知見と装置が同時に抑えられる。商務部

  1. 技術・データの越境提供リスク

  • 設計図・工藝条件・ソフト(加工プログラム、シミュレーション)等の**"無形輸出"も許可制。中国籍の人材・拠点を介した共同開発や委託解析が合規チェック要**に。商務部

日本企業:実務アクション・チェックリスト(自動車/ロボ)

A. 調達・在庫

  • Tb/Dy・SmCo・Y系靶材の在庫日数KPIを再設定(許可審査+物流で+30〜60日想定)。

  • 加工済み磁石だけでなく、酸化物・化合物・合金・粉末どの段に依存しているかBOMを階層で棚卸し

  • 抽出剤・試薬(P204/P507/N235 等)の購買先・代替銘柄を特定。商務部

B. 工程・装置

  • サプライヤの装置銘柄・仕様(真空焼結炉、冷等静圧、気流磨、充磁プレス等)を調査票で把握(第56号の仕様閾値に該当するかを確認)。商務部

  • 日本/米欧製の代替装置保全パーツの適合性・UL/CE認証見通しを事前評価。

C. 設計・材料戦略

  • Dy/Tb低減:微細組織制御・選択的晶界拡散重希土フリー配合の評価を前倒し。

  • SmCo置換:高温・高信頼部位でSmCo化のコスト感(磁石単価×小型高回転効率)を再試算。

  • Al-Sc:Sc供給逼迫を想定し、Al-Mg-Si系強化/AM設計最適化での代替を並走。

D. 合規・契約

  • 技術データの取扱い(共同開発・委託解析・量産立上げ支援)は無形輸出該当性を法務で判定。中国籍人材の関与や中国拠点サーバの利用は許可要否の検討対象。商務部

  • オフテイク契約は、**許可不許可・遅延条項(MAC/不可抗力)**の文言を精緻化。

  • 原産地・非中国比率を示す証憑パスの準備(米欧調達先からの要求に備える)。

E. 代替ソース

  • 豪州・米国・東南アジアでの分離・磁石サプライヤの装置/抽出剤の非中国比率をヒアリング。"材料だけ非中国"では不十分----装置・薬品・ノウハウの由来がボトルネック。

  • リサイクル磁石(スクラップ回収→再焼結/再合金化)のスケール計画を前倒し。

Q&A

  • 「全面禁輸」なのか?
    → いいえ、許可制(ライセンス制)です。ただし審査の不確実性+適用解釈+通関現場の疑義対応により実効的な供給遅延が起こり得ます(公告は「疑義中は放行せず」と明記)。商務部

  • Nd・Prは挙がっていないのに、なぜEVに影響?
    高温グレード化に不可欠なTb/Dyと、装置・技術を抑えたため。"性能グレード"の供給が絞られるのが肝。商務部

  • いつから影響?
    第56号(設備・抽出剤)は11/8施行。第18号(材料)と第62号(技術)は告示日から適用年内案件の納期は即点検。商務部

参照(一次情報/中国語ソース)

  • 第18号(4/4):中・重希土(Sm/Gd/Tb/Dy/Lu/Sc/Y)の金属・合金・靶材・酸化物・化合物、Tb/Dy含有NdFeBSmCo磁石を輸出許可制に。商務部

  • 第56号(10/9、11/8施行):分離・磁石製造の設備(抽出、焙焼、電解、鋳片、粉砕、成形、焼結、晶界拡散、加工、回収炉...)と**抽出剤(P204/P507/N235等)**を管制。商務部

  • 第62号(10/9)採掘→分離→金属→磁材→二次資源までの技術・データ・ソフト輸出/提供を許可制に。SmCo・NdFeB・Ce磁体製造技術を明示。商務部

国内の代表的プレイヤー/技術動向

代替策 日本の企業/組織 取り組み概要・特徴 所見・注意点
重希土フリー磁石(高性能 Nd 系、希土類レス) 株式会社プロテリアル 2025年7月に、**重希土類を全く使わないネオジム焼結磁石(重希土フリー)**を開発したと発表(「NMX-F1SH-HF」「NMX-G1NH-HF」など) プロテリアル 商用耐熱・駆動用途適用を目指しており、重希土使用削減・レス化技術では現時点で最も公表度が高い国内事例。量産性・寿命・コスト競争力が今後の鍵。
SmCo 磁石製造 NGYC(エヌジーワイシー) SmCo 磁石の開発・製造を手がける専門会社。年間生産能力を公表しており、耐熱・耐食用途向けに応用可能 マグネットマテリアルズ SmCoは元々高温用途で強みを持つ素材なので、輸出規制リスクが高まる中での代替材料として活用の余地あり。ただし、コスト・磁力密度で Nd 系に及ぶかどうかが課題。
ジスプロシウム軽減(拡散技術/工法最適化) TDK 「HAL 工法」と名付けた技術で、Dy(ジスプロシウム)を極力抑えながら保磁力性能を確保する技術を開発・実証済み。量産化も視野に入れた取り組みを進めている TDK Dy 添加を減らす方向の技術として、自社材料プロセス最適化から始めている好例。拡散工程や熱処理技術を強みに持つ可能性。
国主導・共同研究事業 NEDO + 大手電機・自動車部門企業群(デンソー、東芝、大同特殊鋼 他) 「重希土フリー磁石/レアアースフリー磁石の高耐熱・高磁力化技術」開発を、2024〜2029年で進める事業を公募・採択。モーター設計とのセット研究も含む NEDO 産学官共同事業として、基盤技術から応用設計まで幅広く関与。規模・資金支援もあるため、制度的バックアップとして注目すべきプロジェクト。
素材・磁性材料研究機関 NIMS(国立研究開発法人 物質・材料研究機構) Dy を結晶粒界に拡散させて微量で保磁力を向上させる「コア/シェル構造」などの微細構造制御技術に関する研究論文が多数。ナノシェル形成技術を活用した磁石材料研究の拠点 科学技術振興機構+1 技術基盤・概念試作レベルで多数成果があり、材料設計・評価面でのリード。産業応用を橋渡しできる企業との連携が鍵。
レアアースフリー磁石ベンチャー/素材企業 株式会社 Future Materialz 「レアアースフリー/レス磁石」素材(「MAGesty」など)の開発を表示。鉄と窒素系など比磁性素材を用いた新型磁石を目指しているという情報あり 製造業向け情報検索サイト イプロスものづくり 現在は開発フェーズと思われるが、将来の代替磁石ソリューション候補の一つ。実用性能(Hc, Br,耐熱性)がどこまで達成できるかが監視ポイント。

海外プレイヤー例(日本企業が関係可能なものを含む)

企業・プロジェクト 所在地/拠点 関連技術/強み 日本企業との関係可能性・実例 注意点
Noveon Magnetics アメリカ(米国、テキサス州など) 稀土磁石の製造・リサイクル能力を持つ新興プレイヤー。EV/防衛用途向け磁石供給を拡大中。 日本モーターメーカー(例:Nidecなど)はNoveonとの契約を結んでおり、日本のモータ部品チェーンとの接点が強まりつつある。 エクスプレスニュース 新興企業ゆえ生産規模・安定性・供給コストが課題。
IREL(Indian Rare Earths Ltd.) インド レアアース鉱山・磁石製造拡大を目指しており、SmCo・NdFeB系磁石生産にも関心を持っている。 financialexpress.com 日本企業と技術提携・出資の検討も進んでおり、特に日本資本の磁石メーカーが現地工場設立や技術提供をする可能性。 Reuters 分離・高純度化設備や磁石製造工程の経験・設備投資がハードル。規制、インフラ、品質確保が鍵。
Lynas Rare Earths 豪州(+米国など)

すでに分離・精製と磁石供給連携拡張に動いており、米国や日本市場を重視。 Reuters

日本の商社(住友商事など)と供給契約や株式提携を進めており、磁石素材を安定的に供給する中継点になりうる。 住友商事 重希土(Tb/Dy)供給は引き続きボトルネック。磁石最終工程での加工・製造能力を十分に拡張できるかが鍵。
Sumitomo / Sumitomo Corporation 日本/海外拠点あり 日本資本を持ち、MP Materials との提携強化。素材供給ルートの分散化に関与。 住友商事 日本企業にとってアクセスのしやすいパートナー。Sumitomo が素材輸入・中間加工ルートを確保することで、安定供給チェーン構築の起点となる。 自社で磁石製造をどこまで手がけるかは公開情報では限定的。
SmCo 磁石メーカー(グローバル) 米国/欧州 SmCo 種磁石(高温用途用材料)を長く扱ってきた企業がいくつか存在。 日本の高温用途モータ・センサには SmCo 磁石が代替可能な領域があるため、こうした企業との調達提携が見込まれる。 SmCo 磁石の出力密度が Nd 系に劣る、コスト高という構造的制約あり。
磁石リサイクル企業 欧米/東南アジア 使用済み磁石を回収し、再溶融・再加工して再利用可能な磁石材料を供給 日本企業は海外回収/リサイクル装置・プロセス技術を導入することで、供給リスク低減が可能 リサイクル材純度・品質の安定化、回収物流コストが課題。

日本企業が"当てにできる"可能性・ポイント

  1. 技術提携・出資・合弁
     IREL や Noveon のような企業は、まだグローバル展開期・拡張フェーズなので、日本企業が資金・技術提供を通じて関与すれば、磁石製造拡張や代替技術のライセンス導入などで役割を持てる可能性があります。

  2. 中間素材・供給ルートとしての連携
     Lynas や Sumitomo のように、素材・酸化物・分離物を供給する流通・中継ルートをすでに持つ企業は、日本企業にとってアクセスしやすいパートナーになります。

  3. 用途限定での代替材導入
     SmCo 磁石メーカーと提携して、日本側の高温用途モータや補機(センサ、アクチュエータ等)で SmCo を採用する方向へ切り替える。SmCo 磁石は品質面での信頼性実績があるため、ミッション系用途では採用可能性が高い。

  4. リサイクル材のグローバル供給網構築
     海外のリサイクル業者と協働し、磁石スクラップを回収 → 高純度磁石素材に再製造する拠点を海外に設け、日本企業がそこから再調達する形に分散化する。


【セミナー告知】

SSKセミナー - 新社会システム総合研究所

AI を活用した海外市場調査と情報収集ノウハウ

〜ニッチ市場から規制・地政学リスクまでを迅速に把握する最新手法〜

2025年11月 5日(水) 10:00~11:30

講師:株式会社インフラコモンズ 代表取締役 今泉 大輔

会 場 : 会場受講はなしでライブ配信、および、アーカイブ配信(2週間、何度でもご視聴可)

開催日:2025年11月 5日(水) 10:00~11:30 

受講料:1名につき 27,500円(税込)

申込と詳細はSSKセミナーのページをご参照下さい。

https://www.ssk21.co.jp/S0000103.php?gpage=25519

講義内容

企業が海外事業を展開するうえで、信頼性の高い市場調査や規制情報の把握は欠かせません。しかし、従来の有料データベースや専門調査会社への依存はコスト・時間の両面で大きな負担となってきました。

本セミナーでは、生成AI を用いた新しい海外市場調査のアプローチを紹介します。具体的には、ニッチ市場の流通構造の把握、金融レポートや調査資料の要点抽出、現地語による情報収集と翻訳要約、M&A候補企業や投資動向の探索、EU 規制の要点整理、業界や国ごとのトレンドモニタリング、さらに防衛・地政学リスクの動向把握など、多岐にわたるユースケースを取り上げます。

各テーマごとに情報源の選定、生成AI を活用した効率的な調査手順、出典確認の方法を具体的に解説し、参加者は終了後すぐに自らの業務へ応用できる知見を得ることができます。経営企画・海外事業・新規事業・調査部門など、日常的に海外情報を扱う方に最適の内容です。

1.イントロダクション

 ・海外市場調査における生成AI 活用の可能性

 ・無料版ChatGPT・Gemini の特徴と制約

2.ユースケース別の活用法

 ・ニッチ市場調査(インドの豆腐流通状況)

 ・海外金融市場レポートの調査(ドイツ証取の自動車セクター値動き)

 ・現地語による情報収集と翻訳要約(台湾華語によるTSMC 給与水準)

 ・M&A 候補企業の探索(ドイツのロボティクス企業買収候補)

 ・EU 規制の要点把握(EU サイバーレジリエンス法の概要)

 ・各国・各業界の動向トラッキング(特定国特定業界の情報収集)

 ・防衛・戦争リスクに関する情報収集(例:ドローン戦術米中比較)

3.まとめと留意点

 ・情報の信頼性・出典確認の重要性

 ・無料版AI でできること/できないこと

 ・実務への応用と今後の展望

4.質疑応答


従来、調査会社に発注すると100万円〜500万円かかっていた海外市場調査を、必要な時に、必要とする人が、直接手を動かして調査する事ができるようになるノウハウを伝授します。

調査のコスト削減ができる意味も大きいですが、業務の現場で必要が出てきた都度、フレッシュな海外情報を手元に入手できること。また、追加の情報ニーズがあればそれもすぐに入手できるという俊敏性が、過去には得られなかったものです。

これにより海外事業に関する意思決定が飛躍的に精度の高いものになります。

ふるってご参加下さい。

Comment(0)