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【AI調査術】高市首相の「危機管理投資」日本最速のまとめ

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高市首相の所信表明演説の1つの柱である「危機管理投資」。

日経:「危機管理投資」で成長 外国人政策に司令塔

これの中身が今ひとつよくわかりません。

そこで公開資料ベースの調査なら世界最速、作成レポートのクォリティも世界トップレベルを誇るAI、ChatGPT 5(ただし有料版。無料版よりはるかに解像度が高い)を駆使して、日本最速のまとめを作成してみました。

細部はかなり手を加えています。


昨日(10月24日)の所信表明演説で、高市首相は「成長戦略の肝(きも)は『危機管理投資』だ」と明言しました。
ここでは、まずこの「危機管理投資」が何を意味するのか整理し、その背景(=これまでの発言・政策構想・設置会議)を整理します。特にあなたが関心を持たれている「成長戦略会議」や「日本成長戦略会議」の設置も押さえます。

① 「危機管理投資」とは何か

高市首相の演説・記者会見から整理すると、次のような構成になります。

  • 「この内閣における成長戦略の肝は、『危機管理投資』でございます。経済安全保障、食料安全保障、エネルギー安全保障、健康・医療安全保障、国土強靱化などの様々なリスクや社会課題に、官民が手を携えて先手を打って行う戦略的な投資でございます。」 首相官邸ホームページ

  • その投資を通じて、「我が国の課題を解決することに資する先端技術を開花させることで、日本経済の強い成長の実現を目指す」ことを掲げています。 自民党

  • 主な対象分野として、演説で挙げられているのは、以下のような領域です。 自民党

    • 経済安全保障(サプライチェーン、輸出管理、半導体・重要素材など)

    • 食料安全保障(農林水産、食料自給・国際供給網)

    • エネルギー安全保障(再エネ・次世代原子力・蓄電・代替エネルギー)

    • 健康・医療安全保障(医療体制/公衆衛生/パンデミック対応)

    • 国土強靱化(災害対策・インフラ老朽化・脱炭素化・地域分散化)

  • つまり「ただ成長=投資を増やす」ではなく、「危機・リスク(安全保障・社会保障・インフラ・供給制約)を前提に、"備え"も兼ねて戦略的に投資を行い、そのプロセスで経済成長・新技術・輸出機会を確保する」という構図です。

  • 演説では、官民の投資を誘引するため、先端技術(AI・半導体・造船・量子・バイオ・宇宙・サイバーセキュリティ等)をターゲットとして「大胆な投資促進、国際展開支援、人材育成、スタートアップ振興、研究開発、産学連携、国際標準化」といった多角的支援を行うと表明しています。

  • またこのような投資を「未来への不安を希望に変え、経済の新たな成長を切り拓く」ものとして位置づけています。

まとめると
「危機管理投資」とは、「安全保障+社会インフラ+先端技術」という"リスク・備え"という観点から、政府と民間が協力して戦略的・先手的に投資を行い、その結果として経済の"強さ"を確保・拡大していく成長戦略を指します。

② 背景・政策構想との整合性

この「危機管理投資」の文脈として、以下の点が背景として注目できます。

・成長戦略会議/「日本成長戦略会議」の立ち上げ

高市首相は演説で、次のように述べています:

「この内閣において、『日本成長戦略会議』を立ち上げます。」 自民党
つまり、この"投資戦略"を総括・指揮する枠組みとして「日本成長戦略会議」が設置されるという方針が示されました。
この会議が、成長分野・投資分野を横断的に統括する司令塔として機能することを想定しています。

・高市氏本人の過去発言・経済安全保障担当時代の立場

高市氏は過去、内閣府特命担当大臣(経済安全保障)を務めていた経験があり、安全保障・技術政策・デジタル・通信等の分野に関与してきました。
その経験を経て、今回「成長戦略=リスク管理/備えを兼ねた投資」という枠組みに落とし込んだと考えられます。
つまり、従来型の「設備投資・成長産業育成・賃上げ」だけではなく、「安全保障・供給網・社会インフラ」など"守りと攻め"の融合を図るという発想です。

・既存の成長戦略との接続

例えば、内閣官房の「新しい資本主義」のグランドデザイン(2025年改訂版)では、「賃上げ・設備投資・スタートアップ育成・イノベーションの一体的取組」などが掲げられています。

資料:内閣官房、新しい資本主義実現本部/新しい資本主義実現会議による「新しい資本主義の グランドデザイン及び実行計画 2025年改訂版」

しかし高市政権では、これに加えて「危機管理投資」という新語を使って、成長の前提となる"安全・備え"を強調した点が特徴です。

③ 実務的な意味・注目すべき論点

この新方針を技術・産業・インフラ分野から眺めると、以下のような特徴があります。

  • 官民で「先手を打つ」投資。(今泉注:詳細は不明です)

  • 対象領域として「AI・半導体・造船・量子・バイオ・航空・宇宙・サイバーセキュリティ」等が列挙されています。(今泉注:当ブログで頻繁に扱っている「ヒューマノイド」「NVIDIA AIロボティクス技術スタック」などもこの政策枠組みに含まれると思われます。)

  • 安全保障や国土強靱化という観点から、供給チェーンの強化、地理的分散、国内回帰、インフラ更新・防災・エネルギー構造改革などが重視されるでしょう。

  • 財政出動・積極財政の姿勢も示されています。高市政権では「責任ある積極財政」を掲げ、戦略的に財政出動する意向を明言。

  • 一方で、どうやって財源を確保・持続可能にするか、リスク(回収可能性・投資優先順位・政策効果)等の設計が問いとなります。

  • また「危機管理投資」という名称から、過去の単なる"成長重視"とは異なる文脈、つまり「備え」の側面(安全保障、供給遮断、災害対応、健康危機)から成長を切り拓くという転換に位置づけられるでしょう。

  • 産業界・自治体・研究機関としては、この枠組みにどう申請・参画するか、また"どの技術・サービスが国の優先分野/戦略分野とみなされるか"を早期に見極めることが重要です。

④ 留意すべき点/今後の展開

  • 「日本成長戦略会議」の具体的な体制・人選・スケジュールは現時点で詳細が公開されておらず、今後の官報・閣議決定・政策パッケージを注視する必要があります。

  • 「危機管理投資」という言葉には政策的には幅があり得るため、実施すべき投資の対象・優先順位・採算性・官民の役割分担が不透明な部分もあります。(今泉注:従来の政府による「設備投資」とは性格が異なるものになることはほぼ確実)

  • 財政出動の規模がまだ明確ではないという報道もあります。例えば、ロイター報道によれば、物価高対策+成長投資+安全保障という三本柱で規模を検討中というものがあります。 Reuters Japan

  • 成長分野が"守り"と"攻め"を融合させるものになるため、従来の"設備投資"だけでなく"安全保障・供給網・レジリエンス"を意識した設計が求められます。(今泉注:従来の政府による「設備投資」とは性格が異なるものになることはほぼ確実。しかし具体的なスキームは不明。一種のファンドのようなものを官民で創設するのか?とすれば公共インフラ整備で使われるPPP Public Private Partnershipを大枠とし、特別目的会社SPCで事業を推進する形か?SPCには官と民とが計2割を出資。残り8割は政府系金融機関等からの融資。この形であれば作りっぱなしの設備投資とは全く異なる、利潤を産む投資になる可能性はある。出資者による事業のオーナーシップが明確になるため。PPPについては弊ブログの古い資料だが、こちらのカテゴリーを参照。

  • 投資の"回収可能性"や"市場サイズ"という観点から、産業側としても「この投資はどう成長回収に繋がるか」「国内外展開・輸出可能性・標準化可能か」などを早期から検討することが望ましいでしょう。

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