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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

内部統制、それからもう1つ

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内部統制で書き忘れていたことが1つありました。それに臨む態度についてです。特にトップマネジメントがとるべき態度についてです。
自分のクライアントの米国C社は、売上高約3兆円、世界全体の従業員が5万人弱のけして小さくない企業です。SOX対応もそれなりに大規模なプロジェクトとなり、投入時間14万時間、非IT系コストが2桁億円、IT系コストもまた2桁億円に上りました。

このプロジェクトに取り組むにあたって、経営者が言った言葉が、「それがいいことだから取り組む」という非常にシンプルなものでした。法を遵守するのはよいことである。だから積極的に取り組む。この「よいこと」とは、ETを観た世代の方ならわかるたとえで言うと、ETが最後に子どもたちに向かって「Be good.」と言った、あの「Good」の語感に近いです。
それがよいことだからやる。他に理由は要らない。こういう信念で取り組むSOX対応プロジェクトには、おそらく悲壮感はなかったと思います。

ダイヤモンドの今週号の特集で唯一、よくないと思えるのは、必要以上に悲壮感を煽るきらいがないではないということです。雑誌編集を少し経験した者として、そういうトーンで特集を作りたくなるという思いは理解できます。けれども、それを真に受けると、担当者の人がほんとに大変になってしまう。

強調されるべきは、経営者が、何を考えて内部統制に取り組むのかという、その腹の底の姿勢が、このプロジェクトから果実を得るか、疲弊感を得るかの境目になるということではなかったかと思います。

われわれは米国人ではないので、米国人流のシンプルな「Good」を持ち出すことはできないにしても、遵法には積極的な意義がある、そしてこれは株式公開会社にとって企業価値の根幹に関わる財務報告書の信頼性を担保するためのプロジェクトであるといった、かなりポジティブな位置づけを与えないと、つまらないプロジェクトになるのではないかと思います。

ゆくゆくは自社の企業価値の向上に役立つ大切な作業なのだ、ぐらいの信念を自分も持つし周囲にも浸透させる。経営者はそれぐらいの旗振りをしないと、いけないのではないかと思います。

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