オルタナティブ・ブログ > 経営者が読むNVIDIAのフィジカルAI / ADAS業界日報 by 今泉大輔 >

20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

アサヒグループ、アスクルのランサムウェア関連投稿を削除しました。その理由

»

こちらのブログで、ランサムウェア被害が発生した喫緊の状況で、最新のChatGPT 5がどこまで使えるのか?というデモンストレーションとして作成・公開した記事のうち、以下の4本を削除いたしました。そのことをお断りいたします。

  • アスクルのランサムウェア被害、社内で進んでいる復旧作業を経営者向けに解説
  • 判明したアスクル物流システムで起こったランサムウェア攻撃をAIでシミュレーションする【ランサムウェア対策】
  • アサヒGHDが今行っているランサムウェア復旧作業の詳細。世界トップレベルのスペシャリストが解説
  • 【更新版】アサヒグループの出荷業務を止めたランサムウェア被害の原因:単一点障害(Single Point of Failure)

現在のChatGPT 5には、いわゆるOSINT(Opensource Intelligence)の比類なき性能が搭載されており、日本人一般が想像するよりもはるかに高い能力を発揮することができます。

例えば、ある会社Xの公開情報を全てを精査した上で、特定の事案の内容を高精度で推察するということができます。

また、ChatGPT 5自体が、エンタープライズIT全般について、数十万ページの英語最新技術資料を読み込んでおり、日本にいるどのようなITの専門家よりも、はるかに優れた分析力、提言力、対処方策提案を打ち出すことができます。

ランサムウェア対策だけでも、先日、セミナーをやらせていただきましたが、全て参加者の方に高評価をいただくことができました、優れた知見、経験、先行事例解説、実際に取引できる外国トッププレイヤーの特定と解説などなどが、ChatGPT 5を上手に活用することで引き出すことができます。

そうしたことのデモンストレーションとして上の記事を公開し、沢山の方々にお読みいただけたようなので、記事執筆の目的は果たした格好となり、昨日、削除させていただきました。

どうかご理解くださいますよう。

今泉大輔


[追記]

私が上記の投稿で行ったChatGPT 5活用のノウハウについて、簡単に記します。

  • まず、ChatGPT 5が学習している内容を自分ではっきりと知る。彼に、これこれの分野について、あなたは何を学習しており、その資料の分量はA4換算で何ページあり、かつ、シリコンバレーのITトップ企業の役職・職能名で言えば何に相当するか答えて下さい、と問う。
  • ランサムウェア被害が発生した際には、フォレンジック会社など専門家が確保できる前の段階で、何をどうしたらいいかわからないのが普通なので、彼に、素直に、状況を話して、初動のアクションプログラムを提案させる。社内ネットワークに接続する会社支給のPCでChatGPT 5を使うことが好ましくないので、私用PCで、自分用のインターネット接続回線で行う。(後から同じものを会社から支給して貰えばよい)
  • 【今泉注】その後の調査により、Qilin、RansomHouse等の世界レベルのランサムウェア事案に対処できるフォレンジック会社は、いざ被害に遭った→緊急で連絡して依頼した...という依頼には対応しないことが多いことが判明。トップレベルの国際フォレンジック会社に被害発生時に依頼するためには、リテイナー費用を定常的に支払って、緊急時に即応できるようにしておく必要=契約を結んでおく必要がある。ランサムウェア対策には日本人一般が考えるよりもはるかに多くの費用が必要。
  • ランサムウェア犯罪集団からメール等の脅迫が来ている場合は、それを読ませて、対処方法を得る。
  • 復旧作業のために社内情報システム要員、プラス、フォレンジック会社等の外部の専門家がいる状況でも、普通は、最新ランサムウェアの技術的細部がわからない状況なので、お手上げであることが多い。そういう場合に、ChatGPTは、サイバーセキュリティ関連のシリコンバレーレベルの詳細な技術資料を数万ページ学習済みであり、過去の既知のランサムウェア被害等も熟知しており、場合によっては復旧のための技術的な詳細に踏み込んだパスが示せるので素直にアドバイスを仰ぐ。

こういうことのデモンストレーションとして上の4本の記事は書かれました。

ChatGPT 5のIT実務能力は、残念ながらほとんど知られていません。

Comment(0)