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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

簡単にお答えします:【教えて詳しい人】AIによる情報共有・分析とNeeds to Knowの原則とインサイダーについて

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妹尾さん

【教えて詳しい人】AIによる情報共有・分析とNeeds to Knowの原則とインサイダーについて

でお聞きになっている事柄について、小職が答えられる範疇でお答えします。妹尾さんの疑問を解消するものになっているかどうか...。

◉小職が毎日活用しているAIは、ChatGPT Plus、Gemini Pro、時々、Grokの3つがメインで、いずれも商用版、アカウントを作りお金を支払えば誰もが使えるバージョンです。一般的に「AI」と言う場合、「アカウントを作れば誰もが使えるモノ」(以降、個人用AI)を指します。無料版を使うユーザーが多いですが、仕事で使う人は有料版を使うケースが多いと思います。

◉「アカウントを作れば誰もが使えるモノ」以外に、企業が法人契約ないし法人用契約をすることで利用できる「法人がアカウントを作れば/法人契約をすればどの企業でも使える法人用AIサービス」が存在します。これは個人用AIに対して「法人用AI」です。法人用AIの代表例がOenAIのChatGPT Enterpriseです。これは契約をすると、その企業専用のセキュリティ対策が施されたエリアが構築され、その企業の人しかアクセスできないところでもって「情報共有・分析・提案」が可能です。セキュリティ設定を細かくして、特定の部門しかアクセスできない、特定のプロジェクトメンバーしかアクセスできないと言う風にすることも可能だと思います。これが妹尾さんの質問にかなり合致したイメージのAIではないでしょうか?

◉個人用AIが答える内容は全てインターネット上の公開情報や書籍、マニュアルなど公開されている情報がベースになっています。インターネット上で公開されている情報だけでも膨大ですので、人間がGoogle検索では到底リーチできないような情報もフルに活用できるようになります。小職のブログで調査モノの投稿を集めている「ChatGPTディープリサーチ」というカテゴリーがありますが、これが世界中に存在している、しかし日本人はほとんど知らない公開情報をChatGPT等に発掘させて調査報告書に仕立てている内容です。

◉妹尾さんの中で「個人用AIが公開情報ベースでユーザーに回答している内容」と、「法人用AIがセキュリティ措置が施されたエリアで、法人内の特定の人しかアクセスできないところでもって『情報共有・分析・提案』がなされている内容」とが混在しているのだ思われます。

ということで、法人が使うAIはセキュリティ対策が施された領域で使われているのに対し、多くの人が使っている個人用AIは、公開情報ベースで物事が進んでいます。前者ではNeed-to-knowの原則が成り立つのに対して、後者はオープンな世界のAI活用です。

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