CSOがいなくても東証プライム上場企業のセキュリティ診断はできる:ChatGPT (Azure上)が伴走するやり方
ChatGPT(最新モデルの5以外でも)は「できること」の裾野が大きく、東証プライム上場企業クラスのITシステム運用でも様々な使い方ができます。ITシステム運用プロセスを分析させ、自動化できる所は自動化し、人件費が比重を占めていた運用費を5-10%削減するといったことであれば難なくできます。
AWSなどクラウドの運用部分でも、彼(ChatGPT)はAWSの技術文献を実質的に全部読み込んで頭に入っていますから、知らないことはなく、こちらの発案次第で目の覚めるようなことができます。試みに彼に確認してみると、以下のようなことができるそうです。
ChatGPT伴走で可能になる AWS活用の"7つの大転換"
1. クラウド総コストの"ブラックボックス化"解消
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現状の課題:AWSの請求は細かすぎて、経営が理解できる形でコスト構造を説明できない。
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ChatGPT伴走で可能に:
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AWS Cost ExplorerやCURデータを読み解き、「経営層向けのコスト要因分析(例:環境別/部門別/サービス別)」を自動生成。
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「ROIが見えるクラウド利用」に変わる。
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2. オンプレ移行時代の"Rehostから脱却"
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現状の課題:Lift & Shiftで終わり、クラウドのメリットを活かせていない。
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ChatGPT伴走で可能に:
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移行済みシステムを診断し、サーバレス(Lambda, Fargate)、コンテナ(EKS, ECS)への再設計シナリオを提示。
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リファクタリング優先度を明示し、運用コストを半減させるロードマップを描ける。
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3. セキュリティ"自動診断"の内製化
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現状の課題:外部コンサルに依存して脆弱性診断や設定確認を行っている。
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ChatGPT伴走で可能に:
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Security Hub, Config, GuardDutyのレポートを解釈し、**「経営に伝わるセキュリティ診断書」**を社内で作成可能。
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CSO不在でも自力で年次診断を回せる体制に刷新できる。
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4. AI活用基盤を"専門家なしで"立ち上げ
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現状の課題:SageMakerやBedrockの利用は高度すぎて、PoC段階で止まる。
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ChatGPT伴走で可能に:
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「ビジネス課題→AIワークロードへの翻訳」を支援し、PoC環境を素早く構築。
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API GatewayやLambdaと接続し、業務アプリに生成AIを統合できる。
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5. 運用自動化(AIOps)の加速
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現状の課題:CloudWatchやEventBridgeを入れても、運用担当の"気合い"頼み。
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ChatGPT伴走で可能に:
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アラート内容を自然言語で解析し、インシデント発生の因果関係を自動解釈。
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修復Runbook(SSM Automation, Lambda)を半自動生成。
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夜間障害対応の人依存を減らし、SRE化を推進できる。
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6. データ基盤の"経営ダッシュボード化"
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現状の課題:S3にデータは溜まっているが、活用されず"倉庫化"。
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ChatGPT伴走で可能に:
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Glue, Athena, QuickSightを組み合わせ、経営KPIに直結したダッシュボードを自動で設計。
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「売上分析」「在庫予測」など経営意思決定に直結するレポートを自力で提供可能に。
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7. ゼロトラスト & ハイブリッドの再設計
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現状の課題:オンプレVPN+AWS Direct Connectで"延長ケーブル"型利用にとどまる。
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ChatGPT伴走で可能に:
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IAM Identity Center, PrivateLink, WAF, ZTNA的設計を統合し、ゼロトラスト基盤を再設計。
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ということで、東証プライム上場企業が、CSO(Cheif Security Officer)を置きたくても、最適な人材が見つからない状況で、ChatGPTをCSO代わりに使って、社内のITシステム全体のセキュリティ診断ができる訳です。
なお、以下は法人がセキュリティを保持した環境でChatGPTを利用できるMicrosoft Azure上にあるChatGPTを利用することを前提としています。それ以外の環境では不可能であることをご承知おき下さい。
加えて、以下のようなAzure上ChatGPT伴走式のセキュリティ方策実施を、顧客企業と共に行うための、人間が顧客企業と伴走して以下をやり切る新しいタイプのコンサルテーションも可能になると考えています。現実的に東証プライム上場企業が以下のセキュリティ診断をChatGPTと共に行う...と言ってもそれができにくいことが想定されますから、そこに人間が伴走する形式です。ここでその「人間」役を果たす方が、ChatGPTに最大限のパフォーマンスを発揮させる方法がわからない...という場合には、小職(株式会社インフラコモンズ)までご連絡を下さい。小職があなたに伴走します。
上場企業における「CSO不在」を乗り越えるセキュリティ診断アプローチ
---- ChatGPT(Azure OpenAI含む)を活用した新しい枠組み ----
1. なぜ今、セキュリティ診断が必要か
日本の上場企業は、セキュリティ責任者(CSO)人材の確保が難しいという課題を抱えています。
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IT人材不足により、専任のCSOを採用できない
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いたとしても、給与や待遇よりも「適任者が存在しない」ことが根本的なボトルネック
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外部ベンダー任せの診断では、自社特性を反映できず「対策の押し付け」になりがち
しかし一方で、株主・取引先・規制当局はセキュリティ説明責任を強く求めているため、「診断を止めない仕組み」をどう構築するかが喫緊の経営課題になっています。
2. これまでの限界(従来型アプローチの問題点)
従来は以下のような限界がありました:
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コンサル依存:外部に頼ると「ベンダー製品導入ありき」の診断になりやすく、全社俯瞰より部分最適化に傾く。
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社内DIYの限界:IT部門が独力でチェックリストを作ると、専門知識不足で「何を用意すべきか」が不明瞭。
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報告書の翻訳問題:技術用語が経営層に通じず、「経営に伝わらない診断報告」になってしまう。
結果として、診断を開始する前段階で躓く企業が多く存在します。
3. ChatGPT活用で可能になること
ここに生成AI(ChatGPT、Azure OpenAI Serviceを含む)を導入すると、従来は不可能だったことが現実になります。
(1) 概念設計の提示
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ChatGPTは「診断の全体像」を、NIST CSFやCIS Controlsの枠組みを使って整理し、
IT部門長が経営層に説明できる言葉で提示します。 -
専門用語を平易に翻訳し、"なぜ診断が必要なのか"を経営が理解できる形に整えます。
(2) チェックリストの自動生成
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各診断領域ごとに「IT部門が何を準備すべきか」を明示(例:MFA適用率レポート、クラウド設定エクスポート、ログ一覧)。
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これにより、「何を出せば診断が進むか」が明確になり、作業が止まらなくなります。
(3) 診断プロセスの伴走
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ChatGPTは、ステップごとに「次に必要なエビデンス」「提出期限」「経営用サマリー」を生成。
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IT部門は提示されたテンプレートに沿って進めるだけで、診断が進行します。
(4) 外部依存の低減
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専門家不在でも、ChatGPTが社内の参謀役を果たし、診断を止めずに回せる。
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Azure版を利用すれば「データはAzureリージョン内で処理」されるため、コンプライアンス面の安心感も確保できます。
4. 診断プロセスの具体的ステップ
以下の詳細記述を参照。
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立ち上げ
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資産棚卸し
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脅威シナリオ化
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現行対策の可視化
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簡易ヘルスチェック
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詳細診断
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リスク集約
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是正計画
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経営報告
5. 社会的意義
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人材不足を理由に診断を諦めない仕組みが整う
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外部に丸投げせず、自社が主体的にセキュリティを語れる状態をつくれる
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上場企業が果たすべき説明責任(株主・取引先・監査対応)を、ChatGPT活用により確実に実行できる
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日本全体のセキュリティ底上げにつながる
4. 診断プロセスの具体的ステップの詳細
ステップ0. プロジェクト立ち上げ
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目的の合意:経営会議で「全社セキュリティ診断を行い、リスク把握と優先順位づけをする」と宣言。
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範囲の明確化:対象となる事業・システム(例:基幹システム、クラウド、社内IT、開発環境)をリスト化。
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役割分担:
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IT部門長=暫定CISO
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各領域リーダー(クラウド、ネットワーク、開発、運用など)=エビデンス収集責任者
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ChatGPT=診断設計・チェックリスト生成・レポート素案作成の支援
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ステップ1. 資産と情報の棚卸し
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IT部門が用意するもの:
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システム資産台帳(サーバ、PC、クラウドアカウント、SaaS、ネットワーク機器)
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利用中のソフトウェア/開発環境一覧
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データ分類表(顧客情報・財務データ・知財データの所在)
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ChatGPTの役割:
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提出資料をもとに不足を指摘
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棚卸しフォーマットを整形し、クラウンジュエル(最重要資産)を抽出する補助を行う
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ステップ2. 脅威とリスクのシナリオ化
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IT部門が用意するもの:
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過去のインシデント記録
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業界内で想定される攻撃手口(例:ランサムウェア、内部不正、サプライチェーン攻撃)
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ChatGPTの役割:
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提出された記録を要約し、脅威シナリオ化
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クラウンジュエルと脅威をマッピングし「どこを守らなければならないか」を可視化
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ステップ3. 現行セキュリティ対策の可視化
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IT部門が用意するもの:
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IAM(アカウント管理、MFA設定状況)
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エンドポイント管理(EDR/MDM導入率、パッチ適用状況)
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ネットワーク図、FW/UTMポリシー
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クラウド設定(CISベンチマークレポートなど)
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アプリ開発フロー(リポジトリ設定、CI/CD、依存ライブラリ一覧)
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バックアップ/DR計画の文書化資料
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ChatGPTの役割:
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各領域ごとにチェックリストを生成し、提出物と照合
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欠落部分を指摘し、改善が必要な「ギャップ一覧」を整理
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ステップ4. 簡易ヘルスチェック(即効3点)
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対象と手順:
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MFA適用率:管理者/全ユーザーで何%か確認
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EDR/MDMカバレッジ:未導入端末の特定
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バックアップ検証:直近の復旧テスト有無を確認
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ChatGPTの役割:
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提出レポートから診断シートを自動生成し、経営に報告可能な簡易スコアを作成
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ステップ5. 詳細診断
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IT部門が用意するもの(例):
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ログ(アクセスログ、FWログ、クラウド監査ログ)
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設定エクスポート(FWルール、クラウドIAMポリシー)
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脆弱性スキャン結果
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コードリポジトリ設定(ブランチ保護、レビュー必須設定など)
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ChatGPTの役割:
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自動診断ツール結果を解析し、リスクレベルを定性+定量評価
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経営視点で分かるように「どのリスクが最優先か」をランキング化
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ステップ6. リスク集約と優先順位付け
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ChatGPTが生成するアウトプット:
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リスク登録票(ID/概要/対象資産/脅威シナリオ/既存統制/ギャップ/リスクスコア)
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経営者向けサマリー(重大リスクTOP5、今すぐ取り組むべきアクション)
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ステップ7. 是正計画とロードマップ
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IT部門が決めること:
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各リスクのオーナー(誰が是正するか)
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是正期限(今期・翌期)
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必要なリソース(予算、人材、外部ベンダ)
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ChatGPTの役割:
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ロードマップのドラフト作成
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KPI例(MFA 100%、重大脆弱性是正率95%、バックアップ復旧成功率100%)を提案
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ステップ8. 経営報告と継続
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IT部門が行うこと:
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ChatGPTが作成したサマリーをもとに取締役会・監査役会に報告
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「毎月の進捗レビュー」で継続改善を仕組み化
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ChatGPTの役割:
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報告資料の簡潔化(A3一枚サマリー/経営用スライド)
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前回との差分を自動抽出し、改善の見える化を支援
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以上の「セキュリティ診断プロセスの伴走」は、Azure OpenAI Service上で提供されるChatGPTモデル(GPT-4o, GPT-4 Turbo, GPT-35 Turboなど)で十分に実現できます。
✔︎ Azureで実現できる点
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診断のフレームワーク設計
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Azure上のChatGPTモデルに「NIST CSFに基づいて社内診断の枠組みを作って」と依頼すれば、概念設計やチェックリストを生成可能です。
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エビデンス整理支援
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IT部門が出す台帳やログの「構造化」「抜け漏れチェック」「表形式での整理」などはAzure ChatGPTで処理できます。
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リスク登録票・経営向けサマリー作成
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Azure ChatGPTを使えば、診断結果を経営層向けに要約した報告書やリスクスコア表を生成可能です。
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✔︎ 注意すべき制約(Azure ChatGPT利用時)
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診断対象のログや設定ファイルを直接読み込ませる場合
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Azure OpenAIはMicrosoftのセキュリティ基準で運用されますが、**機密データの扱い方針(社内DLP・契約・法務確認)**は必須です。
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特にソースコードや顧客情報はそのまま外部に送信せず、匿名化やサンプル化を挟む運用が望ましいです。
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外部システムへの直接スキャン機能はなし
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ChatGPT自体が「脆弱性スキャン」を実行するわけではありません。
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実際のスキャン(Qualys, Nessus, Azure Security Center など)は別ツールで実施し、ChatGPTはその結果を整理・解釈・報告用に変換する役割を担います。
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Azure上の強み
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データがMicrosoftの契約に基づいてAzureリージョン内で処理されるため、コンプライアンス要件を満たしやすい。
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監査対応(ISO 27001、SOC、GDPRなど)を意識する上で、クラウド提供元の信頼性が担保されやすい。
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まとめ
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Azure OpenAIのChatGPTは、セキュリティ診断プロセスの設計・エビデンス整理・リスク可視化・経営報告を支援できます。
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ただし、実際のスキャンや技術的な検証は専用ツール+人間が実行 → ChatGPTが解釈と可視化を支援、という組み合わせが現実的です。