中国で深刻化する新卒就職難→日本のIT人材獲得の好機→上海北京IT人財企業視察ツアーを企画中
先ごろ日経新聞で報じられたように、1,000万人を超える規模の大学新卒人材が毎年就職市場に加わる中国において、新卒の就職難が大変な状況になっています。
日経新聞:中国版・就職氷河期「300社応募でやっと内定」 対米摩擦でさらに苦境(2025/7/15)
これはIT人材の人手不足に悩む日本企業にとっては好機です。私は外資(シスコシステムズ)に勤務していた時も、中国で教育を受けた優秀な人材が日本企業に溶け込んで仕事をしているのを見てきましたし、最近勤務していた海外市場調査会社でも小さなチームでしたが2人、中国系の優秀な人材がと共に仕事をしていました。
中国IT人材受け入れ経験が豊富な企業では別段新しさのないことですが、中国IT人材を受け入れるという発想がない企業さんにとっては、目からウロコかも知れません。彼らの学習意欲、日本の大学にはないIT実践能力の習熟度などは、BYDのSDV機能の豊富さや開発のスピードなどを見れば、また百度やテンセントなどのAI新サービスの市場投入速度を見れば、明らかです。中国IT人材の裾野は広く、人材のレベルは高く、かつ、人数が膨大にいます。
そういう中国IT人財(特に新卒)にアプローチできる道を「視察」という形で現在開発中です。つまり御社と中国IT人材供給側とのマッチングです。旅行会社はJTBになります。ベテランの日本人中国通訳が付きます。
2025年、中国では大学・大学院を卒業した新卒者が1222万人に達し、過去最多を記録しました。しかし、彼らを待っていたのは「300社応募してやっと1社から内定が出る」という未曽有の就職難です。中国国家統計局によれば、**16〜24歳の失業率は5月時点で14.9%**と、若年層の雇用不安が深刻化しています。
この背景には、不動産不況、米中貿易摩擦、そして政府によるIT企業への規制強化が重くのしかかっています。特に地方大学や二線都市の卒業生にとって、希望する職に就ける確率は年々下がり続けています。
売り手市場の日本と、買い手市場の中国
一方、日本のIT業界は人手不足が続く「売り手市場」です。経済産業省の試算でも、2030年には最大79万人のIT人材が不足するとされています。新卒採用だけでなく、中途・即戦力・外国人材の獲得競争も激化しており、多くの企業が「優秀なIT人材をどう確保するか」に頭を悩ませています。
このギャップこそ、日本と中国のIT人材市場が補完関係にあることを示しています。
日本企業は中国の「埋もれた才能」を活かせるか?
現在の中国では、プログラミング、AI、クラウド、セキュリティなどを専門に学んだ高学歴のIT人材が、国内の不況や産業構造の変化により行き場を失っています。彼らは就職のチャンスを求めており、「海外就職」という選択肢にも前向きです。
ここにこそ、日本企業が踏み出すべき「人材獲得のフロンティア」があります。
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日本語にある程度対応できる人材も多く、日本の職場文化にも順応しやすい
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就労ビザの要件を満たす**高度人材(大学卒業+ITスキル保持者)**が多数
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一度日本で働くと、定着率が高い傾向もある
弊社では「中国IT人材紹介会社」への視察ツアーを企画中
こうした現状を踏まえ、私たちインフラコモンズ株式会社では、先日ご紹介の「シリコンバレー最先端ヒト型ロボット(ヒューマノイド)視察ツアー」に続いて、中国・北京と上海の有力IT人材紹介会社を直接訪問する視察ツアーを企画しています。以下のポイントに力を入れて視察先企業の選定を急いでおります。
【視察設計のポイント】
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日本企業にIT人材を送り出している信頼性の高い人材会社、及び中国IT新卒人材を束ねる実力を持っている企業の担当者との接点作り
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中国IT新卒人材と日本のIT企業とのマッチングプロセスの理解
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中国IT新卒人材の日本語の習得状況・日本就労ビザ取得の容易性についての理解
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日本の受け入れIT企業にとって、どれほどの戦力になりうるか?(AI、クラウドの実践的な学習を済ませている新卒人材が豊富)
- 旅行会社はJTBになります。ベテランの日本人中国通訳が付きます。
- 月曜出発、金曜日帰国。第一次は9月8日出発。第二次は9月22日出発。安価な視察ツアーとして設計中。最少催行人数10名。最大20名。
【視察参加企業の業種業態】
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日本のIT企業全般。特にAIやクラウド人材を求めている企業
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日本の自動車メーカー及びティア1企業などでSDV(Software Defined Car)人材を求めている企業、及び、ADAS人材を求めている企業
- 日本の最大手企業のうち、社内でアプリケーションを開発するチームの充実を図っている企業
目的はシンプルです:
「中国の就職難 × 日本のIT人材不足」このミスマッチを、企業の競争力に変えること。
最後に──日本企業の未来を担うのは、国境を越えた若者かもしれない
日本国内での人材確保に限界がある以上、視野を世界に広げるのは自然な流れです。特に中国の若者たちは、厳しい競争の中で生き抜いてきた高い学習能力と実行力を持っています。
「売り手市場の日本」×「買い手市場の中国」──この需給の交差点に、未来のグローバルIT企業の姿が見えるのではないでしょうか。
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