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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[メモ] 旺盛な投資が続く中国の風力発電とスマートコミュニティ

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「スマートグリッド」という言葉は国によって指し示すものがかなり異なり、中国の場合は、基幹送電網から電気自動車充電用インフラまで、電気関連の新機軸プロジェクトすべてが包含されるようです。

世界最大の電力網運営会社である中国国家電網傘下の研究所が3月下旬に出していたプレスリリースによると、国家電網だけで11種類のスマートグリッドプロジェクトが動いているとのこと。うち、特に目立つものには、風力発電の拡充があります。

今年中に20GW分の風力発電が新設され、トータルで50GWになるそうです。1GWは原子炉一基分と考えればよいでしょう。
風力発電が活発化している欧州でも、昨年1年で増えたのは3GW程度。
これと比べると1年で20GWも増強している中国は文字通り桁が違います。ただ一方で、中国の風力発電は出力のふらつきを吸収する方策が未整備状態にあり、グリッドに接続されていないという話をよく聞きます。最新の状況はどうなのでしょうか。(それに関連した動向では、風力発電のふらつき吸収にはガスタービン発電を組み合わせるのが有効であるとした研究結果が出た、ということをどこかの資料で読みましたが、現在はブックマークからたどれません…。ちなみにガスタービン発電は起動が速く、出力の調整も機敏にできるとのことで、グリッド内に再生可能エネルギー発電がある場合の周波数安定用によいそうです。)

上記スマートグリッドプロジェクトの中には25のインテリジェントコミュニティないしインテリジェントビルの新設が入っているそうです。インテリジェントコミュニティとは日本で言うスマートコミュニティのことだと思われます。具体的な地名としては、北京、重慶、湖北が上がっています。

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