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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[小ネタ] 放射性物質除去技術の会社キュリオン

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最近少しけつかっちんなもので、昨日はお休みさせていただきました。また、6月23日から米国視察の仕事で1週間行って参ります。その間、ブログを更新する時間が取れなさそうなので、お休みをさせていただくことになると思います。なにとぞ、よろしくお願いします。

今日は小ネタを1つ。

福島第1原発事故から間もない4月1日に、米国の放射性物質除去技術に優れるKurionという会社が福島第1原発事故に対して、放射性物質除去のための特殊な製品を提供する用意がある、とこのブログでお知らせしました。

[特殊な伝達事項] 米国のKurion(キュリオン)という会社が福島第1原発事故の放射能除染に効果がある特殊な基材を100トン以上提供できると言っています

この当時、この会社が持つ特殊な技術と、この会社が福島第1原発事故に対応できる用意があると流していたメッセージとは、日本語になっておらず、検索しても出てこなかったので、弊ブログで日本語情報を出させていただきました。

その後、弊ブログがきっかけになったわけではないと思いますが、東電さんからキュリオンにコンタクトを取ったか、キュリオンから東電にコンタクトを取ったか、あるいは、第三者が仲立ちしたかで、4月27日時点で、ロイターに次の記事が出ました。

UPDATE 1-Q+A-What's going on at Japan's damaged nuclear power plant?

TEPCO plans to start operating in June a system to treat this contaminated water. The system, developed by Toshiba , Hitachi-GE Nuclear Energy, Areva CEPFi.PA and U.S. firm Kurion, would adsorb and isolate radioactive elements, then the treated water would be re-used to cool down the reactors.

キュリオンの製品がアレバ、東芝、日立GEニュークリアエナジーの製品などとともに使われて、放射能汚染水を処理するシステムができると報じています。
キュリオンが持っていた技術はやはり福島第1原発の放射性物質の除去に使えるものだったわけですね。すばらしい。

こんな技術らしいです(4月1日の弊ブログより)

・ISMはスリーマイル島原発事故で汚染水を浄化することに成功している。
・放射能を除染した後は基材をガラス化することができ、それにより著しく体積を小さくすることができる(運搬、保管が効率化する)。
・Kurion社は、汚染された水溶液から放射性同位体を除去できる基材を開発した。この基材は核分裂により生成されるプルトニウム、燃料損傷によるセシウム、ストロンチウム、さらには事故時に放出されるニッケル、ヨウ素、コバルト、アンチモニーなどからも放射性同位体を除去できる。
・既存の基材と異なり、Kurion社のISMは、pH、海水、表面活性剤(石けんなど)に対してほとんど問題なく利用できる。
・大量に生産できるので、原子力発電所や下水処理場のような施設における大量の水、trench(側溝)、barrier(放射能を防ぐ壁状のもの)、perimeter porous sock format(放射能のフィルターとして機能する多孔性の建材?)にも利用できる。

基材で放射性物質を吸着した後で、それをガラスで固めて運搬可能にするという仕組みらしいですね。

それで、そのキュリオンの話が今日の日経新聞に出ていましたね。
日経に出た内容に関連したキュリオン側発表の日本語記事が以下にあります。

キュリオン、福島第1原発に汚染水処理システムを納入

放射能汚染水の処理がすみやかに進むことになってよかったです。

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