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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

[特殊な伝達事項] 米国のKurionという会社が福島第1原発事故の放射能除染に効果がある特殊な基材を100トン以上提供できると言っています

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エネルギー系のニュースサイトをたまたま見ていて、次の記事を見つけました。

Kurion's ISM available to assist Fukushima nuclear clean up
(見出し意訳:米Kurion社、福島原発の放射能除染に効果ある「ISM」を出荷可能と発表)

アメリカにKurionという会社があって、放射能廃棄物や放射能に汚染された水、モノ、施設などから放射能を除去する製品を作っているようです。私は放射能については門外漢なので、「そのような製品を作っているらしい」ぐらいしか理解できません。

Kurtionの会社サイト

上の記事は、同社が出したプレスリリースが元になっているようで、エネルギー系のサイト複数に掲載されています。プレスリリースをそのまま掲出しているのでしょう。こんな感じ

以下のようなことが書いてあります。

・Kurion社は、福島第1原発の放射能に汚染された水を浄化できるIon Specific Media(ISM)という特許出願中の基材を100トン以上出荷可能だと発表した。
・ISMはスリーマイル島原発事故で汚染水を浄化することに成功している。
・放射能を除染した後は基材をガラス化することができ、それにより著しく体積を小さくすることができる(運搬、保管が効率化する)。
・Kurion社は、汚染された水溶液から放射性同位体を除去できる基材を開発した。この基材は核分裂により生成されるプルトニウム、燃料損傷によるセシウム、ストロンチウム、さらには事故時に放出されるニッケル、ヨウ素、コバルト、アンチモニーなどからも放射性同位体を除去できる。
・既存の基材と異なり、Kurion社のISMは、pH、海水、表面活性剤(石けんなど)に対してほとんど問題なく利用できる。
・大量に生産できるので、原子力発電所や下水処理場のような施設における大量の水、trench(側溝)、barrier(放射能を防ぐ壁状のもの)、perimeter porous sock format(放射能のフィルターとして機能する多孔性の建材?)にも利用できる。
・同社Chief Technology OfficerのMark Denton博士は、「福島原発における海水の使用は、放射能除染に使われる既存の有機性イオン交換樹脂の効果を失わせてしまう。KurionのIon Specific Mediaは、分子レベルで”ふるい”として機能し、放射能を吸着するので、水において放射能同位体を吸着する際にも、塩分やその他の物質の悪影響を受けない」と話している。
・米国電力研究所(EPRI)は2010年に、原子力発電所において厳密な手順で使用される既存の同位体分離基材よりも、Kurion社のISMのパフォーマンスが優れていることを認めた
(注:既存の基材は利用手順が厳格、それに対してISMはどしどし利用できるということか?)

放射能に関して門外漢なので、同社のISMがほんとうに優れているのかどうかはわかりませんが、書いてあることから判断する限りは、現在進行形で放射能に苦闘している福島第1原発において、かなり効果を発揮しそうな基材であるように思えます。

これを読んだ方にお願いしたいのは、どなたか専門家に伝えていただいて、有効なものなのかどうかご判断をいただきたいということと、仮に有効なのであれば、東京電力や政府のしかるべき方に伝えていただいて、採用の可否の判断をしてもらいたいということです。
よいものであれば、できるだけ早くに投入した方がよいでしょうから。

とりあえず、Kurion社には、日本で使う場合に(100トン以上と言っています)「空輸で持ってくるのか、船で持ってくるのか」をメールで聞いています。

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