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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

NotebookLMのポッドキャストにしてみた!SpaceXの"キャッチアームでロケットを挟む技術"

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かなり前(今年2月)にイーロン・マスクのSpaceXのAIの垂直着陸は次のような技術群を統合して実現しているのではないか?という仮説を立て、Gensparkなどに聞いたことがありました。

[仮説]

SpaceXの垂直着陸は、まず、リアルタイムでAIによって仮説を立案し、それをリアルタイムでシミュレーションし、シミュレーション結果をリアルタイムでロケットエンジンの制御に伝え、ロケットエンジン制御の結果はセンサー群によってリアルタイムで仮説立案AIにフィードバックされ...。ということを超高速のサイクルで回して、実現している。

この仮説についてChatGPTに聞いた結果を以下のブログに書きました。しかしその後の続きができていませんでした。

SpaceXの垂直着陸のメカニズムがどうなっているのかAIに聞いた - ChatGPT編

ChatGPT + ディープリサーチの回答の要約

今回、GrokのDeep SearchとChatGPT + ディープリサーチにこの時の問いを入れて、長い論文のような回答を得ました。以下はChatGPTの長い回答の要約版です。

結論から言えば、Tesla社の自動運転の技術スタックと似たものがSpaceXの見事な垂直着陸を実現していました。イーロン・マスクが設計していますから彼の「思想」が反映する訳です。


SpaceXのロケットにおけるAIとリアルタイム制御技術の統合:要約

1. 概要

SpaceXは、ロケット飛行の各段階においてAI、最適制御アルゴリズム、センサーデータのフィードバックを活用し、高精度な自律飛行と着陸を実現しています。この仕組みは、Elon Muskが率いるTeslaの自動運転技術とも思想的に共通しており、リアルタイムに仮説を生成・検証しながら制御する"自律的な飛行制御"が中核にあります。

2. 飛行制御システムの構成

  • 三重冗長なx86プロセッサで構成されたLinuxリアルタイムOSにより、飛行制御が行われる。

  • IMU、GPS、気圧計、レーダー高度計、カメラ等からのセンサーデータを融合して状態推定を実行。

  • 制御ループは数十Hzで動作し、毎秒ごとに最適なエンジン出力や姿勢制御を実行。

3. リアルタイムシミュレーションと最適化

  • 飛行中、状態に応じてリアルタイムで最適な軌道を再計算("仮説生成と検証")する。

  • 特に着陸時は、SpaceXが開発した凸最適化ソルバーを用いて、数百ミリ秒ごとに理想的なスロットルと姿勢制御を導出。

  • 高速性・決定論的動作を保証するためにCVXGENというツールで生成されたコードを用いる。

4. 適応制御とセンサーフィードバック

  • エンジン推力やグリッドフィンなどのアクチュエータは、燃料質量の変化や風の影響に応じて動的に制御。

  • センサーデータに基づいて、異常を検知した場合にはミッションを中止したり、海上着水へ自律的に切り替えることも可能。

  • Crew DragonのドッキングにはコンピュータビジョンとLIDARを併用し、完全自動でISSへ接続。

5. AIの活用範囲

  • 飛行中の意思決定には伝統的な制御理論が中心だが、

    • 着陸誘導にはAI的な自律判断(例:着地失敗のリスク時に海上回避)

    • センサーデータ解析による異常予兆検知(機械学習)

    • Crew Dragonや将来のStarshipでのビジョンベース航法 が使われている。

6. Teslaとの共通点

  • リアルタイム制御ループ、センサーフュージョン、高信頼性計算環境などに思想的共通性。

  • SpaceXは物理モデルベース、Teslaはニューラルネットワークベースだが、 両者とも「学習→フィードバック→自律判断」をコアとする点で似ている。

  • グリッドフィンの電動モーターにTeslaの技術が転用されているなど、実際の技術連携も一部に存在。

7. 結論

SpaceXは、リアルタイム最適化・シミュレーション・適応制御を融合した"AI的自律制御"により、再利用可能なロケットの自動着陸やISSとのドッキングなどを実現しています。この技術群は、将来の火星着陸や自律宇宙輸送の基盤となるものであり、AIによるリアルタイム意思決定が宇宙飛行の常識を変えつつあることを示しています。


NotebookLMで二人でしゃべくるポッドキャストに落とし込んでみた

さて、ここからが本題です笑。

これまで得たGenspark、Grok、ChatGPT + ディープリサーチの論文のように長い全ての回答、さらにGensparkの回答にあった主な出典をすべてGoogle NotebookLMに読ませて、今話題の二人でしゃべくるポッドキャストを生成してみました。

YouTubeにアップロードしたのが以下です。

YouTube: SpaceXはどうやって"キャッチアームで挟む着陸"を実現しているのか?:AI最前線ポッドキャスト01:二人でしゃべくりポッドキャスト

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この圧倒的な情報密度!NHKの科学番組のような質の高さ!もう堪りませんね。過去には戻れなくなってしまいます。NotebookLMのポッドキャスト自動生成は、生成AIの新しいカテゴリーであると言って過言ではないです。

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