1本300万円のインド市場調査を一晩でやらせるケース【経営者のChatGPTディープリサーチ】
2025/3/26追記:報告書へ飛ぶリンクがうまく機能していませんでした。大変に失礼いたしました。報告書PDFファイルをダウンロードできるnote投稿に飛ぶ形にしました。
2025/3/20 追記:英文のストラクチャード・プロンプトの内容を見直して、包括的なインド豆腐市場に関する報告書を生成するプロンプトになりましたので、タイトルの価格表記を変更しました。
新規事業立ち上げに必要な多数の調査報告書をChatGPTディープリサーチに書かせることができる
経営者こそChatGPTのディープリサーチの最大の恩恵に被ることができる方々であるということに気づきました。
私自身もサイバーエージェントさんなどからご出資をいただいて、プロフェッショナルの時間を売り買いするサービス、今で言う「スポットコンサルティング」を立ち上げようとしていた時期がありました。2009年のことでした。自分で言うのもなんですが発想は良かったと思います。あれから10年を経て実際にそれと同じビジネスが回っているんですから。しかし私の場合は時間を売る方は沢山いても、時間を買う方がほとんど現れないという、バイヤー/セラージレンマと呼ばれる課題にぶち当たってしまいました。時間の売り手は沢山現れる、つまりお金を稼ぎたい方々は沢山現れるのですが、買い手=お金を支払う方々はいっこうに現れない難題に直面しました。結局キャッシュをほとんど稼げないまま、多くの方々にご迷惑をお掛けして終わってしまいました。
ChatGPTのディープリサーチがその時使えたとしたら、起業する前に、スタンフォードのビジネススクール教授並みに企業価値向上方策が頭に入っている彼に何回となく調査をさせて、あの事業はどう立ち上がるのか調べたことでしょう。
そうです。ChatGPTは、「ディープリサーチ」をしっかりと練り込まれたプロンプトで動かすならば、新規事業の開業前に必要な種々のマーケットリサーチ以外にも、以下の諸項目について米国ビジネススクールの専門家並みの報告書を書かせることができます。事業の知見が沢山詰まった「報告書を書かせることができる新機能」だと捉えていただければ間違いがありません。
事業案のSWOT分析
資金調達手法の検討
顧客対象の特定
事業初期段階のキャッシュ創出戦術
それ以外にも新サービスの「ネーミング」の検討や、ウェブ戦略のアドバイスなどをホイホイ気軽にChatGPTから教えてもらうことができます。
夜の接待の場で得たインド市場の豆腐の話を寝る前にディープリサーチさせる
ここからが本題です(笑。ChatGPTのディープリサーチは、上場企業の経営者の方こそが使いこなすことができます。あまりに高機能過ぎて一般的なオフィスワーカーの方々では使いこなせないでしょう。
例えば次のようなケースを想定します。
経営者だと、夜の接待の場で得た情報について概観を得るために、ちょっとした調査をさせたいというケースはよくあると思います。海外事業調査の会社にいた時に、世界市場で展開するメーカーの社長直属の調査プロジェクトの話が来たことがありました。場合によっては一晩で調べて簡単なレポートを上げる即応はできるか?と。そういう調査ニーズを想定しています。
仮のケースとして、インドの大都市で日本の豆腐が売れているという情報を得て、日本の豆腐メーカーの経営者がインドに進出する余地はあるのか、ファーストインプレッション的な調査レポートが欲しいとしましょう。今は夜です。寝る前にChatGPTディープリサーチにそれ用のプロンプトを仕込んでおいて、朝にはレポートが出来上がっているようにする...。
そういう場合は、筆者がリサーチャーとして積んだ経験を元にChatGPTに練り上げさせた以下のストラクチャード・プロンプトを使って下さい。必ずChatGPTのディープリサーチ機能を用いて調査執筆させて下さい。ChatGPTの無料版では調査執筆の性能が貧弱で、腰が砕けた調査報告書が出てきます。
インドにおける豆腐の販路・流通チャネルを調査するプロンプト
You are an expert market research analyst with deep knowledge of supply chains, retail distribution, and international trade.
### **Objective:**
I am an executive conducting an in-depth analysis of **tofu distribution channels in major Indian cities**. The goal is to identify **key sales channels, major players, and competitive dynamics** in the Indian tofu market.
### **Tasks:**
1. **Tofu Distribution Channels:**
- Identify the primary **sales channels** for tofu in major Indian cities.
- Analyze the role of **supermarkets, convenience stores, online grocery platforms, and restaurants** in tofu distribution.
2. **Supermarket Retail Presence:**
- Investigate whether **major Indian supermarket chains** (e.g., Big Bazaar, Reliance Fresh, Nature's Basket) stock tofu.
- Provide insights into the **availability, pricing, and shelf positioning** of tofu products in these retail chains.
3. **Online Grocery Market:**
- Examine the **online distribution landscape** for tofu in India.
- Assess the presence of tofu on **e-commerce platforms** such as Amazon India, BigBasket, and Swiggy Instamart.
- Compare price points and availability between different platforms.
4. **Competitive Analysis: Japanese vs. Local Tofu Brands:**
- Identify key **local tofu manufacturers** and their market positioning.
- Compare **Japanese-imported tofu vs. locally-produced tofu** in terms of price, branding, and consumer preference.
5. **Domestic Production & Import Analysis:**
- Research **major domestic tofu production hubs** within India.
- Identify if tofu is **imported** and, if so, list the **top exporting countries** supplying tofu to India.
### **Output Requirements:**
- The final **report must be written in Japanese**.
- The report should be structured as follows:
- **Executive Summary:** A concise summary of key findings and strategic insights.
- **Tofu Distribution Channels**
- **Supermarket Retail Presence**
- **Online Grocery Market**
- **Competitive Analysis: Japanese vs. Local Tofu Brands**
- **Domestic Production & Import Analysis**
- **Strategic Recommendations**
- Ensure the insights are **comprehensive, data-driven, and actionable** for business executives.
### **Mandatory Copyright Notice:**
At the **end of the report**, include the following copyright notice exactly as written below:
"© 2025 インフラコモンズ株式会社 今泉大輔 "
このChatGPT用ストラクチャード・プロンプトをChatGPTディープリサーチで走らせると、非常に優れたインドの豆腐販売チャネルに関する詳細な報告書が出来上がります。以下の画像がそのサンプルです。またこの調査報告書の現物をウェブに置きました。画像の下のリンクで中身をご覧いただけます。出典へのリンクも含んでいる大変に便利な報告書です。
ムンバイにおける豆腐の販路調査報告 (ChatGPTディープリサーチが生成した報告書のPDFをダウンロードできるnote投稿です)
この優れた報告書がたった一晩でできるのです。寝る前に「あ、あれを調べておこう」と思ったその内容が、適正なストラクチャード・プロンプトがありさえすれば、ChatGPTディープリサーチで一晩...正確に言えば15分前後で、報告書が手元に来ます。しかもありがたいことにインド市場に関する調査が日本語で読めます。(ChatGPTの中では英語で調査報告書を書いています。それを出力する時に日本語にします)
これをもし海外市場調査の会社に発注したとすると、発注プロセスが最短でも1週間。金額はおおむね300万円。それが一晩で、ChatGPT Plusコースの料金ひと月20ドルだけで入手できるのです。
すごい時代になったものです。
この関連の記事をこれから上げて行きますので、どうぞお付き合い下さいませ。