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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

日立受注の英国都市間高速鉄道、現地生産を大歓迎

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日立が受注した45億ポンド(約6,000億円)の英国都市間高速鉄道プログラム(Intercity Express Programme)が動き始めました。

(後記:正しくは、現時点で日立の現地法人Agility Trainsは英国政府が選定したPreferred Bidder=優先交渉権獲得者であり、未だ正式受注はなされていません。日立の3月2日付プレスリリースを参照。しかしながら、現実的には受注本決まりとして英国メディアなどが報じています。)

去る5月26日、日立の鉄道車両工場建設が予定されているDurhamで車両部品供給企業向け説明会が開催され、1,800名以上の関係者が出席して大盛況だったと報じられています。

The Northern Echo: Firms rush to sign up for Hitachi showcase
Greeen Wise: Eco-friendly trains to be manufactured in UK
Financial Times: Train-making back on track

40カ所の建設候補地から選定されたDurham郡Newton Aycliffeは元々、ジョージ・スチーブンソンが世界初の蒸気機関車を製作した土地。1825年から1984年にかけて機関車・車両の生産が行われており、現在も残っているレールは日立の新型機関車・車両のテストや納入にも使われます。

日立が車両工場をこの地に建設することは、英国から生まれた鉄道生産が日本を経由して発祥の地に帰ってきたと好感されているようです。これにより直接的な雇用が500名見込まれているほか、部品等のサプライチェーンで数千名の雇用が生まれる可能性があります。英国北東部では1986年の日産に続く久々の大型工場進出となります。

日立はここを拠点として、英国内の他の路線の受注を狙うほか、欧州市場での受注も狙います。

フィナンシャルタイムズによると、英国政府が都市間高速鉄道プロジェクトに投じる45億ポンド(約6,000億円)は、20年超の期間で見ると、48倍の経済的見返りを生むと試算されており、日立の英国鉄道進出は大いに期待されています。

日本からすれば、一見、雇用流出と捉えられるかも知れませんが、英国政府にとってこの鉄道投資は決して小さなものではなく、清水の舞台から飛び降りるのに近い大英断によって実現しています(こちらも参照)。貴重な税金を投じる以上、相応の経済効果、雇用創出効果を求めるのは当然のことで、受注した外国企業である日立にはそのような要請があるわけです。従って、現地で生産工場を作り、現地で雇用を生むことはきわめて大切な事項となります。

国家が進めるインフラ事業はどの国の企業が受注しても、同じような雇用面への配慮が求められます。今回の日立のケースは現地における雇用創出という面で、ひとつのモデルケースとなるでしょう。

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