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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

世界のヒューマノイド(ヒト型ロボット)は日本の早稲田大学から始まった

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「ヒト型ロボット」と聞くと、何を思い浮かべますか?
HondaのASIMO、Boston DynamicsのAtlas、最近話題のTeslaのOptimus――。どれもSFの世界を現実にしようとする最先端のロボットたちです。

でも、こうした"ヒューマノイド(Humanoid)"研究の歴史は、意外にも50年以上前の日本で大きな一歩を踏み出しました。その舞台は 早稲田大学 です。

✔︎ 世界初の本格的ヒューマノイド「WABOT-1」

1973年、早稲田大学の加藤一郎教授らが開発した「WABOT-1」は、世界初の「フルスケール・ヒューマノイド・ロボット」として国際的に認められています。

特徴を挙げると:

  • 二足歩行

  • 人間のような手でモノをつかむ

  • 日本語での会話

  • 視覚・聴覚による認識

つまり、単なる産業用アームやおもちゃではなく「人間のように動き、認識し、コミュニケーションする」という、人型ロボットの基本コンセプトをすでに実現していたのです。

✔︎ BBCや英語Wikipediaも「世界初」と明記

この事実は日本の大学の自画自賛ではありません。
国際的にも権威ある英語圏のメディア・辞典的リソースでも確認できます。

こうした記述は「世界のロボット史」における日本、そして早稲田大学の位置づけを客観的に裏づけています。

✔︎ その後の進化と世界への影響

WABOT-1の成功のあとも、早稲田大学は研究を進化させました。

  • 1984年:楽譜を読みオルガンを弾く「WABOT-2」

  • 1990年代以降:生活支援ロボットHadalyシリーズ、二足歩行に特化したWABIANシリーズ

こうした研究は、日本国内だけでなく、世界のロボット研究者に刺激を与え、ホンダのASIMOやBoston DynamicsのAtlasといった21世紀のヒューマノイド研究の基盤を築きました。

✔︎ ビジネスパーソンが知っておくべきポイント

AIやロボット技術は、今や製造業、物流、介護、サービス業まで産業構造を変えるインパクトを持っています。

そんな中で知っておきたいのは:

「ヒューマノイド」というビジョンは、単なる未来的な夢物語ではなく、日本の大学研究室で50年前から着実に積み重ねられてきた現実の技術開発史を持つ

ということです。

ビジネスの世界では、こうした歴史的背景を理解しておくことが、技術導入やパートナーシップ、投資判断の際に大きなヒントになると思います。つまり、ヒューマノイドのDNAは日本にある...ということです。

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