世界のヒューマノイド(ヒト型ロボット)は日本の早稲田大学から始まった
「ヒト型ロボット」と聞くと、何を思い浮かべますか?
HondaのASIMO、Boston DynamicsのAtlas、最近話題のTeslaのOptimus――。どれもSFの世界を現実にしようとする最先端のロボットたちです。
でも、こうした"ヒューマノイド(Humanoid)"研究の歴史は、意外にも50年以上前の日本で大きな一歩を踏み出しました。その舞台は 早稲田大学 です。
✔︎ 世界初の本格的ヒューマノイド「WABOT-1」
1973年、早稲田大学の加藤一郎教授らが開発した「WABOT-1」は、世界初の「フルスケール・ヒューマノイド・ロボット」として国際的に認められています。
特徴を挙げると:
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二足歩行
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人間のような手でモノをつかむ
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日本語での会話
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視覚・聴覚による認識
つまり、単なる産業用アームやおもちゃではなく「人間のように動き、認識し、コミュニケーションする」という、人型ロボットの基本コンセプトをすでに実現していたのです。
✔︎ BBCや英語Wikipediaも「世界初」と明記
この事実は日本の大学の自画自賛ではありません。
国際的にも権威ある英語圏のメディア・辞典的リソースでも確認できます。
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BBC公式サイト
"Scientists at Waseda University in Japan built the world's first humanoid robot in 1973. They called it the 'WABOT'."
(BBC公式パートナー配信記事より) -
英語版Wikipedia(Humanoid robot)
"Waseda University ... in 1972 completed the WABOT-1, the world's first full-scale humanoid intelligent robot."
こうした記述は「世界のロボット史」における日本、そして早稲田大学の位置づけを客観的に裏づけています。
✔︎ その後の進化と世界への影響
WABOT-1の成功のあとも、早稲田大学は研究を進化させました。
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1984年:楽譜を読みオルガンを弾く「WABOT-2」
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1990年代以降:生活支援ロボットHadalyシリーズ、二足歩行に特化したWABIANシリーズ
こうした研究は、日本国内だけでなく、世界のロボット研究者に刺激を与え、ホンダのASIMOやBoston DynamicsのAtlasといった21世紀のヒューマノイド研究の基盤を築きました。
✔︎ ビジネスパーソンが知っておくべきポイント
AIやロボット技術は、今や製造業、物流、介護、サービス業まで産業構造を変えるインパクトを持っています。
そんな中で知っておきたいのは:
「ヒューマノイド」というビジョンは、単なる未来的な夢物語ではなく、日本の大学研究室で50年前から着実に積み重ねられてきた現実の技術開発史を持つ
ということです。
ビジネスの世界では、こうした歴史的背景を理解しておくことが、技術導入やパートナーシップ、投資判断の際に大きなヒントになると思います。つまり、ヒューマノイドのDNAは日本にある...ということです。