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リサーチのプロとして長いこと歩んできた今泉大輔です。ChatGPT出現以降、Facebookで「ChatGPTとMidjourneyのビジネス活用を探って行く勉強会」を立ち上げ、「ビジネスパーソンにとってのAI」の観点で米国情報を収集して来ました。知的アウトプットの質と量を向上させるプロンプトの開発にも取り組んでいます。

ASEANが4億8,000万ドルのインフラ整備基金を創設

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ASEANは昨年の成長率が7.6%もあったんですね。すごいことです。
ASEANの参加国はインドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの10カ国。人口5億7,000万人、GDP合計1兆1,000億ドル(日本の約1/4)。

本日付の日経朝刊で小さく出ていた記事「ASEAN、インフラ基金設立合意」。何本かの海外記事を確認したところ、以下が判明しました。

Jakarta Post: ASEAN to launch infrastructure fund this year
Xinhua: ASEAN Finance Ministers' Meeting ends with 3 outcomes
Bloomberg: Asean Sees “Vulnerabilities” From Inflows, Commodity Prices

・ASEANは各国が4億5,000万〜4億8,000万ドルを拠出し、インフラ整備に使える基金を創設する。マレーシアが1億5,000万ドル、インドネシアが1億2,000万ドルを拠出。
・"Infrastructure fund"という名詞を使っているが、インフラ案件で投資収益を得るいわゆるインフラファンドとは異なり、各国がインフラ整備に使える資金をプールしておくためのものだと思われる。
・アジア開発銀行もこの基金を使って整備されるインフラ案件に融資を行う。

ということで詳細はまだまだ不明です。4億8,000万ドル規模だと、政府が本格的に行うインフラ整備1〜2件で使い切ってしまう規模だと思います。民間には整備しにくいインフラの「基礎部分」に用いるのでしょうか。いずれ明らかになるでしょう。

ジャカルタポストの記事には、インドネシアのインフラニーズが記してあります。2025年にGDP世界10位入りを果たすためには毎年7〜8%の成長を続ける必要があり、少なくとも2014年までにインフラ整備に1,923兆7,000億ルピア(18.9兆円)が必要だそうです。

インドネシアのPPP法の整備状況を最近調べていますが、政府の意気込みは強いものの、PPP環境の整っている他の国と比べるといまひとつというところがあるようです。現代的なPPP案件はまだまだ少ないです。
インドネシアが外国資本を多く引きつけるようになるためには、PPP法環境の整備を急ぐ必要がありそうです。


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