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Webページ表示速度はなぜ重要か?SEO・ユーザー行動に与える影響

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Webサイトの表示速度は速ければ速いほど良い──これは多くの制作者やマーケターが共通して持つ認識です。Googleも「表示速度はランキング要因の一つである」と明言しており、遅さによって不利になることは確かです。

しかし、表示速度だけを追い求めた先に、本当に成果があるのでしょうか?この問いを出発点に、ビジネス成果につながる「表示速度と訴求力のバランス」について考えてみます。

表示速度の原則:速さは絶対的な正義

表示速度が遅ければユーザーは離脱します。これは感覚的にも、Googleのデータ(例:LCPは2.5秒未満が理想)からも明らかです。

特にモバイル環境では、数秒の違いが訪問者の印象を大きく左右します。読み込みが遅いサイトは「品質が低い」「信頼できない」といったマイナスイメージを与えがちです。

つまり、速さを犠牲にする理由は基本的に存在しません。可能な限り速く表示されることは、すべてのWebサイトの前提条件です。

速度だけではビジネスは動かない

ただし、速さだけを突き詰めると、別の問題が生まれます。

たとえば、表示速度を最優先すれば、動画や画像は減らし、アニメーションやスライダーも避け、テキスト主体にするのが最も効果的です。しかしその結果、以下のようなリスクがあります:

  • 商品・サービスの魅力が伝わらない
  • 競合との差別化ができない
  • ブランド世界観が薄れる

特に観光・飲食・アパレルなど「ビジュアルの力」で動く業界では、速度一辺倒では成果に結びつかないのが実情です。

表示速度 × 訴求力のバランスが成果を決める

本当に大事なのは、「表示速度を速く保ったまま、どれだけ訴求できるか」という設計力です。

たとえば以下のような対応。

  • 画像は減らすのではなく「軽量化」し「遅延読み込み」で対処
  • JavaScriptは使用するが「後から実行」して初期表示に影響させない
  • メインビジュアルだけに世界観を集約し、それ以降はシンプルに展開

こうした工夫で速度と訴求の両立が実現できます。表示速度を犠牲にせず、なおかつ伝える力を維持すること──そこにWeb制作の価値があるのです。

速く、伝わるサイトを目指す

表示速度は"満たすべき基準"であり、訴求力は"成果につながる設計"です。どちらか一方では不十分です。速くて、伝わる。この両立こそが、Webサイトにおける成果の本質です。

次回は、実際の事例をもとに「速度と訴求をどう両立させたか」を紹介します。

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