時間が足りない? ~1日を48時間にしてみるという思考実験
「タイパ」(=タイムパフォーマンス)という言葉を聞くようになってずいぶんになります。テレビの録画やYouTubeなどは1.5とか2倍速で見るのが当然なのだそうです。時間は人に平等に与えられた資産、という話はよく聞きますが、平等であるからこそ、その使い方で人との差別化を図りたい、と考えるのもまた人情でしょう。
しかし、「1日は24時間である」というのは、本当でしょうか?
もちろん、本当なのですが、これ、もし「明日から1日は48時間ということにします。」ということになったらどうでしょうか? 「24時間前提で動いているものはたくさんあるし、それをいちいち変えるのは大変。。」などという話は横に置いておきましょう。これは思考実験です。
会社に行くことを考えて見ましょう。もし、1日が48時間だとすると、これまで1時間かかっていた通勤は2時間になります。これはちょっと辛い(実質は何も変わっていませんが)ですが、1時間かかっていた会議は30分で済みます。「30分じゃ足りないじゃ無いか」という人もいるでしょうが、意外に「それでも良いんじゃないの?」という会議も多かったりしないでしょうか? どう思われますか?あるいは、「せっかく来て頂いたのだから、1時間くらいは時間をとっておかないと」といった配慮で行われている「ご機嫌伺い」「情報交換」も、半分の時間で済むことになります。
これまで何も考えずに、朝礼は30分とか、休み時間は15分とか、なんとなく「キリの良い数字」で考えていたものが、すべて半分になるわけです。多分、半分になったからといって問題が起きることはほとんどないのではないでしょうか。もともと根拠があるわけではないのですから。困るのであれば倍にすれば良いだけのことですし、ひょっとすると1.5倍で良いかも知れません。それでも25%の時短になります。1度試して見る価値はありそうに思えます。
習慣を変えるのは難しいものですが、時間の側(物差し)を変えることでなんとかしようという発想です。意味も無く「1時間」とか「2時間」とか設定されていた会議が、すべて自動的に半分の時間に再設定されれば、その分生産性は上がるでしょう。
なんとかスマホアプリなどでこれを実現できないでしょうか。「我社の時間」みたいなアプリを作って、全社員がそれに従って業務をこなすなど。もちろん外部とのやりとりは普通の時間で、しかし発想の単位は半分にするという感じです。AIなど使えば、結構良いものが作れるような気もします。