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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

群衆状態を遊べる同期(Twitterの本質は同期にある 3)

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Twitterは、ユーザーが目にするFollowerの発言リストを「Timeline」と読んでいて、彼らのアプリケーションの表示内容が「時間の経過」に他ならないことを示しています。Twitterはコミュニケーションのツールであると同時に「時間に関する一言で言いにくいツール」でもあるわけです。
従ってTwitterユーザー間に時々起こる同期は、Twitterの構造が生み出すごく自然な現象ということになるかも知れません。むしろ同期こそがTwitterの醍醐味である可能性があります。

 A:Twitterってどこが楽しいの?
 B:時々同期が起こるからさ。

この2週間の間にも梅田望夫氏のインタビュー記事、ブログ「ハックルベリーに会いに行く」、"Tsudaる"によって実況されたいくつかのイベント、「ペプシしそ」などに関してさまざまな同期が見られました。少し前ではいわゆる「みなみけアイコン」の流行がありました(多くの人のアイコンが短期間のうちにみなみけアイコン化しました)。

この種の同期は、インターネット上の他のコミュニケーションツールやサイトでも起こっているという意見があるかと思います。2chにおける祭り、ブログにおけるコメントやTBのやりとり、それからはてブにおけるブコメ(ブックマークコメント)の連鎖なども一種の同期です。
けれども、Twitterで同期を経験した人はおそらく異口同音に「それらとは違うんだよなぁ」と言うと思います。どこが違うのか?

ここでTwitterで発生する同期を簡単に模式化してみました。以下の図では時間は左から右に流れています。左端にオリジナル発言があり、その反響が右に行くに従って大きくなっています。

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Twitterを使っている人はこの同期が「いままさに起こっている」ということを目で見ることができます。例えば、小さな赤丸をつけた人を自分がFollowしている場合、時間が経つにつれてそれらの人の発言が自分のTimelineに表示されます。ある瞬間から反響発言が一挙に増えるため、「あ、同期が起こっている」ということがわかるわけです。

Twitterでは、左端から右端までの同期がわずか15分ほどわーっと盛り上がるというケースがあります。長いケースで数時間程度。1日ぶりにアクセスしてみたら大きな同期が終わっていたということが多々あります。そのように非常に短いサイクルで同期が起こるのがTwitterの特徴です。

はてブやブログで起こる同期はおおむね1日単位と言えるでしょう。それに対してTwitterでは分単位、時間単位の同期が起こるわけですから、その違いは大きいです。体感してみると違いがよくわかります。

またオリジナル発言とそれに影響された発言の「発言単位のサイズ」に着目すると、Twitterのもう1つの特性がよくわかります。発言単位とは「そのツールにおいて平均的な情報量を持つ1投稿」ぐらいの意味です。

ブログではオリジナルの発言単位は800字程度でしょうか。さらに画像などを含みます。これに対してコメントの発言単位は100字程度。反響が大きい時はそのサイズのコメント多数がぶあーっと膨れあがります。
ここで生じる同期は、情報量で見ると、オリジナル発言が主、反響発言が従という形になっています。一方、情報件数で見ると、オリジナル発言1に対して、反響発言Nがぶらさがる格好になっています。どちらから見ても、双方の間には大きな不均衡があります。
従って、オリジナル発言のブロガーにとっては、たとえ同期が起こったとしても、コメントを寄せた多数の人と一体感がある同期とは感じられないでしょう。オリジナル発言のブロガーから見れば、どうしても多勢に無勢という感じになります。

それに対してTwitterでは、オリジナル発言も140字以下の小さな発言単位なら、反響も140字以下の小さな発言単位というフラットな発言空間になっています。情報量の面で、オリジナルがヒエラルキーの上位にいて、反響発言が下位にいるということがありません。
また、ブログやはてブでよく起こる、1つのオリジナル発言に対して多数の批評的コメントが集中するタイプの同期はTwitterではあまり見かけません。これはオリジナル発言とコメントが1つのページにまとまる場がなく、オリジナルも反響もTimeline空間に拡散しているためだと思います。
結果として、Twitterで起こる同期は、オリジナルの人と反響の人との間に上下の関係がなく、みんなが混じり合ってその群衆状態を楽しむ、といったところがあります。

ここで、前々稿で書いた「同期のためには共通知識が必要」という点と、Twitterの発言が「物々交換のためのセルフドキュメンテーションである」という点を絡ませると、おもしろい考察ができると思うのですが、またまた時間切れです。続きは後日。

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