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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

経済報道は後追いなので

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なるべく起きがけに書くようにすると、ブログ書きのリズムがよみがえってきますね。

過去3ヶ月の世界経済の動きから、いくつかの新しい事実が浮かび上がってきていると思います。ざっと挙げると以下のようになります。

・従来、連動していないと思われていた市場や経済活動も、実はすべてがつながっており、分散投資的な発想が効かなくなっている。
・2000年以降の中期の世界経済の成長(新興国の成長を含む)は、米国の住宅バブル(=米国の底上げされた個人消費)と欧州の住宅バブル(=同じく旺盛な個人消費)が牽引していた可能性が高く、その2つがなくなってしまった現在、世界経済の成長可能性が不透明になっている。
・原油やコモディティを含む市場のすべてにレバレッジを効かせた資金が入り込んでいて、同時多発的な高騰がもたらされていたが、デレバレッジで資金が流入しなくなったことにより同時多発的な暴落となった。

ひょっとすると、過去数年の世界経済全体が上述のバブルに乗っていた可能性があり、従来の経済環境の認識を大幅に修正しないと、これからの動きが読めないという状況になっています。
そういう中で、毎日経済新聞を開くと、かなり刺激的なニュースがいくつも並んでおり、こちらが無防備にそれに接するとかなりげんなりするということになってしまいます。

そういう時に、昨日書いたようなシナリオプランニング的なことを行っておくと、今後出現しそうな事象に備えができるので、非常に有効です。シナリオプランニングの最大の効用は、予め危機シナリオを検討しておくことによって、仮にそうした事態が生じた際にも、沈着に必要な動きができるということです。

個々の職業人においても、例えば上述のような世界経済の新しい事実を踏まえて、今後起こり得る世界経済や日本経済の様々な動きをシナリオとして持っておくならば、毎朝経済新聞を開いて驚くようなことがなくなります。

経済報道は事象が発生してから、その衝撃の大きさにまず心理的に反応し、それでもって記事を書くので、どうしてもネタが誇張されがちです。大見出しになります。それを読む方は驚かされるわけです。

自分の中にシナリオがあると、経済新聞が非常に大きな見出しで報道するような経済事象も、すでに心理的な準備があるということになるので、「あぁそうか。これが来たか」と冷静に受け止められます。

そういう新しいシナリオを持っておくと、事業上の新しい好機も見えやすくなると思います。

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