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株式会社インフラコモンズ代表取締役の今泉大輔が、現在進行形で取り組んでいるコンシューマ向けITサービス、バイオマス燃料取引の他、これまで関わってきたデータ経営、海外起業、イノベーション、再エネなどの話題について書いて行きます。

昨今の金融市場 - みんながリアルタイムで同じストーリーを見ている

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先週の金融市場の動きは、バラバシが「新ネットワーク思考」で書いていたカスケード現象を思い起こさせました。カスケード現象については、Googleで「バラバシ」と「カスケード」をキーワードとして検索するといくつかの記述が見つかります。

以下、断片的なメモですが。

・コモディティも含めて世界のすべての市場が同じ動きをする状況においては、大多数の市場参加者が目に見えない巨大なネットワークを形作っていると考えられる(アテンションのネットワーク)。このネットワークが、バラバシの言う優先的選択と成長を特徴とするスケールフリーネットワークだとするなら、(トートロジー的だが)それだけネットワークが大きくなっているのは大多数の主体が優先的選択をした結果。

・優先的選択は、金融市場においては、どのような意味でも心理的な選択である(合理的な判断というものも心理的であるするならば)(アルゴリズム売買も、そのアルゴリズムを決定した際の売り買いに関する価値観は人間から出ており、つまるところ心理的なものだとするならば)。

・この目に見えない巨大なネットワークからは、視点を別な方向に向けることによって離脱することができる。言い換えれば、心理的な選択をスイッチすることによって、この狂騒から距離を置くことができるようになる。(それによって、よりよい経済活動が可能になる)

・大多数の市場参加者は、ストーリーという言葉を使うなら、市場に関する一つのストーリーをリアルタイムで見ている。選択をスイッチするためには、別なストーリーを、タイムスケールを変えて見るようにすればよい。

・タイムスケールを変えるとは、例えば、日単位で見ていたものを10年単位で見るということ。すなわち歴史的な視点が必要。そういう意味で、バブル崩壊を何度か経験している人のコメントが役に立つ。

ということで、吉崎達彦氏・溜池通信10月17日号「国際金融危機への個人的見解」と澤上篤人氏・日経マネー12月号「ゴキゲン長期投資 連載100回スペシャル」はお勧めです。

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