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20年以上断続的にこのブログを書き継いできたインフラコモンズ代表の今泉大輔です。NVIDIAのフィジカルAIの世界が日本の上場企業多数に時価総額増大の事業機会を1つだけではなく複数与えることを確信してこの名前にしました。ネタは無限にあります。何卒よろしくお願い申し上げます。

2011年の未来から現在のWall Streetを振り返ってみたコラム

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米国金融がどういう方向に進もうとしているのか興味があって、最近またちょくちょくWall Street Journalのサイトをのぞきに行っています。

今朝目にした未来ネタのコラムがおもしろかった。2011年の時点から2008年を振り返るという設定のコラムです。(以下、ネタばれすみません)

内容は、一連の金融危機で職を失った不動産担保証券系デリバティブの専門家をBlackstoneが積極的に雇い入れ、米政府が設定した不良債権処理プログラムに呼応して、同社が買い手の側に回り、合理性のある価格設定で大いに買い取ったことにより、住宅市場は復調し、米国経済も盛り返した。Blackstoneも多大な利益を上げたというもの。
その”勝利”を祝うパーティに出席したコラムニストがいろいろ振り返ってみたという構成になっています。パーティ出席者の1人であるニューヨーク市長がJohn Thainになっていたりと、細かな仕掛けがしてあります。
それから、最近、投資銀行のビジネスモデルが終焉したという議論がよくなされていますが、このコラムニストはそういう論調には大いに不満があるようで、Blackstoneが投資銀行モデルの復権にも与ったという内容になっています。

こういう時期になんと不謹慎なと思う人もいるかも知れませんが、こういう時こそ、大いなる歴史的視点のようなものが必要であり、しかもユーモアを持ってそれにあたるというのがよいわけです。

安くなれば誰かが買いを入れるわけで、売り買いが成立すればそれで市場は機能し、利益を上げるプレイヤーも出てきます。そうした健全な市場の機能が働くのは、まずもって米国であり、この未来コラムのようなシナリオもけっして荒唐無稽とは言えないと思います。

以前にも書きましたが、未来から振り返る視点はなかなか有用だと思います。

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